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Casio QV-700について

毎度おなじみ、私の好きなカシオのQV初期シリーズの記事であります。

ひとつ釘を刺しておくと私はカメラ自体に興味はない。興味があるのはそのカメラの出産する画像のみだ。このカメラの設計思想には興味は多少あるが、カメラオタク的な話は私に期待しないでほしい。
というのも、こういった古いカメラを紹介する記事というのはどうしてもカメクラ的な話になりがちだ。当時の時代背景やレンズの性能や設計、センサーがどうのこうの。

つまらん。どうでもいい。

私は成果主義なのだ。

1.仕様

とはいえ、操作やなにがこのカメラに出来るかというスペックは成果に大いに関係してくる。
その辺をさらっと説明したい。

まずこのカメラは価格だが、中古市場でもほとんど出回っておらす"、平均価格は不明だ。
私の購入価格はたった1300円で、動作未確認とされているものだったが、正直な話このカメラは単三電池4本を使用するもので動作確認自体はかなりハードルが低い。にも関わらず動作を頑なに確認せず出品するのは、ほぼ動作しないと言っているようなものだ。
ダメ元で購入してみたが、初めは通電しなかった。やっぱりダメかーと思い、幾度か試みてると通電した。その後、また立ち上がらなくなったり立ち上がったりと不安定だったが、今では100%動作するようになった。
長年放置されてきた故だろうか…。

ONになると“WELCOME!”の文字が黒画面に点滅する

では機能の話となるが、私はQV-10A、100、200、300を使用した経験があり、それらの機種と比較した話を中心とする。なぜなら、ただのスペックや使い方などは説明書を読めば良いだけだからだ。

私がここで価値のあることを書けるとすれば、ユーザー視点の話のみだと思う。

外側


まず、QV-300などからの最も大きな進化は、CFカードで記録する仕様になった事だろう。

これにより専用ケーブルや専用ソフト、WindowsPCなどのアイテムや互換性の問題が全てフリーとなる。しかも、出先であれば内蔵メモリでは限られた枚数しか記録できなかった点、このカメラではカードを交換すればいくらでも撮影が可能であり、大容量のCFカードなど今となってはいくらでも安く買えるという、計り知れないメリットだ。
この転換はQVシリーズの飛翔と言っても過言ではない。

補足しておくと、このカメラの記録形式は.CAMというものなので、変換ソフトが必要になる。しかしケーブルでの転送は50枚程度でも1時間近くかかるという叫喚地獄(しかも転送中に電池が無くなるとさらに大叫喚地獄へ落ちる)だったので、それから比べれば手間でもなんでもない。須臾の刻で済む。

次に大きな変化は内蔵フラッシュがついたことだろうか。

これは人物撮影やブツ撮りにおいて記録的には重宝する機能だ。ただ、発光量はそれほど多くないようだ。補助光程度に考えておくといいかもしれない。
ただ、フラッシュなしでも全く問題はない。なぜならこのカメラ、QVシリーズにおいて最高の感度耐性を誇っている。QV-10あたりの2桁番台のカメラもかなり夜に強かったが、恐らくそれ以上か?画素数が上がり、なおかつ夜でも撮れるのだ。
結構最強だと思う。

夕方でもこの明るさ。
露出補正で-にするほど、まだ余裕あり。
夜でもこの通り。
かなりくっきりと解像感を失わずに記録できている。


2.その他の機能


特徴的なのは近年のデジカメにも見るようなダイヤルが搭載されたこと。

連続撮影に対応しており、他にもタイマー、インターバル、合成しやすくなるように撮影するなんちゃってパノラマ機能、文字入れ機能などがある。
このあたりもバラエティ豊富になった。
私は通常撮影以外あまり使わないが、色んな撮影に対応する選択肢が増えたのは単純に良いと思う。

そしてホワイトバランスやF値などもマニュアルで固定できるようになった。この辺も痒いところに手が届くようでなかなか良い。

設計としてはいままでのシリーズの痒いところ全部届くようにしましたという完成系に近い気はする。ちなみに、このカメラの後続にQV-770はなんと3秒程度のみだが動画も撮れるとかで、それも気になっている…が中古市場でまともな価格で件の姿を見たことはない。

もちろんこの後続機ではさらに色んなカメラ(4桁台)が出てくるのだが、画質が良くなりすぎており、ローファイカメラとしての良さは残念ながら無い。

3.作例

例のごとく回転部があるのでスナップしやすい
高田本山専修寺のお七夜という祭事で撮影
画質については300より精緻になっている
逆光では虹色のフレアがでる
Cam→jpg変換のみ
レタッチ後

まずPhotoshopで、シャープネスと画像を640×から2000×くらいに大きくするアクションをバッチ処理でかける。
先に画像を大きくするとシャープネスがかからないので注意なのだ。
Lightroomで色味とかトーン調整して終わり。


ローファイカメラを好むなら元の画像の発色を受け入れるべきかもしれないが、私はさらにガチャガチャにしたくなるタイプなんだ。お許しを。


4.最後に

私としてはQV-300とこのQV-700をレギャラーとして撮影しようと思っている。
ちょっとした昼間のスナップならワイドとテレを切り替えできる300が良いし、特に人物撮影などではカードも切り替えられ夜撮影もできる700が良いと思う。

コンパクトなQV-70もいいのだが、私の持ってる個体は起動が不安定であり、レンズ回転部がないのでスナップもしにくい。
よってレギャラーを外すこととした。


700は替えがきかない貴重なカメラである。買い直そうとしても出回っていないし、あったとしても1300円では買えないだろう。取り扱いには充分注意しなくてはいけない。
300を2度とも落として壊した時に懲りた。

私がこうしてわざわざカメラの話をするのは、もっとこうしたカメラにスポットが当たって欲しいからに他ならない。
QV-10なら歴史的価値があるため、記事があったりするが、その所感や作例などの実態につあてはとんと無い。ほとんど無い。

ましてや現役で使っている人はこの広大なネット上においてもあまりヒットしない。
私ほどバリバリ使ってる人がいたら連絡して欲しい。

高解像度のカメラを出すならわざわざ低解像度のカメラを出すことも可能だろうと私は思うわけです。
センサーが小さいからこそ夜も感度が高く撮影できる。ローファイだからこそ、路上を撮っても余計な情報や人物のプライバシーが守られる。
そういう選択肢もあっても良いのではないかと私は思うのです。
もちろんトイデジなどは今でも売られているが、あれは画質が単純に汚いのです。
ローファイなだけで良さがない。(個人的感覚)


QVシリーズじゃなくてもいいが、リブートがあれば面白いし買うかもしれません。
実際、若者は高解像度をわざと避け、フィルムカメラを使ったりわざわざフィルターで顔面をぼかしたりしてるわけです。需要はあるはず。


大手ではむりかもしれませんが、どこかの第三セクターのメーカーが作ってくれたらいいなぁ。

なんて願望を言って取り留めもない話を終わりとします。

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