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リアルナウシカな話

信じるも信じないもあなた次第だけど、これは本当に起きた話。

我が家にねずみさんがでるようになった。影の大きさから、野ネズミだろうなと推定。手を変え品を変え、追い出そうと試みたが、なかなかうまくいかない。コード、セーター、小麦粉の袋、果ては、レトルトのグリーンカレー!?(辛くないのか??)までかじりだした。

さすがにこれはイカンと、ゴキブリホイホイみたいな、粘着タイプのネズミ捕り仕掛けたら、次の朝、見事にかかってて。
しっぽから半身、粘着剤にべったりひっついてたから、もう、死んじゃってるかなと思ったら、ちーって鳴いたんです。
近寄ったら逃げようとして、余計にひっついてしまうので、「大丈夫、大丈夫、動かないで、大丈夫」って声をかけてたらおとなしくなってね。
ネズミがひっついたままのネズミ捕りをもって、玄関先にでて、粘着剤から外しにかかったのです。殺すのは不本意だったのと、ひょっとしたら長くないかもと思ったのもあって。

粘着剤を取るための食用油に浸したティッシュ用意して、ゴム手袋はめて。

外している間もずっと、おとなしくしててねって声かけ続けて。もう、暴れる気力もなかったのかもしれないけど、ずっとおとなしくしててくれた。
しっぽがはずれて、下半身が外れて、それでもまだおとなしくしててくれて。
からだを掴んで、頭の部分外すと噛まれるかなと思ったけど、おとなしくしててくれたから、口の部分についてた粘着剤を食用油で少しとることもできて。
でも、やっぱり、野生の子なので、一生懸命に逃げようとするから、土の上に置いてあげた。
しばらくしたら、いなくなってたから、どこかに逃げ込んだんだと思う。

急に冷え込んだし、粘着剤から逃げようとして、相当な体力を使っただろうから、生きていけないかもしれないと思ったけど、やっぱり野生の子は、そこに返してあげるべきかなって。

疲れ果ててしまって、どうでもいいやって思っていたのかもしれない。
だけど、声をかけたら静かにしてくれてたから、ナウシカのあのシーンはまんざらウソではないかなと思った出来事でした。


*ーーーーー*

実はこの話には、続きがあって。

夜、作業をしている最中のこと。それなりに集中して作業していたのですが、視界のはしを黒い影が横切ったのがみえたんです。
あ、ネズミだ。
そう思ったけど、すぐに作業に戻って、それからそのことは忘れていた。

翌々朝のこと、寝ぼけた頭にふっと浮かんだ。
あの子は、自由になったんだ。
からだから離れて、自由に駆け回れるようになったんだって。
その時に嫌な感じはなかったから、あいさつに来てくれたのかもしれないって思った。それだけ。

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