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"ロットンの日2023" ROTTENGRAFFTY vs Fear,and Loathing in Las Vegas ライブレポ

6月10日

ROTTENGRAFFTYが語呂合わせから始めた名物『ロットンの日』

毎年何かしらスペシャルなライブが催されるこの日に、今年は京都KBSホールにてFear,and Loathing in Las Vegasとツーマンライブがアナウンスされた

各地のフェスでその日のハイライトを創り回っているライブモンスターバンド2組による数年ぶりのタイマン勝負を逃すまいと、各地から両バンドファンが集結した

先攻ラスベガスは登場SEからフルスロットルだ
メンバー全員が体をぶん回しながら勢いよく一気にステージへ立ち手拍子を煽るものだから準備運動なんてしている暇がない

「おいお前ら!今日は半端ないくらいブチあげるぞ!着いてこいよォォォ‼︎」

そんなSoの挑発に呼応するかのようにファン歓喜のStep of Terrorから混沌ショーはスタート

いきなりMimamiがフロアへ繰り出しスクリームの嵐をお見舞いすればひっきりなしにダイバーが発生

これは今日凄いことになるぞと武者震いが起こる

続けて鉄板のRave up Tonightが投下されたら盛り上がらない訳がない
マスクを外してレスポンスできるのもいつぶりだろう

それにしても本当に盛り上がりが尋常じゃない

まぁここにはライブハウスの楽しみ方を重々心得てる人間しかいないし

ラスベガスのファンもロットンのファンも盛り上がり上手な集団

灼熱のダンスフロアがあっという間に爆誕した

「ロットンの日、初めて呼んで貰いました神戸のFear,and Loathing in Las Vegasです!今日凄いな!いや流石や‼︎みんな本当に最高ですありがとう‼︎ ロットンとガチっとツーマンやるのはホンマ久しぶりなんで‼︎ 俺たちもめちゃくちゃウズウズしてました‼︎ 今日はめちゃくちゃにやるんで‼︎お前ら最後までよろしくな‼︎」

Jump Aroundでフロア全員を塊のようにジャンプさせたかと思えばShape of Trustでは摩訶不思議なダンスを披露したりとラスベガスの世界観にどっぷり染まっていく

そんな変幻自在の展開を見事捌くTomonoriのドラムプレイには脱帽
メンバーとフロアのグルーヴを高めていく

Minamiはステージ端の鉄骨をよじ登り、後方まで煽る煽る

本当に化け物みたいなライブをするバンドだ

LLLDで先程までとはまた違ったエモーショナルな一面を魅せて再びMCへ

「凄い楽しいですありがとう‼︎久しぶりにこんなぐしゃぐしゃでめちゃくちゃなの最高に嬉しいし皆盛り上げ上手やな!てかこの後ロットン出てくるんやろ?ヤバwww」

思わず笑ってしまうくらい、ステージから見てもとんでもないフロアになっていた

「ロットンは今年俺らが主催したメガベガスに出て貰ったんやけど、その時に俺らの出番に凄い格好して乱入して来てw チ○毛はみ出てるんちゃうかってくらいw 俺もう爆笑してたんやけどさw でもライブし出すとあんな感じやん? 凄い先輩やなーって思います。俺らも負けてられへんな‼︎」

気合を入れ直すとLet Me Hear
ライブも境目に入ったが相変わらずクラップもジャンプもダンスも止まらない

メンバーもそうだがファンの体力も尋常じゃない

Ley-Lineで更にファンのテンションが上がりダイバーの数がまた増えると

Virtue and Viceのタケノコダンスで一体感が更に高まる

曲中に戦慄すら感じるブレイクダウンが始まる事もあれば、場違いなくらい綺麗なピアノの旋律を奏でる事もある急展開の連続に

どちらのファンとか関係なく振り回されていく

これが最高に面白い

「俺ら結成15年になります、それを記念して日本武道館でワンマンライブやります!特別な日にしようと思いますので、今日なんかちょっとでもオモロいなと感じたら是非遊びに来て下さいよろしくお願いします‼︎」

