見出し画像

2024なでしこリーグ1部第6節・2部6節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

オルカ鴨川FC VS 伊賀FCくノ一三重

今季の開幕ダッシュは厳しい形となってしまったオルカが伊賀を迎えての一戦。前半から主導権を握ったのはホームのオルカ。両サイドが高い位置を取りチャンスを演出すると30分、左サイドを抜けた浦部がクロスボールを入れると受けた近藤がしっかりと決めきりオルカが先制する。リードを許した伊賀は攻撃の形を作ることはできているもののシュートまで持ち込むことが出来ない。前半シュート0で終える。オルカの1点リードで迎えた後半、57分に近藤の縦パスから並木とつないで最後は浦部がフィニッシュ。オルカが追加点を奪い試合を優位にする。反撃したい伊賀は75分に秦のアーリークロスに西川が合わせる。この試合ファーストシュートが決まって伊賀が点差を1点に縮める。しかしこの後は繋がらず、伊賀のシュートはこの1本に留まり試合終了。オルカが2-1で逃げ切り勝点を10に伸ばした。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS 日体大SMG横浜

2連勝中のニッパツが3連勝中の日体大をホームに迎えての横浜ダービー。試合はニッパツが終始ペースを握る展開に。11分、ニッパツは高い位置でボールを奪うと小須田がシュート。一度は相手DFにブロックされるもののこぼれ球をフリーの岡にパス。岡は冷静にゴールに流し込みニッパツが先制に成功する。その後も追加点を狙うニッパツは岡、河野を中心に日体大ゴールに迫る時間が増える。苦しい状況となった日体大は前半攻撃のチャンスをほとんど作ることが出来ずに防戦一方。それでも失点は最小限に抑え前半を終える。ハーフタイムには2枚替えを行った日体大。反撃を見せたかったもののニッパツの圧力の前になかなかボールを前に運ぶことが出来ない。リードしているニッパツも追加点がなかなか取れず試合の行方はまだわからない状態が続く。それでも最後まで攻める姿勢を見せたニッパツが相手の攻撃を寄せ付けず0に抑えて試合終了。ニッパツはこれで3連勝。対する日体大は今季初黒星となった。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS バニーズ群馬FCホワイトスター

4勝1敗と上々の滑り出しとなった名古屋と1分4敗のバニーズの両極端なチームの一戦。前半から攻め込むのはホームの名古屋。FWの江﨑をターゲットにバニーズ陣内でプレーする時間が増える。それでも体を張って守り抜くバニーズは前半を何とか0-0で折り返すことに成功する。しかし後半に入っても攻撃に転じるほどの圧力をかけることができないバニーズ。徐々に選手にも披露が見え始めると69分、自陣からのFKがバニーズのゴール前まで飛ぶと最後は高島が頭で合わせて名古屋が遂に得点を奪う。この1点が大きかった名古屋。その後も攻撃をしながら上手く時間を使い逃げ切りに走る。追いかけるバニーズは少ないベンチメンバーを使いながら反撃を試みるも上手くいかず。最後まで1点を守り抜いた名古屋が連勝を飾った。一方のバニーズはこれで3連敗となってしまった。


スペランツァ大阪 VS ASハリマアルビオン

ともに今季初勝利を目指しての関西ダービー。リーグ戦で苦しい状況が続く両チームにとって何としても勝点3が欲しい。試合はアウェイのハリマの攻撃が光る。久しぶりの先発となった川上を中心にスペランツァゴールに襲い掛かるものの得点が奪えない。耐える時間が続いていたスペランツァも一瞬の隙を突いて反撃するが決めきれず、両チームスコアレスで前半を折り返す。後半に入ると徐々にハリマの勢いが落ち着いてくる。ともに選手交代を交えながら打開策を探すものの効果的な攻撃が出来ない。それでも迎えた試合終盤の86分、途中出場の増永がドリブルで左サイドを突破すると中へグラウンダーのクロス。走りこんだ宮本は合わせることはできなかったものの流れたボールをファーサイドで左子がダイレクトで合わせる。これが見事に決まりスペランツァが貴重な先制点を獲得する。交代選手の活躍もあったスペランツァが1-0でハリマを破り今季初勝利。一方のハリマはこれで6連敗となってしまった。


