ROTTENGRAFFTY "Hello Zepp Tour 2023" Zepp Osaka Bayside vs UVERworld ライブレポ
ROTTENGRAFFTY vs UVERworld
2019年11月ぶりの対バンとなる
名目はROTTENGRAFFTYのニューアルバムHelloのツアー、その大阪公演だが
やはりこのタイミングでの対バンにはそれ以上の意味があると感じる
そう言えば前回の対バンも、UVERworldが東京ドーム2daysを敢行する直前で最も気合の入ったタイミングだった
たまたまかもしれないが、今回も日産スタジアム2daysと言う歴史的快挙に向けてかなり気合の入ったタイミングでの再戦となる
ROTTENGRAFFTYも、去年6月からサポートギタリストMASAHIKOを迎え新体制でリスタートした
その上でようやく久しぶりのZeppツアーまで辿り着いたとこだ
お互いの気持ちの入り様は前回以上のはず
ヤバい対バンライブになりそうだ
開演10分前
突如スクリーンに映し出されたゆっくり自転する星とカウントアップされる現時刻に会場がどよめく
UVERworldのファン、crewにはお馴染みの
初めて見るロットンファンには斬新な演出
それぞれのリアクションは違えど間もなく始まるライブに高揚している事は間違いなかった
開演1分前になるとcrewのクラップとカウントダウンが始まり、ロットンファンもそれに続く
暗転しスクリーンには日産スタジアムで歴史的快挙を目論むUVERworldの映像に合わせて懐かしのオープニングSE、THE ONEが流れ出す
数年ぶりに現在行われているライブハウスツアーで採用されてはいたが、まさかの対バンライブでの登場に驚きの声が上がる
その後真太郎による激しく内臓を揺らす程のドラムプレイを挟みメンバーが登場
いつもより険しい表情でフロアを煽るギターの克也と彰
TAKUYA∞が駆け抜けて登場すると耳を疑うメロディーが
この気魂しいサイレンとスリリングなギターフレーズはまさか⁉︎⁉︎⁉︎
「否定される事になんて恐れはない‼︎ 自分を出し切れねぇ事に恐れを抱き‼︎ 今から魅せる事は遊びじゃねぇ! 俺達の人生の全て‼︎ 無差別級ミュージックパーソナリティ‼︎ We are‼︎ UVERworld‼︎ ぶちかましたらァァァァァァァァ‼︎ぅるァ来い‼︎」
なんとROTTENGRAFFTY必殺のアンセム、零戦SOUNDSYSTEMのカバーでライブはスタート
最早UVERworldの新曲と言われても疑わないほどのパフォーマンスにロットンファンもcrewも関係無く発狂する
1番のみのショートバージョンではあったが UVERworldを初めて見る人の心を奪うのには充分過ぎた
続けて休む間もなくドラムのカウントからWow wowの大コーラスが流れる
「さぁ!のっけから!クライマックスのような!ROTTENGRAFFTYツアーで最高の一体感を!迎えに行こうぜェェェェェ‼︎」
今度はUVERworld側の必殺技、IMPACTをお見舞い
知名度の高さと熟練されたcrewとのコンビネーションでロットンファンも巻き込み
煽りの通りライブハウスが揺れる程のジャンプとコーラスでいきなりクライマックスのような最高潮へ到達
「おい!気持ちは分かるけどダイブはすんな‼︎俺達はこの3年間、ダイブやモッシュが出来なくたって最高のライブ創ってきたじゃんか‼︎行こうぜ!俺たちがお前らの導火線、消し炭になるくらいの火を付けてやるよ‼︎」
最早オーバーキル気味にTouch offへ
カバーのサプライズから比較的知名度の高いキラーチューンを連投
数々の対バンやフェスを体験して来たロットンファンの対応力もあってFireのコール&レスポンスもワンマンレベルの熱量に
もうこの10分少々で今日はヤバい夜になる事を確信していた
「ほらな!最高じゃんか‼︎誰だよ‼︎もうライブハウスは、ロックバンドは終わったとか言ったやつは⁉︎」