「因みに、俺達この会場で何回もライブした事あるねんけど………まだです、まだ(盛り上がり)足りてません!もっとこう皆が見えなくなるくらい湯気が出て雲みたいになるとこまでいけるはずです! ロットンがもうこの後俺ら出たく無いって思う程盛り上がりたいんですけど⁉︎ 皆疲れてない?最初の方が元気やったで⁉︎ あと2曲‼︎もっともっと声出して盛り上がろうぜぇぇぇ‼︎」

この挑発にTwilightが合わさればまたフロアは一瞬で最高潮へ

めちゃくちゃの揉みくちゃへ再びMinamiも飛び込みラストスパートを煽る

ラストのMassive Coreでは久しぶりの選曲ともあって会場のボルテージは更に上昇

Tetsuyaによる体が跳ねるようなベースに抜群のコーラス
Taikiの重低音から鋭いギターサウンドも最後まで濃厚だ

抜群の一体感を完成させてフィナーレとなったが、ラストの楽曲の雰囲気もあってかこのライブ自体が盛大なオープニングナンバーの様だった

全10曲、好き放題やりたい放題を尽くして会場を温めるどころか蒸発しそうな程の盛り上がりを記録して

ラスベガスは爽やかに軽やかな足取りでステージを後にした


01.Step of Terror
02.Rave up Tonight
03.Jump Around
04.Shape of Trust
05.LLLD
06.Let Me Hear
07.Ley-Line
08.Virtue and Vice
09.Twilight
10.Massive Core




まさに対バン殺しのようなライブを見せつけられてはこちらも黙っちゃいない

本日の主役、ライブモンスターROTTENGRAFFTYのお出ましだ

お馴染みの610更新曲に合わせてメンバーがいつもより焦らしながら登場

そしてN∀OKIの咆哮で始まる………かと思いきやそのままSEが鳴り止むと1秒に満たないくらいの静寂

意表を突いた演出に呆気に取られてしまった次の瞬間、サポートギターMASAHIKOにより寂寞 -sekibaku-のイントロが奏でられると悲鳴のような怒号のような歓声があがる

今年武道館でワンマンをするラスベガス相手に
この曲も収録されたアルバムPLAYを引っ提げたツアーファイナルの武道館公演とほぼ同じオープニングで返すとはなんて粋な演出だろうか

更に同じアルバムからこちらも久しぶりのP.I.Lを連投

数々の規制から解き放たれたロットンとファンのボルテージは凄まじい勢いで上昇し

それは次のHIROSHIによるご機嫌なドラムプレイから始まった夕映え雨アガレでの大合唱と止まないダイバーの数々が物語っていた

そこに懐かしのレア曲更生をぶち込んでくるものだから汗なのか嬉し涙なのかよくわからない水で顔面がぐしゃぐしゃだ

「ようやくここまで辿り着いた!熟成し続けたお前らの全て!開放せぇぇぇ‼︎」

N∀OKIがまだ生温いと喝を入れハレルヤ

丁度この曲のリリースツアー中に世の中が変わってしまい
正に今日までの規制下で育ち続けてきた楽曲だ

ソレソレソレのレスポンスに阿鼻叫喚のダイブモッシュ
真の姿を表したキラーチューンはこの日のハイライトとなった

「巻いた種が遂に花開いた」と最新アルバムから秋桜で刹那の哀愁と情熱を咲かせれば

D.A.N.C.E.で祭りは加速する

座ってからの大ジャンプも周りに気を遣わず思いっきりやれる開放感が幸せすぎる

NOBUYA「おい!お前らホンマに今までよう我慢してきたな‼︎よう生き抜いてここまで辿り着いたな‼︎だからこそ‼︎今日は命の獲り合いみたいなライブをしようや‼︎全員、殺す気でかかって来い‼︎」

