HSK5級合格を目指して 〜①語彙力強化〜

こんにちは。

今日は前回の続きとして、HSK試験対策その①語学力強化について少し厚めに書いていこうと思います。


①語彙力強化、②文法力強化、③リスニング力強化、④作文力強化

語彙力を上げるためには、とにかく単語の継続的かつ反復的な暗記が必須となります。また、中国語の単語を覚える際には、(a)単語、(b)意味、(c)発音(ピンイン)の3つを覚える必要があります。中国語の漢字は、基本的には一字一発音ではあるものの、意味によって発音が変わる文字も多くあるので、その違いも覚えないといけません。(例えば「行」という漢字は、「行く」という意味においては"xing"と発音するのですが、「銀行」という熟語になると"hang"と発音するようになります。)

私は現在、1つの書籍と2つのアプリを活用して単語の暗記をしています。

1. 『品詞別・例文で覚える HSK基本語彙5級-6級』郭 春貴・郭 久美子編著

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この書籍には、5級と6級で新たに覚えるべき単語が、品詞別に列挙してあります。また、単語・発音・意味だけでなく、各単語を用いた例文とCDによる音声も付いています。

私は、この書籍から自分専用の単語帳を作成しています。なぜかというと、全ての単語を覚える必要がないからです。例えば、今まで覚えた単語と単語の組み合わせの新しい単語が出てくることもありますが、大抵の場合、この新しい単語の発音は、すでに覚えている単語の発音を合わせただけの場合が多いですし、新しい単語の意味が漢字から推測できるものも多くあります。なので、私は発音できない単語や漢字からは推測できない意味をもつ単語に限って自分専用の単語帳を作成しているのです。

今では、単語帳を作るアプリなどもあり、携帯さえあればいつでもどこでもどれだけの量の単語でも、気軽に暗記しようとすることができます。単語帳アプリを選ぶ際には、①フォルダを作成できること、②お気に入りマークをつけられること、③お気に入りマークでフィルターできること、④シャフルできること、⑤表裏だけでなくメモ欄もあること、などの機能があるとよりスムーズに暗記することができるかと思います。ただ、やはり自分がやりやすいと思うものを使うのが一番です。


2. 中国語を学ぼう - Chinese Skill(アプリ) ©︎ChineseSkill

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このアプリは、本来は初級レベルの中国語を全般的に学ぶことができるアプリなのですが、機能がとても豊富にあるため、私のように語彙力向上のためだけに使用することもできます。(ちなみに、課金をすれば中級や上級の中国語も学ぶことができるみたいですが、私は無料の範囲だけを利用しています。)

アプリの中にある「ゲーム」機能のうち、"HSK PRO"と"TONE DRILL"を継続的に使うことで、単語→意味と単語→ピンイン(正確には声調)を覚えていきます。

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"HSK PRO"では、HSK各級において覚えるべき単語が級ごとに分かれて単語帳化されているので、HSKを受験する際にピンポイントで単語学習ができます。3種類のゲーム方式があるのですが、表示された単語の意味を二者択一で選ぶ方式の、3つの中で一番シンプルな"Game"だけを私はやっています。HSK5級で新たに覚えなきゃいけない単語数は約1,300語強ありますが、「毎日20語だけ」と思えばそこまで負担に感じることなく、2ヶ月ちょいで一周することができます。一つ注意が必要なのは、意味が英語で表示されることです。捉え方によっては、中国語と同時に英語の勉強にもなると思うこともできますが、中国語も英語もわからないという人にとっては大変かもしれません。

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"TONE DRILL"では、表示&発音された単語のピンインを指でなぞって答えるミニゲームが楽しめます。1ゲーム1分30秒なので、スキマ時間に気軽にでき、毎日ふとした時間にやることで自然に声調を覚えていきます。毎単語最初に音声が流れるので、覚えるまでは音アリで、覚えてきたと思ったら音ナシで挑戦するとより効果が高いと思います。現在なぜかLevel.167以上のゲームでバグが発生してしまうのですが、それまでのLevel.1~166をクリアしていれば、復習というボタンからそれまでの全ての単語・熟語からランダムで表示されるようになるので、幅広い単語の声調を覚えているかを確認することもできます。

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このアプリは、受験する級で新たに覚える単語のみに絞った意味の暗記と、広い範囲の単語の声調の暗記のために使っています。


3. mikan 中国語  ©︎2017-2020 mikan Co.,Ltd.