スフィーダ世田谷FC VS 愛媛FCレディース

まだ今季1勝と苦しい状況のスフィーダと愛媛の一戦。この試合は開始早々にアクシデントが起こる。1分、至近距離からボールを受けた大宮が起き上がることが出来ず交代を余儀なくされる。これによりプランが一気に狂ってしまった愛媛は守備に比重を置き固い試合展開となる。少ないチャンスを決めきったのはスフィーダ。22分、望月のCKを中で柏原が触ると最後は藤原が頭で押し込み先制点を奪う。このままリードをしているスフィーダはしっかりと前半を0で抑えてハーフタイムを迎える。後半に入って変化をつけたい愛媛だったが52分、根本のクロスに新堀が頭で合わせてスフィーダが追加点を奪う。このままでは終われない愛媛は57分に伊勢と田子を投入するがスフィーダの圧力の前に反撃できない。その後は上手く時間を使っていくスフィーダに対して愛媛は得点を奪うことができずにタイムアップ。アクシデントもあった中で厳しい状況だった愛媛は0-2でスフィーダに敗れた。一方、スフィーダはこれで4試合ぶりの勝利となった。


静岡SSUボニータ VS ヴィアマテラス宮崎

前節2-1で勝利を手にしたボニータが強豪ヴィアマをホームに迎えての一戦。快進撃が止まらないヴィアマはこの試合も開始早々に見せる。3分、CKの流れから猛攻を仕掛けると永野がロングシュート。これは静岡GK髙橋が弾くもののこぼれを福丸が決めて先制する。さらにその後も攻めるヴィアマは39分、またしてもCKの流れから最後は切通が決めて2-0。前半を2点リードして折り返す。後半に入っても主導権を握り続けるヴィアマは59分に齊藤のパスを受けた今蔵がダイレクトで決めて3点目。試合を一気に優位にするとボニータもさすがに選手交代。ヴィアマも次々と新しい選手を投入していくと73分には切通が今日2点目となるゴールを決めて4-0。エースの齊藤こそゴールは生まれなかったものの圧倒的な攻撃力をこの試合も見せつけたヴィアマ。ボニータの攻撃を完全にシャットアウトし試合終了。勝利したヴィアマは6連勝、ボニータは連勝とはならなかった。


ヴィアティン三重レディース VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

今季初勝利を目指す三重は3連勝を狙う吉備国大をホームに迎えた。試合の展開は一進一退の攻防に。それでもアウェイの吉備国大がセットプレーからチャンスを作る機会が多く得点が近い状況となっている。しかし両チームとも最後の制度が上がらず前半はスコアレスで折り返す。後半に入ると両チーム動き始める。67分、吉備国大が細川、伊藤を投入し変化をつける。対する三重も74分に矢橋、84分に須田、大瀧を投入する。しかしそれでもネットを揺らすことはできずに迎えて後半アディショナルタイム。試合終了直前にゴールは生まれた。途中出場からわずか10分の大瀧のゴールで均衡を破った三重。なでしこリーグデビュー戦の大瀧の決勝ゴールで今季初勝利を掴んだ三重は勝点を6に伸ばした。一方の吉備国大はチャンスが多かっただけに痛い幕切れとなってしまった。


JFAアカデミー福島 VS つくばFCレディース

前節の黒星から切り替えとなる福島。つくばをホームに迎えての一戦。試合のペースを握ったのはホームの福島。中盤で組み立てつくぼ陣内へ攻め込む時間を増やす。そのなかで迎えた22分、花城の今季2ゴール目が決まり福島が先制する。対する三重もカウンターを中心に少ないがら福島ゴールを脅かすシーンを作る。前半は福島が1点リードで折り返すと後半は猛攻が始まる。キックオフ直後の46分に榊のゴールで福島が追加点を奪うと、56分に木村のゴールで3点目。さらに2分後の58分にも木村のシュートが決まり4-0。そしてそこから4分後の62分にも木村のゴールが決まり、わずか6分間でハットトリックを達成。この畳みかける攻撃に対応できなかったつくばは一気に失点を繰り返してしまう。それでも65分に内藤が意地の1点を返したものの75分には田中にもゴールを奪われ試合終了。後半の猛攻で一気に勝負を決めた福島が本来の力を見せつける大勝となった。


