喜びと寂しさのあいだ
ー続・入院、そして手術(下)
入院中の奥さん。ちょっとしたハプニングはあったものの、ありがたいことに手術後の経過は順調そのもの。近く退院の具体的な日取りが見えてくるそうで、実に喜ばしい。ただ、これまで一人きりで自由を満喫してきた"楽園"を失うことになり、そこに一抹の寂しさを感じないこともない。楽園喪失までのカウントダウンはすでに始まっている。
関連シリーズ:「入院、そして手術」「パンツの運び屋ー続・入院、そして手術(上)」「スプラッターな光景と株上昇ー続・入院、そして手術(中)」
失楽園
奥さんがまもなく退院する。冷房の温度設定、テレビのチャンネルで言い合うもことなく、自由気ままにできた生活がまもなく終わる。炊事、洗濯、掃除の負担は軽くなるが、その分、気遣うことも出てくる。それが少し面倒くさい。
吉報
元気になって戻ってくることを歓迎したい。奥さんによると、近く体内に埋め込んでいたドレーン(医療用チューブ)が取れるとのこと。これが痛みの原因だったそうで、松岡修造ばりの喜びようで知らせてきた。
手術による痛みは依然、違和感として残っているものの、それも日ごとに薄れ、すでに理学療法士によるリハビリ指導も受けているらしい。手術直後の意識朦朧とした状況から、よくぞここまで回復したものだ。
頑張った奥さんを大いに褒めてあげよう。
毎日、見舞えず、替わって奥さんを見舞ってくれた両親や姉、奥さんの親族、友人たちに感謝したい。「本当にありがたかった」と、実感を込めて奥さんもいう。人の優しさが骨身に染みたようだ。
"らしさ"
「お通じがよくなったの」ー。奥さんは喜色ばんで続ける。入院中の規則正しい生活が効いたのかもしれない。他方、退院にメドが付いたことより、むしろ、そこを一際喜ぶところに奥さん"らしさ"が発揮されている。
(写真〈上から順に〉:旧約聖書「失楽園の物語」=聖書と歴史の学習館、大喜びする松岡修造=ミドルエッジ)
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