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診るということ

今、お世話になっている鍼灸師の小井戸先生は、地球の歩き方のシルクロード編の初版を書かれたとのこと。同じ時期(80年代後半から90年頃)に中国にいた変人仲間ということで、話が盛り上がります。90年代初めの頃、その地球の歩き方を使って2回もシルクロード行かせていただきました。

お互い、しらっと今の日本の社会に溶け込んでいるふりをしていますが、天安門事件前後に中国にいた日本人なんて、日本に馴染まず海外に出た海外組の中でも、「人々がまだ人民服で自転車に乗っていた当時の中国を選ぶという変人♡」なわけで、そしてその中でもホリスティックな療法で人の体を診るという仕事をしている仲間でもあるので、口を開くとあっという間に話が合います。波長が合うというかなんというか。

毎回、心地よいおしゃべりをしながら、楽しくリラックスして鍼を数カ所打ってもらいます。初回の直後はそれまでコリすぎていてもはや肩こりも感じなくなっていた石のような肩と背中が緩み、痛みを感じ始め、全身打撲のような感じでちょっと動くだけで「あたたた」と言っていました。その痛みも徐々に和らぎ、気づいたらいつも浮腫んでいた足の浮腫みも取れ、全く動かす気になれなかった身体も少し動かせるようになり、年明けから毎日ストレッチをするようになった次第。ストレッチができるようになってから、ぐんぐんと身体が変わっていっている感じがします。

何よりほんとうにすごいなと思うのは鍼を打った日とその翌日の気分のよさ。もともと気分のムラはない方ですが、それでも自分の気分がさらに一層良くなっているのがわかり、超絶優しい妻になります(ちなみに普段から平和で優しいけどね)。今まで、何かの施術でここまで「気分」がよくなるのを感じたことはないので、びっくりです。

そして、また、そのフィードバックを先生にして、二人で「すごいですね〜」と盛り上がる。鍼、絶対にうつや不安症などの気分障害にも効くと思います。

私が「すごい、すごい」と言っていると、小井戸先生は「日本の鍼ですから、手で触って詰まりを感じるところに刺すだけなんですけどね、不思議ですねぇ」とおっしゃいます。

で、私も「あぁ、やっぱりそうなんだ」と思うのです。

世の中にたくさんの病気が存在していて、ナチュロパシーでも学位の4年のほとんどはハーブや栄養のこと以上に病気のことを学んでいきます。繰り返し繰り返し病態生理を学び、症状である程度の診断と鑑別診断ができ、医師にリファー(紹介)できるぐらいの知識はつけるのですが、4年で学べる知識には限りがあります。

卒業後、ひよっこナチュロパスの間は自分が知識的に無防備な気がして焦り、学んだことのない病気に出会うと、病理や病態生理を調べるのにとても時間をかけます。でも、どんな病気であったとしても、どんなに難しいケースであったとしても、土台を整えることは必ず必要。

当然、卒業後も継続的に勉強を続けていく必要はあって、そうしてできることは卒業後どんどん増えていくけれども、「いずれにしても最低限これは必ず必要」ということは卒業時にすでに知識として持ってたことに数年後に気づきます。どのようなケースでも最初に行うことはほとんど同じような内容が多く、食事や栄養を整えるだけで症状のおよそ4割は改善させてあげられる。その経過を見て初めて、特別な処方を与えていくことが多いです。

例えば、初めての病気のケースの場合で、何をすべきか初めによくわかっていなかったとしても、1時間半のコンサルの中で主要な問題に加え、細かい質問を重ねていくことで、必ずヒント、要は鍼の先生のいうところの「何かの詰まり」が出てくるのです。それが必ずしも、問題のある臓器にあるわけではなく、むしろ大きなヒントは全く関係のないところで現れたりします。ご本人が当たり前すぎてもはや「症状」だと思っていない些細な症状。

みなさん、1時間半も自分のことをそんなにじっくり聞かれたことがないので、あれもこれもと話すうちに、やっと思い当たるようです。大きなヒントは、たいてい時間の最後のほうにきます。コンサルが終わりそうな時に「ああ、そういえば、XXがあります」。その一言で「詰まり」そのものであったり「詰まりを取るヒント」を得られることが多いです。

土台を整えると同時に、そこの「詰まり」を治します。「詰まり」を順番に治していくと、自ずと自然治癒力が働き始め、全体の調子がよくなります。それがまさに自己治癒力を上げるということで、鍼もナチュロパシーも同じなんだなぁと思うわけ。ホリスティックな療法の最大の良さ。

ちょうどそんなことを考えていた時に、主要なナチュロパシー講座を全て受けてくださっているマッサージセラピストの生徒さんから「ある疾患を持つお客様が来られるのだが、何をしてあげられるか」という質問がきました。

それも一緒です。その疾患のことを調べることは必要だけれども、「何をしてあげられるか」は、主要な講座を受けてくださっている彼女の場合、「もう十分スキルを持っているので、安心して大丈夫だよ」。持っている知識とスキルを総動員して、体全体をチェックしていけば、必ず「詰まり」が見つかるから。そこが「やるべきこと」のヒントになります。

私のナチュロパシー講座でも、栄養の基礎、お腹、ストレスと副腎疲労、うつと不安症の講座を受講していただくと、だいたいの基礎的な対応は可能になります。たいていの疾患はお腹の状態とストレスに関連していることが多いので。

プラス、婦人科系や子宮内膜症などのホルモン系の講座も揃えているので、それらも受講していただくと、女性に関してはだいたいのケースの「基本の対応」が可能になります。そういうふうに考えて現在の講座を揃えてきました。あの内容を網羅したら、大概のケースには対応できます。

今すでにたくさんの生徒さんが私のナチュロパシー講座を受講してくださっていますが、ハーバルセラピスト講座で強調していることも同じ、「食、ストレス、お腹」をケアすることが全ての第一歩、みなさん十分に知識を得られているので、ぜひ安心してお客様のケアをして差し上げてください。

「自分ができることのヒント」はちゃんと浮かんで出てきます。そして結果もついてきます。

頑張ってね!






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