貴志祐介さんの新書。兎は薄氷に駆けるを読み終えて...
遂に読み終わりました。
およそ480ページほどある今作は非常に読み応えがあった反面、少し腑に落ちない部分がありまして。
というのも、表紙の帯に赤く書かれているホラーという表示。読み勧めていく内にいつホラーな描写があるのだろう?と期待しながら…。あれ?ホラーは?って感じで終わりました。確かに最後のシーンはホラー的な展開なのでしょう。自分以外がなにかに取り憑かれた様に目的を達成しようとする姿、非常に嫌な終わり方ではあるのですが、今ひとつ捻りが無い様な感じがしてしまって。後味が悪ーい終わり方が貴志祐介さんの良さであるのに…。
作風としては法廷ミステリーという感じでしょうか?
主人公の日高英之の父が警察の捏造によって有罪判決を受け、最愛の父が去ってしまう悲しみ、そしてその後家族に向けられる非難の目や、誹謗中傷に耐える日々。
そしてその真犯人を知ってしまう英之。彼は真犯人そして父を捏造によって逮捕した警察に対する復讐を誓います。
それは彼だけではなく、多くの人物を巻き込んでいく事になります。そして父と同じ様に殺人の容疑をかけられ逮捕されてしまう英之。そして彼は容疑を否定し続けますが、警察の長時間に及ぶ事情聴取。時には激しい言葉を浴びせられ、日々の疲れが相まって彼は遂に自白してしまいます
彼もまた父と同じ様に捏造により同じ道を歩んでしまうのだろうか?
そしてそこから英之の復讐の火蓋が切って落とされるのです。
法廷ミステリーというジャンルは初めてだったので、探索、推理、法廷という流れが非常に新鮮に感じられました
やはり貴志祐介さんの知識の深さには驚きます!
もはや彼に知らない物などないのではないかというほどの知識量です。それが専門学だけではなく、ちょっとした雑学的なものであっても非常に幅広く、読み勧めているだけでも賢くなれた感覚になれますｗ
少し気になった言葉は
いくら警察であっても結局は警察のためだけにしか動かないという言葉。これは螢警察だけではなく全ての事に言えるのではないかという事。この国も政治も全て国民の為だと言いながら、結局は我が身に為ならば迷わずそちらを選ぶ。国家権力何だから、政治家なんだからという道理は通用しなく、結局は自分が可愛いのではないのだろうか?という彼の言葉。
今回も貴志祐介さんの本当に言いたかった言葉
彼が本当に伝えたかったことなんだろうか?
そして父が有罪になり、その日から彼は世間の冷たさを思い知らされる。「蛙の子は蛙」世間から受ける言葉は励ましの言葉ではなく、どこまでも彼を非難する言葉ばかりでした。そして弱者は強者には逆らう事はできない。
そんな弱肉強食の世界を嫌という程に味わされ、本当に怖いものは大衆なのだと彼は知ることになる。
正義を振りかざし悪を排除せよという感情が時に人を間違った方向へ導いていく時もあるし
時に人を救う手段にはならない場合もあるということ。
常識やルールにがんじがらめになった現代だからこそ、そういった思想は本当に正しいばかりなのだろうか?という疑問を覚える時があります。
そういった感情を上手く逆手に取って
ストーリーに埋め込むことによって、被害者、加害者の両方の感情を感じ取り中立的な見解で読むことが出来るストーリーだなと感じました。
物事は決して一方向では見ることは出来ない。そして目的を達成するには敢えて犠牲にしなければならない物もあるのだと言うこと。世の中全て綺麗事だけでは済まされないこともあるのだと言うことをこの小説から学ぶことが出来たかなと思います!
ただやはりホラーの巨匠である貴志祐介さんならではの
恐怖というのが少し弱めです。まぁある意味内容は人間の闇ですし、それはそれで怖いのですが…。
とことん人間の闇を追求した結果、どうにもならないエンディングでパーっと締めてしまった方が面白かったのにと思いました
なんか文章力皆無な僕なんかに偉そうに言われたくないでしょうが…。偉そうで申し訳ないです。
でも大好きな貴志祐介さんの作品に触れているだけで楽しいでオールオッケー!
積み本が最近増えまくって、少しづつ崩してるのに
最近quoraという質問サイトで、面白い本ありますかーって質問したら沢山ご回答頂いちゃってｗｗ
読みたい本が山のようにありますよｗｗｗ
おいおい崩してすらねえのに買うのかよってｗｗ
古本屋はマジでヤバいですｗ
気がついたら本の山。
まぁ小説はいいですよ。
無駄になることは一つもないですからね
それではーーーまた🧏
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