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063シェアビルモールコンパクトスマートシティ「先に食べるか最後に食べるか途中で食べるか」リノベまちづくり

「メーールト」


 私が口ずさむや否や


「おっと、それ以上はダメよ」


 ソファに止められた。



……そして私はアート展でのやりとりを想い返していた。


(「目から先に描いたらどうなります?」)


(「目が強くなっちゃうかな」)


(「陶器を溶かして絵を描く方がいて、奥さんが最後に目だけ描くって言ってましたよ」


 私は再び、目だけ最初に描いた後はお弟子さんが完成させる漫画家の都市伝説を想い出していた。


 ソファと私は『モンブランLab』メンということもありケーキつながりで――


(「先にショートケーキのいちごを食べるか、最後に食べるか、途中で食べるか、食べない選択肢はなし」)


(最後に食べるとケーキ食べた分酸っぱく感じちゃうわね)


 そんな相対的な特殊すぎる相対性理論を醸していた。特にソファが――。



 日曜日。清志郎。



 市場に出かけず。


 糸と麻も買ってこず。


 とぅりゃーッと改め、『京葉浜ベイエリア』さらにズームすると『京葉ベイエリア』、そして『千葉ベイエリア』のまちづくりラボへ来ている。


 半径数百米のスモールエリアの範囲内の遊休不動産を活用し、リノベーションまちづくりを進めているエリアなのだ。まちづくリノベーション。


 そういった『クラン』とまちづくりプレイヤーと共に街を〜練り歩く。降りしきる雨の中。あと風。


「スキルと『創造ナノ-ヨクトマシン』ちゃんで雨止めちゃわない?ばぁーっと晴れさせない?」


 ソファはうんうんとうなづくものの、シェリーに止められた……。


 くっ……こやつ今ここでそのMっ気を開発しちゃおうか……。


 くっ……あとで可愛いがっちゃるけんね。



 地域によっては利用の多い道路は、透明な屋根で覆い、雨水を貯水し再利用できる循環システムが設置されている。


 とはいえ私たちの頭上には異能スキルによって、ドーム型の雨除けが稼働している。色は好みでつけられる。


 私たちは外からは視えないようにアニメキャラ貼っていて、ちらりと目をやると、ニパッと微笑んでくれるのだ。


 実は服も『物質解放』で防水撥水加工できるし、すぐに新しいのと着替えることもできる。風は魔法によってちょちょいと避けてもらう。


 私がソファの腕を抱えて、シェリーもピッタリ寄り添いながら歩いて、リノベーションされた建物を観て回る。その中には古民家やマンション、シェアハウス、店舗などがあった。


 最初は拠点のみの点が、次第に建物がリノベーションされ、点が増えてつながり面になっていく。私のイメージだとやはり立体的に球体だ。


 ここのエリアは活動初期からアートが根幹になっている。アーティストも多く滞在している。

 

 月曜日。みちる。


 次に私たちは『球体ホログラム』で、ある都市計画の『マスタープラン』を閲覧した。この地域は歩いて生活できる距離を目指している模様。コンパクトシティ、スマートシティといったところか。


 今回は現地に向かわず、球体ホログラムで街並みを観ることにした。空からも観られるし動画も可。異能スキル『同調』を発展させれば『千里眼』のように『遠隔透視』もできてしまう。でも球体ホログラムでも充分。


 この地域の映像を眺めていると、高層ビルが地域の特色に合わせて建てられている。


「よし。私たちもそろそろ仮想世界にシェアビルモールでも建てようかしら」


「いいわね」


「うんいいね」


 ソファとシェリーも賛同した。


「仮想世界だからすぐに創り直せるものね」


「「「どういうのにする?」」」


 とりあえず現実世界の私たちはそのまま、仮想世界にいる私たちはまだ残ってるクランメンバーと共に、シェアビルモールを創ることにした。



♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪



「まずはメインの球体フリースペースの位置ね」


 今は『超重力』により空中に浮いている。


「球体フリースペースをそのまま屋外にするかビル内にするか」



「目覚めたらふらっとすぐにセッションできる――だったわね」


「そうなると居住スペース近くがよさそうね」


 オジュがそう答えた。


 私はイメージしている建物の形をシェアする。


「大きな球の中心を地面に配置するの」


「半球が地面から出るわね。残りの半球は地下よ」


「半径は9階建てくらいがいいかしら?」


「何階くらいがいいと想う?」


「「「「「「うーーん」」」」」」


「じゃあとりあえず置いておいて、空から観てその球体の周りに、数階建ての円で大きく取り囲むの。ここがモールね」


「この部分は上階になら拡張するのが簡単だわ」


 するとマナが――


「上にいくほど半径を小さくして滑らかに球体と馴染みやすくなるのもいいかも」


「「「「「うんいいね」」」」」


 私に戻って――


「半径を増やして外側に拡張するのも、しようと想えばできるけれどね。その場合はそのテナントや施設ごと入れ替えね」


「「「なるほど」」」


「「「うんうん」」」


「その円は地下にもあるわ。そ・し・て」



「「「「「そして??」」」」」



「地上の半球の上にビルを建てるの」


 


 


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