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このアプリでは、主に単語→意味の暗記ができます。中国語の単語が音声とともに表示され、それに合う意味を4つの選択肢の中から選ぶというものです。このアプリでは、選択肢が日本語になっているので、いくらかやりやすいかと思われます。

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このアプリのいいところは、品詞ごとに単語を暗記できる点です。苦手だと思う品詞や重点的に覚えたい品詞に焦点を当て、集中的にテストできます。また、単語の聞き取り練習にも向いています。上半分の単語部分を手で隠して音声だけを聞き、4択から正解を当てるという方法でやると、漢字から意味を推測ができないため、単語を音でも覚えられるようになるのでおすすめです。

逆にこのアプリの物足りない点は、収容されている単語の総数が少ないことです。おそらくHSK1~4級相当までの単語しかないように思われます。なので、あくまで初級〜中級の単語の記憶を補強するための活用にとどまると思います。しかし、何事においてもそうですが、基礎を固めることは重要です。mikan 中国語の単語を全て完璧に暗記・聞き取りができるようになれば、中国語力は確かなものになると言えるでしょう。


私は、中国語の学習において、覚える単語には実は優先順位があると思っています。それは、接続詞→動詞/形容詞→名詞→その他の順です。この優先順位になる根拠は、単語の学習処理の違いと文脈把握における単語の重要性の違い、覚えるべき単語の総数の違いの3つがあります。

これは持論なのですが、日本人にとって中国語の単語を覚える際の処理には①新規保存②上書き保存の2通りあると思っています。基本的に、母語(または同系)以外の言語の単語を覚える際には、①新規保存する、すなわち、今まで頭の中に全くなかった言葉を新しく覚える必要があります。しかし、日本語を母語とする人にとって、中国語の単語の多くが日頃使っている単語に非常に似ているため、全くないところから新たに覚える必要がなく、今まであった日本語の単語と結び付けて覚える②上書き保存で済んでしまいます。そして、語彙を増やす際に優先すべきは、①新規保存が必要な単語なのです。接続詞には、こういった新規保存が必要な単語が多くあります。(個人的な感覚として、接続詞の次に動詞や形容詞、その次に名詞という順で次第に上書き保存で済むような単語が増えていく気がします。)

また、文章を読む際に、接続詞の意味がわかると前後の文脈が掴めるようになり、文章の理解が一気に進みます。つまり接続詞は、その意味がわかるだけで前後の文章の関係性がわかるという、非常にコスパのいい品詞さんなのです。

そして、名詞や動詞、形容詞など他の主要品詞と比べ、接続詞の単語総数はとても少ないです(HSK5級においては、名: 559語、動: 464語、形: 186語、接: 16語が新規単語数)。そのため、名詞や動詞よりも先に、数の少ない接続詞を全て覚えてしまえば、単語の暗記と並行して行う他の対策との相乗効果が生まれやすくなるのです。(例えば、リスニング練習をしている間に、まだ意味を覚えていない動詞があっても、接続詞の関係から推測することができれば、意味を一々確認する時間を節約できる。など。)

接続詞が最も優先順位が高いのは、以上の3つの要因が掛け合わさった結果、「聞く」「読む」「書く」の全セクションにおいて、いち早く底力を上げてくれるからなのです。


繰り返しになりますが、単語の暗記の際には、反復と継続が大事です。いかに毎日コツコツとやり続けることができるか大事なので、毎日やることがあまり負担にならないようにしています。忘れるよりも早く覚えてしまえばいいのです。

次回は、②文法力強化について書こうと思います。


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