秘密のルームサロン

 韓国の最初の頃の仕事は広告代理店のような仕事でしたので、クライアントや取引先の方々を接待することも多かったです。当時、韓国に来る男子は、韓国の女子に会いたがります。今は知りません。
 韓国の友人に相談して、「お客さんをキャバクラに連れて行きたいんだけど、出来れば日本語できる子がいる店がいい」という要望を言って、店を教えてもらいました。
 クライアントを連れて行きました。すると、だいぶキャバクラと違うことに気づきました。
 まず、個室です。個室に入ると、女子がこちらの人数分入ってきます。
 接待ですから、私は皆さんが選ばない女子になります。どこに行ってもハングル会話の勉強だと思ってましたので、いつも楽しく過ごしました。
 この業態を「ルームサロン」と呼びます。
 その後、「キスバン(房)」という業態が流行った時もあって、皆さんをお連れしました。そこでは、みんな一緒に歯磨きをさせられた後、各部屋に入ってキスをするのですが、キスは1分もすれば飽きますよね。なので、皆さんには不評でした。私は、キスもせず、ずっと喋ってましたのでとても楽しく過ごしました。キスも病気になることもありますので。
 で、ルームサロンは、交渉次第で(というより私がお金払ってんですが) アフターができます。
 ITバブルがはじけた2000年代初頭には、恐ろしく不景気になって、夜の街中は暗~く、人通りも少なくなりましたが、ルームサロンらしい店だけは、わんさか人がいました。一般市民は貧乏でも、財閥系の会社はものすごいカネを使って接待をしている、と、最初に出て来た私の韓国の友人は憤慨して言ってました。今や無縁の華やかな「夜の世界」のお話でした。
 

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