屈指の名曲THIS WORLDでは約3年ぶりにNOBUYAがファンを踏み台にしながらフロアへ降臨

負けじとN∀OKIも最前へ身を乗り出し叫ぶ

再びMCに入る

「丁度1年前から、ロットンを誰よりも支え続けて来た男」と紹介されたMASAHIKO

サポートを1年続けて感じた事は自分も大概だがそれでもロットンは『ヤバい人』の集まりであると笑いを誘えば

自らもその『ヤバい人』になると心強い決意を語ると割れんばかりの拍手が送られ

『ロットンはまだ1回しか武道館をやってない、ラスベガスは2回目の武道館を先輩に譲るべきw』と理不尽な理論で爆笑を巻き起こし

NOBUYAは「みんなが支えてくれないと不良の道に走るかもしれない」とブラックジョークを交えてファンとの更なる団結を求めた

そんな飾らないファミリーのような和やかなMCも醍醐味だ

「俺らと、ラスベガスと、keiと、KAZUOMIと、 MASAHIKOに何か光るもの照らしてくれませんか」

スマホライトで幻想的な光景が広がったニューアルバムからのハロー、ハロー

これまでの出会いと縁を噛み締めるように揺れる光と新境地とも言える寄り添うような歌に心が安らぐ

そしてこれも何年ぶりだと言うレアナンバー盲目の街
ベストアルバムにも収録されるほどの人気を誇る曲のサプライズによりこの日が特別なものになっていく

そんな暖かい時間を引き裂くように突如真っ赤な照明に不穏なサイレンが鳴り響く

だがファンはむしろ息を吹き返し再び戦闘モードへ

『音で殺す』それが出撃の合図、零戦SOUNDSYSTEM

狂ったように人が飛び交い、うねりとなった人の塊が左右に揺れる

ここにきて一糸乱れぬヘドバンは圧巻

その身ひとつで戦場に花開かせたフロアを見て思わずニヤけるメンバー達

その熱量が冷めやらぬまま大合唱で始まった金色グラフティー

ステージが見えなくなるほど1人、また1人とリフトされていき

『お前の見ている世界は』で一気に何十人がステージに向かって飛ぶロットン名物の光景が戻ってきた

侑威地までフロアへ飛び込み、再びN∀OKIも繰り出す
まさにこの日の圧倒的なピークを創り出した

アンコールではロットン主催の名物フェス、ポルノ超特急を改名し響都超特急とすること
そして秋からその新しい名前を冠したツアーを敢行すると宣言し会場を湧かせた

「この曲が産まれてから何度も支えられてきた」とマンダーラを激情を込めて届ける

KBSホール名物のステンドグラスが露わになり、さながら後光のようにこちらを照らす

聴き入っていると、会場の熱気が凄すぎて天井から雫が落ちて来ていた

この会場では盛り上がり過ぎた時に発生する特別でもない現象ではあるが

今日のこの瞬間は雨上がりのような演出の一環にすら感じた

「響都超特急の成功を祈願してー!」と響く都で抜群のレスポンスと一体感を生み出して大団円かと思いきや

「やる予定の無かった曲やるぞ!俺達の始まりの歌‼︎」と急遽追加した切り札でやっぱり地獄絵図に着地した

知らない人からみれば地獄でしかないのだが、そこにいる人間は皆笑顔だ

「俺達が‼︎1999年‼︎ここから始まった‼︎ロックバンド6人組‼︎ROTTENGRAFFTYだァァァァ‼︎」

こうして本来の姿を遂に取り戻したROTTENGRAFFTYのライブは無事エンディングを迎えた

「KAZUOMIと曲創ってるんで、まだいつになるかは分からないけど………それも楽しみにして下さい」

ステージに姿は無くとも、ROTTENGRAFFTYには確かに彼は存在している
そう感じれる事がファンにとって何よりも嬉しい

会場を後にすると「号外でーす」と新聞風のフライヤーが配られ
ツアーとフェスの詳細が記載されていた





響く都京都、また少なくとも冬にはまた彼らに誘われて足を運ぶことになりそうだ

その時は今日以上に笑顔に満ち溢れた地獄絵図が繰り広げられるだろう


00.610行進曲(SE)
01.寂寞 -sekibaku-
02.P.I.L
03.夕映え雨アガレ
04.更生
05.ハレルヤ
06.秋桜
07.D.A.N.C.E.
08.THIS WORLD
09.ハロー、ハロー
10.盲目の街
11.零戦SOUNDSYSTEM
12.金色グラフティー
encore
13.マンダーラ
14.響く都
15.切り札


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