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貿易実務検定 ご存じですか?

私が社会人になって、貿易に携わるようになって知り、勉強に熱中した資格が「貿易実務検定」です。ざっくり説明すると、輸出者または輸入者の立場で貿易に携わるときに知っていると役に立つ知識が詰め込まれた資格です。

どんな内容?

貿易系の資格と聞くと、「通関士」を思い浮かべる人もいると思います。
「通関士」は、国家資格であり、フォワーダーの通関部門等で必要とされる資格です。通関士として働くためには、通関士資格が必要で、登録を受けないと通関士は名乗れません。通関業務に特化した資格で狭く深く学習します。法律系科目が2科目と、申告をする事務作業に必要な知識(貨物の分類や税額の計算)を学びます。

一方で、貿易実務検定は日本貿易実務検定協会が主催する民間資格です。
基本的に広く浅く、輸出入の実務に必要なことを学習します。例えば、取引条件(インコタームズ)、海上保険、国際貿易制度、貿易書類、輸出入のフローなどです。貿易の全体像をつかむのに、とてもおすすめです。

難易度はA級>B級>C級の順です。では、詳しく比較していきます。
(以下、出典はすべて貿易実務検定のホームページより。2022年2月22日現在の情報です。)

各級の比較

レベル感

A級:概ね、3~4年以上の実務経験のレベル。貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベル。
B級:概ね、1~3年以上の実務経験のレベル。貿易実務経験者の中堅層が対象。
C級:概ね、1~3年以上のレベル。定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル。まずはこのレベルで基礎固めをしてから、上級レベルにのぞみましょう。

受験者数

A級:  158人(2021年全1回)
B級:3,129人(2021年全3回)
C級:8,720人(2021年全5回)

合格率

A級:30~40%程度
B級:50%程度
C級:60%程度

合格基準点

A級:各回毎の基準点(3科目の合計)
B級:3科目の合計210点(70%)を基準として試験委員長の定める点
C級:2科目の合計160点(80%)を基準として試験委員長の定める点

受験料

A級:11,600円(税込12,760円)
B級:  6,800円(税込7,480円)
C級:  5,700円(税込6,270円)

試験科目

A級とB級は、貿易実務、貿易英語、貿易マーケティングの3科目。
C級は貿易実務と貿易英語の2科目。

ここからは体験談

勉強時間は?

A級:413時間(約5ヶ月)
B級:170時間(約3ヶ月)
C級:120時間(約2.5ヶ月)

体感の難易度は?

A級

本気で勉強しないと合格できない試験範囲と内容で、「わかる!解ける!」ってなってきたのがだいたい300時間を超えたところでした。
基本的な範囲はB級と同じで、それをさらに深くがほとんどで、一部追加される感じです。記述があるので、グンと難易度アップでした。
C級、B級とは比にならない難易度で、どんなに勉強しても合格圏内に到達できず何度も心が折れました。

B級

C級の勉強で学習のコツをつかんでいたので、まあいけるでしょ!と思っていました。本当は2ヶ月で勉強するはずでしたが、コロナの影響で延期になり、3ヶ月勉強しました。時間的にも余裕があり、知識と経験がついてきていた頃だったので、それほど抵抗はありませんでした。

C級

結構簡単でした。試験までに時間がありすぎてしまったので120時間にも学習時間が及びましたが、こんなに必要なかったです…
勉強が得意、暗記が得意、本読むのが速い。こんな人はもっと少ない時間で合格できるのではないでしょうか。
※ただし、合格基準点が80%と高いので注意が必要です!

まとめ

貿易業界に興味がある方、勤務先で貿易に触れていて気になっている方、ぜひ勉強してみてはいかがでしょうか。
私はほぼ何もわからないという状態を脱却したくて、C級の勉強をはじめました。簡単な全体的な貿易の流れはC級でわかるようになるし、きっと知識がつくと楽しくなると思います。私はそこから貿易の世界にのめり込んでA級まで受験しましたが、興味程度ならC級、判断業務を行うほどでない(もしくは上司や同僚で貿易のことをわかっている人がいる環境の)一般社員であればB級で十分なのではないか、と感じました。

詳しい受験体験記や勉強方法、まとめてみましたので、合格体験記もしよければご覧ください♪

A級合格体験記

B級合格体験記

C級合格体験記

今日も読んでいただきありがとうございました♡

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