見出し画像

愛、それは一瞬の気の迷い!?

奥さんがベランダの鉢植えに住み着いた2匹の青虫にご執心だ。それぞれ「青虫1号」「青虫2号」と命名し、頼みもしないのに、ほぼ毎朝、スマートフォンで撮影して写真を送ってくる。これまで虫を毛嫌いしていたのが、まるで嘘だったかのような愛で具合。ただ、このところ、1号、2号ともに姿が見当たらないらしく、時とともに奥さんの興味も失せつつあるようだ。そのうち、青虫への愛は一瞬の気の迷いだったと言い出すに違いない。

あふれる思い

画像1

奥さんによると、植木鉢に植えたグレープフルーツの葉をモニュモニュ食べる青虫の可愛さがツボにはまったそうだ。スマホに送られてきた写真は、いろんな角度から工夫を凝らして撮られており、そこまでするかと幾らか引いてしまうほど、青虫への思いが溢れている。まるで運動会で我が子を夢中で撮影する"親バカ"のようだ。

個人的には、虫が苦手というわけではまったくなく、実際に見ると、確かに可愛い。奥さんが嬉しそうに説明するには、ナミアゲハの幼虫とのこと。これまで奥さんは虫を見るだけでも、眉をひそめていただけに、その変わりぶりには驚きだ。ただ、もし青虫が蛾の幼虫などだった場合、抹殺指令を言い渡された気がしないでもない。

諦めムード

2匹の青虫が姿を決して以来、1週間程度が過ぎた。当初、奥さん曰く「家出中」とのことで、その間、葉や茎の裏側なども丹念に調べたようだが、どうも見つからなかったらしい。とんだ不良青虫たちだ。そして、さらに数日が過ぎ、その間、激しい風雨があった日もあったことから、奥さんはすっかり諦めムードになっている。

今に至っては、遠くに眼差しを向けながら「アイツら、風に飛ばされて死んじゃったんだよ」という始末。哀愁が漂い、どこかハードボイルド小説に登場する場末のスナックのはすっぱなママの台詞を思い起こされる。もっとも、個人的には、奥さんの単なる見落としの確率が相当高いと見ているが、それは内緒の話だ。

(;^ω^)、、、そそっかしいが服を着て歩いているような人だけにね。

画像2

(写真〈上から順に〉:家出中の「青虫2号(ナミアゲハの幼虫)」=奥さん、ナミアゲハの成虫=ホンダHP)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?