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生存率14・3%の世界

まずい事態になった。相次いで失踪したわが家の青虫たちを探すため、ベランダを隈なく探したが、予想に反し、良い手がかりを得られなかった。それどころか、青虫の天敵であるスズメの糞らしきものを発見。鳥に捕食された恐れが一気に高まり、珍しくわが家に緊張感が走る。別に口癖でもないのに「ヤバいよ、ヤバいよ」というタレント・出川哲朗氏の言葉が口をつく。

悲喜こもごも

これまで奥さんが見つけた青虫たちは計7匹。発見した順に1から7までの番号を割り当て、それを名前にした。ところが、やがて1号から5号まが行方不明に。葉っぱをもりもり食べ、すくすくと育つ様子を日々撮影し、それなりに可愛がっていただけに、生死だけでも確認しようということになった。

チェックを始めてすぐに6号の生存は確認。いつの間やら、体色が茶色からグリーンに変わっていた。どうも脱皮したらしい。脱ぎ捨てた皮もそばにある。安否が確認できただけでなく、こちらの心配をよそに逞しく成長していたことが嬉しい。親はなくても子は育つとはよく言ったものだ。

ただ、それも束の間、奥さんから悲しいお知らせも。新たに見つけた7号がいなくなっているとのこと。実のところ、7号についてはこの時、初めて聞いたが、昨晩までは確かにいたという。これにより、わが家の青虫たちは通算"6減1増"で、生存率14・3%の環境。いたたまれない気持ちになる。

青虫を守れ

忍びない感情を振り払うように、ベランダ内を見て回る。青虫ブリーダーさんたちのブログで「思いもよらぬ場所で蛹(さなぎ)を見つけた」などの記載が多かったため、目を皿のようにして隅々まで探す。"ご遺体"発見の可能性を踏まえ、腰を屈めて見回ったが、何も発見できず。

その代わりに、奥さんが手すりに付いたスズメの糞らしきものを見つける。奥さんは「少し前は繁く来ていたかな」と思い出したようにいう。事態を甘く見ていたようだ。まずは7号を守ることを急ぐべきかもしれない。提案し、奥さんもその気になったようだ。

冬の気配が日増しに濃くなってきた。アゲハチョウは蛹で冬を越すらしい。わが家の青虫たちはナミアゲハというアゲハチョウの一種なので、無事、蛹にさえなれば、蝶になれるだろう。昆虫の飼育ケースを買ってくるなどし、室内で保護するか。

暖かい部屋の中で間違えて羽化する可能性は、この際、無視しよう。

※関連リンク(青虫シリーズ):「愛、それは一瞬の気の迷い!?」「"芋活"という言葉を好きになれないワケ」「わが家の青虫連続失踪事件、事態解明へ

(写真〈上から順に〉:タレント・出川哲朗氏の鼻ザリガニ=エントピ、脱皮したばかりの青虫6号=りす、ナミアゲハの成虫=エンジェルファームHP)


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