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新しい住まいの形。ギルドハウス十日町に『ノービス』を新設し、募集を始めました。

新潟県の十日町市(とおかまちし)にて、2015年5月に立ち上げた《住み開きの古民家「ギルドハウス十日町」》。その名の通り、いろんな冒険者がやってきてはここで経験値をためてレベルアップし、さらには冒険の仲間も得られるような拠点になっています。訪問者数は1年4ヶ月で延べ3,800人を超え、いまも10名ほどが共同生活をおくっています。

なぜギルドハウス十日町を立ち上げたのかと、よく聞かれます。ひとことで言えば、《死ぬまで楽しく暮らせる家》となるよう自分本位で立ち上げた住まいです。山奥の限界集落で特別豪雪地帯なのでひとりで住むには寂しいし過酷なわけですが、自分の住まいに名前とコンセプトを付けて、共同生活の場にしました。おかげで雪おろしをはじめとする家事などで大助かり。あらゆる物事をシェアすることで、生活費も安くなります。

そうした住まいを末長く維持するために、《住み開き》をしています。いつでもだれでも来ていいですよ、と開放したら、地元の人たちはもちろん、全国・海外からいろんな旅人がやってくるようになりました。朝起きたら知らない人が茶の間に座っていた、ということもあります。このように日常的に新しい人がやってくることでコミュニティの新陳代謝が促されると同時に、新しく入居する仲間が次々と現れる導線になっているんです。

そんなギルドハウス十日町は、全国誌やNHKなどで特集されるほど、あるようでなかった新しい住まいの形であるようです。しばしば各地からの視察もいらっしゃいますが、《1割の計画をもって9割の偶発性を生み出す場づくり》に驚かれることが多いです。交流拠点を作るにあたっては、なんとなくですけど、8〜9割くらいを計画的に作ることのほうが多い気がするので。確かに、ギルドハウス十日町はユニークかもしれません。

ユニークと言えば、共同生活をしているギルドメンバーに対して、いろんな制度を導入している点もそうでしょう。一般的なシェアハウスだと管理人と住人の2種類だけですが、ギルドハウス十日町にはギルドマスター、住人、アプレンティス、サポーターの4種類があり、このたび新設した『ノービス』を加えると計5種類となります。

『ギルドマスター』を務めるのは自分。管理人のような家主のような、ギルドハウス十日町を立ち上げた代表というわけです。いままで100以上の仕掛けを基本コンセプト《住み開きの古民家》の上に積み重ねたことが、これほどの訪問者数や個性的な住人たちを山奥の限界集落へ集わせるきっかけになっていると思います。

ふたつめの『住人』は、賃貸でいうところの単に家賃を支払う人と異なり、いろんなことに対して果敢に挑戦する冒険者。共同生活の家計に無理のない範囲で生活費を入れながら、みんな自分自身のため自由に動き自在に時間を使います。ギルドハウス十日町で最も多く恩恵を得られる存在と言えるでしょう。

『アプレンティス』については、2015年11月に徒弟制度(アプレンティスシップ)の導入を思いつき、これまで9ヶ月間ほど2名が住みました。家事や地域の行事を積極的にやってもらう代わりに、生活費を入れる必要がなく(フリーレント)、食事付きで住み込みができます。そして、お手伝いの合間に、各自のスキルを磨けます。ゲストハウスでいうところのフリーアコモデーションを、ギルドハウス十日町ならではの形にしたらどうなるか、というところから発想した制度です。

4つめの『サポーター』は、2016年4月に始まったばかり。それでも早々に6人が名乗りを上げてくれました。住むというよりは、毎月、数日、拠点のひとつとして活用するのに適した制度です。ギルドハウス十日町をいろんな角度からサポートし、喜びや成果を分かち合い、サポーター自身にとっても良い制度として機能すればと考えています。興味のある人は、こちらのWebページから申し込めます。 https://lounge.dmm.com/detail/668/

そして今回、新設したのが、その名も『ノービス』です。

さっそく2016年9月からスタート。すでに1名、ノービスとして住み始めることが決まっています。これは、住人ほどの金額ではないですが生活費を入れてもらいます。ちなみに住人の生活費は、食費込みで毎月25,000円くらい。もともと安い生活費が、ノービスだとさらに月々15,000円程度に抑えられます。自分自身のため自由に動き自在に使える日にちは週2〜3日といったところでしょうか。そして、残りの週4〜5日をアプレンティスのように家事や地域のお手伝いを担ってもらい、その合間に何をしても自由です。

このノービスを新設するきっかけは、「ギルドキャンプ2016夏」でした。夏休みシーズンの最大1ヶ月間を1万円(2名以上1組の場合は2万円)で住めるというキャンペーンです。その参加者から「ギルドハウス十日町に住みたい!」という人が現れ、その人の意向をくんだ形で、このノービスという新制度が生まれたんです。

アプレンティスは、これまで9ヶ月間ほど住み込みをした2名を見ての通り、作曲家や服飾職人という磨くべきスキルが明確でした。家のなかでも仕事ができるので、日常的にお手伝いを頼みやすいという状況が作れます。

一方のノービスは、noviceという意味からして、新米でなりたての冒険者です。知る人ぞ知るゲーム『ラグナロクオンライン』に登場するキャラクターのひとつで、初めて冒険の世界に降り立ったばかりの未熟な状態。装備もスキルも経験値もレベルも低い。右も左もわからない。これから戦士になるか、魔法使いになるべきか、磨くべきスキルも定まっていません。

だからこそ、ノービスには無限の可能性があります。一つひとつは未熟ながらもさまざまな事柄において経験値を高めたスーパーノービス(スパノビ)という存在もあるそうです。それと同様に、ギルドハウス十日町に降り立ったときは未熟で自分がどうすべきか定まっていなくても、ほかの仲間たちとの出会いからさまざまな経験値を得ていくのでしょう。そして、いつかは伝説の勇者になるのかもしれません。

ギルドハウス十日町の年間3,000人が集うコミュニティに身を置きながら、出会いから共感と展開を生み、みなさんのやりたいことを実現するために、これらの制度を役立ててもらえればうれしいです。

まずはアプレンティスとノービスともに、1名ずつ募集中です。お待ちしています。


余談ですが、『ファイナルファンタジー(FF)』というゲームでは、たまねぎ剣士(オニオンナイト)というキャラクターがいるそうですね。たまねぎを切ることぐらいしか出来ない未熟な冒険者。まるでノービスです。名前は違えど、ゲームでも現実の世界でも、はじめは誰もがノービスだと思います。そこから偉業を成し遂げた人がどれほど多くいることか。ギルドハウス十日町が、文字通り、そんな冒険者たちの最初の道しるべとなれば、なおうれしいです。

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