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兄弟ではじめた新しくて古い蒸留所【ドーノッホ/DORNOCH】へ#41②

ーーー2019.8.19号②ーーー

では先ほどの続きです!

次に行くのは「ドーノッホ蒸留所」

ここは、2016年にクラウドファンディングで資金をつのり建てられた蒸留所。

ドーノッホキャッスルホテルの敷地内にある旧消防署を改築して建てられています。

で、この蒸留所を建てたのがトンプソン兄弟!(兄がサイモン・トンプソン、弟がフィル・トンプソン)

この兄弟はなんとウイスキー造りの他に、ドーノッホキャッスルホテルのバー経営、ボトラーズビジネスもしてて、肩書きがいくつもある。。

個人的に、ドーノッホ蒸留所に行くのを楽しみにしていたので、今回はいつにも増してワクワクが止まりません。なぜかはバルブレアの記事の最後に書いています^_^

とにかく色んな角度からウイスキーと向き合っている兄弟が、一体どんなところでウイスキーを造りに励んでいるんでしょうか?

では、早速行ってみましょー!

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(バルブレアからバスと徒歩とで1時間ほど)

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(築500年の古城)

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(を改修して造られたドーノッホキャッスルホテル)

いまいち蒸留所がどこにあるのか分からなかったので、一旦ホテルのバーに入り場所を訪ねにいきます。

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(ホテルの受付兼バー)

すると人の良さそうなお姉さんが場所を教えてました。場所に付け加えて「蒸留所はノービジターだけど扉が開いてるから中は見えると思うよ」とも教えてくれました。

では教えてくれた道に沿って歩いていきましょう。

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(先ほどの入口を出て左に曲がり)

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(もう一度左に曲がると)

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(DORNOCH DISTILLERYの文字が...)

で、また進んでいくと、、

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(裏手に着きました)

着いた時は、「え、こんな小さなところで造っているの!?」と正直かなり驚きました。

ちなみに年間で20000リットルの生産を行える設備が入っているみたい。

で、中からはちょっとパンクな音楽が流れてきてて、人が作業する声も聞こえてくるので、おそらくウイスキー造りをしているところです。

一本道を間違えて裏手に来てしまいましたが、とりあえず見学できるか聞いてみることに。。

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(赤い扉から入れる)

中をのぞくと、2人の男性がせっせと作業していました。

後ろからハローと声をかけてみます。すると1人の男性が気づいてくれて近寄ってきてくれますが「ごめんノージビターなんだ」と言われてしまいます。

ですが、中を見てみたく「日本からきてスコットランドの蒸留所を3ヶ月かけて巡っているんです!」といつものキマリ文句を伝えると、「分かった、5分だけ待って!あと正面に来て!」と言われました。

ふー、よかった。。

では正面にまわりましょう!

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(ちなみに敷地はこんな感じ)

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(ほんと小さい。。)

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(正面)

少し経つと中に案内され、日本から来たんだーと伝えると、日本のどこ?と言われたので、すかさずあの写真を発動します。

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すると「おー!そこは僕のお気に入りのバーだ!サイレンスバーだよね?」と言われたので「そう!ここの近くが故郷なんだ」と伝え、もう一枚、

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(ドーノッホのジン)

の写真をお見せして美味しかったと伝えると「Ohー!ありがとうございます」と日本語で返してくれ、なんだか打ち解けました。

ありがたやありがたや。。

ということで、中の案内スタートです!

まずは使うモルトについて、、

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ここで使われるモルトはなんと、完全オーガニックのフロアモルティング麦芽のみ!

では次は糖化、、

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(ステンレス製のマッシュタン)

部屋の片隅にぎゅっと押し込まれたように小さなマッシュタンが配置されていました。 

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(行った時にはちょうど洗浄中だった)

このマッシュタンの右隣には、機械(iStill?)のようなものが置かれていました。

これはおそらく糖化槽の役割を果たしているんじゃないかなと思います。

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(その機械)

では次は発酵、、

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(ウォッシュバック)

マッシュタンのすぐ背後に2槽配置されています。なんと、オーク製のウォッシュバックとのこと。

で、上を見てと言われたので見ると、

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(ドーン)

2階にもウォッシュバックがあるじゃないですか。。

こちらもオーク製で、合計4槽ありました。

ちなみに、ドーノッホ蒸留所ではこの発酵にかける時間がとんでもなく長いんです。

その時間なんと最大「216時間」

一般的な発酵時間は50時間ほどなので、4倍ほど時間がかかっているんです。

生産量が減らしてまでもいい味を出すんだ!というこだわりが見えてきますね^_^

では次は蒸留、、

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(アランビック型のポットスチル)

とてもコンパクトです。大きさ的にはストラスアーンと同じくらいかな?

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(ストラスアーンのスチル)

ストラスアーンはラインアームにジンを造る用のバスケットが付いていましたが、ドーノッホは完全にウイスキー用のスチルだそう。

で、注目すべきなのがスチルの加熱方法。

今の時代、一般的にはスチームによって加熱されるのですが、ここではガスの直火で加熱されています。

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(コンデンサーはシェル&チューブ)

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(ちょうどテールをとっていた。ちょろちょろ。)

で、このスチルの左にはiStillも置かれていました。

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このiStillではおそらくジンを造っているんじゃないかなーと思います。

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(Istillの先端に銅製のネックつけて)

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(コンデンサーに繋げている様子)

が、この下の動画に上がっていました👇


では次は貯蔵、、

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ガレージのようなものを改造して、これでもかと樽が並べられていました。

ダネージ式だねと言うと、下を見てごらんと言われます。

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(おーー)

床には土が敷かれている徹底っぷり。伝統的な貯蔵方法がふんだんに取り入れられています。

あとトンプソン兄弟が樽を指差して日本語で「ねこ」と言っています。その方向をみると、

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樽の鏡板にねこちゃんが描かれていました。

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(シェリー樽も)

これにて見学は終了!

トンプソン兄弟は、オールドボトルへの思い入れが強くて、当時の味を出すために1940年代〜1960年代の製法を取り入れているみたい。

ストラスアーンの時もそうでしたが、小さな規模の蒸留所見学はこだわりが大きな蒸留所とはまた違っていてホントに面白いです。。

最後に日本語でありがとうと言ってお別れしました。

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この後、せっかくなので、ドーノッホキャッスルホテルのバーに行くことに^_^

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(中に入ると圧巻)

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(カウンター)

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(オールドボトルがびっしり)

このホテルバーは、トンプソン兄弟が経営しているのですが、オールドボトルがとにかくたくさんありました。。

ではせっかくなのでジンを!

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(可愛い形をしていますが、モチーフは消化弾)

10パーセントはフロアモルティング麦芽から造ったニューメイクを使っているというこだわりのジン(90パーセントはボタニカルの風味がついたグレーンスピリッツ)

めっちゃ美味しいです。。

せっかくなので、トンプソン兄弟が手がけるボトラーズも、、

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(モートラック)

で、せっかくなのでホテルの樽出しビールも

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(カスクエール)

ドーノッホを堪能でき大大満足。。

では今回は以上ですー!






素敵なウイスキーライフをお過ごしください🥃