大和シルフィード VS 岡山湯郷Belle

3戦勝利から遠ざかり停滞状態のシルフィードが現状打破に向けて全勝中の湯郷をホームに迎えての一戦。前半は両チーム一進一退の攻防に。ともに持ち味を発揮した攻撃を展開するもののゴールマウスを割ることはできない。両チーム合計13本のシュートがあったがスコアは動かず前半は0-0で折り返す。ハーフタイムに動いたのは湯郷。近藤に代えて岸野を投入。そしてスコアが動いたのは50分、杉田のシュートが決まり湯郷が均衡を破るとここから湯郷の猛攻が始める。53分にエースの横山の追加点が入るとさらに2分後にはまたしても横山。連続ゴールで浮足立つシルフィードを他所に59分に山下のゴールで4-0。一気に試合を決めにかかった湯郷。試合を落ち着かせることが出来なかったシルフィードはチームとしての若さが出てしまった。64分、73分と立て続けに谷口にゴールを奪われ大量6失点。シュート数では湯郷と差がほとんどなかったものの決めきる力や勢いに負けて試合終了。勝利した湯郷はこれで6連勝となった。


FC今治レディース VS ディオッサ出雲FC

なかなか勝利が遠い今治は参入同期のディオッサをホームに迎えての一戦。前半の立ち上がりにスコアが動く。4分、岩下のゴールでアウェイのディオッサが先制に成功する。リードを許した今治だったがその後は主導権を握り再三ディオッサゴールに襲い掛かる。それでも堅い守りを見せるディオッサの前に得点が奪えない今治。前半は0-1とビハインドで折り返す。後半に入って早々の50分、山下のゴールで今治が試合を振り出しに戻す。その後は追いつかれたディオッサが徐々に盛り返し次第にボールをキープする時間が増える。両チーム次の1点を狙いに行くもののリスクを冒した攻撃にはできず単調な攻めに終わるシーンが増える。後半終盤にはディオッサに決定機が訪れるものの決めきることが出来ずに試合終了。参入同期の直接対決は1-1の引き分けに終わった。


福岡J・アンクラス VS ディアヴォロッソ広島

4連敗中のアンクラスと前節今季初勝利をあげたディアヴォロッソの試合。この試合は両チーム前半から仕掛ける。16分、アンクラスは小林のゴールで先制に成功するがアウェイのディアヴォロッソも27分に一井の今季初ゴールで同点に追いつく。両チーム譲らない試合展開が続き前半は1-1で折り返す。ハーフタイムはともに1枚の交代で後半に入ると76分に途中出場の平良の勝ち越しゴールでアンクラスが再びリードする。しかし、ディアヴォロッソも試合終盤の86分に栂のゴールでまたしても同点に追いつく。両チーム互角に戦いあったこの試合は2-2の引き分けに終わった。これでアンクラスは連敗を4で止めたものの6戦勝ちなし、ディアヴォロッソは連勝とはならなかった。


SEISA OSA レイア湘南FC VS FCふじざくら山梨

3勝2敗と勝ち越している湘南が絶好調の山梨をホームに迎えての一戦。試合の主導権を握ったのはアウェイの山梨。4連勝中のチームの勢いそのままに湘南ゴールに襲い掛かる。しかしこれを凌いだ湘南は14分、チームの得点源である鈴木の今季7ゴール目が決まり先制に成功する。しかしその後は山梨のペースで試合は進むものの同点にはさせない湘南。前半を1-0でリードして折り返す。ハーフタイムに山梨は一気に3枚替えを実施。修正を図って迎えた後半も山梨のペース。それでも体を張った守りで耐える湘南は最後まで集中した守りを見せる。時間の経過とともに焦る山梨に対してしっかりと時計の針を進める湘南。結局前半の1点を守り抜いた湘南が山梨に勝利し勝点を12に伸ばした。


今節のMVP

浦部 美月(オルカ鴨川FC)

今節は先制点の起点になりチームの2点目も奪って勝利に貢献した。

木村 未来(JFAアカデミー福島)

わずか6分間でハットトリックを達成。違いを見せる大活躍で勝利に貢献した。


得点ランキング

1部では西川、齊藤、本田、河野が4ゴールで並んでいる。

2部では上位陣の多くが得点をあげた今節。首位は12ゴールで横山。


アシストランキング

齊藤、並木が1アシストを追加し坂田、嘉数と並んで首位に立った。


JWCRランキング

今節の結果、スフィーダ、オルカ、スペランツァが2ランクアップ。伊賀は3ランクダウンとなっている。


順位表

1部はヴィアマが無傷の6連勝。一方のハリマは6連敗。

2部は6連勝と圧倒的な強さを誇る湯郷が昇格へリード。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?