反骨精神剥き出しの歌詞と自由な曲の展開が刺激的な誰が言った
意外な選曲にcrewから驚きの声が上がり、ロットンファンは斬新な音楽に惹き込まれる
「最高に楽しませて貰ってますありがとう…………えと、前の方ちょっとずつ後ろに下がってやってくれよ」
前方の方がかなり詰まっていたようだ
TAKUYA∞がそれを感じ取り過度な押しを和らげる
「皆が絶望を感じた状況下でも俺たちは色んな手段で続けてきた。配信ライブにしたり………入れるお客さんを半分にしたりさ………そうやって今日まで、ロットンも俺たちも進んできた!俺たちは絶望なんて感じる事は無かった!それは俺たちが、20年前この6人でバンド組んで音楽で飯食って行くって決めた時と同じだよ‼︎どこのどいつがァァァァァ‼︎」
以前の対バンライブでロットンNOBUYAが大好きでリクエストした事もある在るべき形
この数年間の規制や世間からの逆風だけで無く
バンドの危機を再び乗り越えたロットンへのメッセージも込められていると思うと胸が熱くなる
「この3年間で色んな曲を創ったよ、次の曲もそう。溢れ出る感情、それはまるで雪崩のよう」
先程までの喧騒が嘘のような静寂とスモークによる演出からAVALANCHEへ
ここからはロットンファンには新境地、最新版UVERworldを魅せる
たった1曲でどこだろう空気をガラッと変えてしまう、このバンドのポテンシャルの高さを改めて感じた
「 UVERworldにしか出せない空気を………俺たちにしか創れない世界を‼︎魅せてやるよ行こうぜ!Making‼︎it‼︎ドラァァァァァァイブッ‼︎」
そしてMaking it Drive
テンポが早いわけでも無く、ダイブモッシュをするような雰囲気でも無く、でも熱く盛り上がる不思議な曲
それぞれの感じ方で唯一無二のサウンドを楽しんだ
「これもこの3年間で創った曲………俺たちが今1番大切にしてるメッセージ………それは………」
“俺は行くけど、お前はどうする?”
この時代があったからこそ産み落とされたEN
この曲はロットンファンにも受け入れ易い曲だったはずだ
同じように溢れ出す言霊を感情に乗せて解き放つ曲、マンダーラとタイプが似ているからだ
ライブ終了後、この曲の評価は高かった
「まだまだ見せたい景色もあるし、俺たちのファンの中には耳が聞こえなくても振動でかんじてくれてる人もいるんだよ。」
「だからロットンも俺たちも、もっとカッコよくなって、また更に強くなって続けていきます。ただ………強くなっていって………他人の痛みが分からないようなダセェ奴にはならないように想いを込めて、最後の曲です!ありがとうございました!………………ッ……ピグマリオン………」
ラストは去年リリースされた新曲ピグマリオン
歌詞を1番に届けるために大胆に演奏が削ぎ落とされた楽曲
それ故に1人1人へメッセージが真っ直ぐ届き、サビで爆発する演奏が拡がる世界を感じさせてくれる
「ありがとうございました‼︎これからもいい曲作って、ロットンと一緒にもっといいライブをします‼︎新しい時代に足跡付ける、俺達がUVERworld………よろしくどうぞォォォォォ‼︎」
一瞬かつ濃密な45分のライブだった
スクリーンには日産スタジアムの日程が映し出され
「あ、日産スタジアムやるんで!もしちょっとでもいいと思ったら………また UVERworldに会うチャンスを下さい‼︎」
と無邪気にアピール
最初から最後まで自分達のワンマンライブかのような完成されたライブを魅せつけて
大好きな先輩達へデカすぎるプレッシャーが乗っかったバンドを渡す
そして本日の主役、ROTTENGRAFFTY
610行進曲が流れ出すと今度は自分達のターンだと言わんばかりにロットンファンによる壮大なクラップが始まる
いつもは熱いメッセージから始まる彼らのライブだが今日はSEが終わるとすぐに不穏な程に歪ませたギターサウンドが鳴り出す
ニューアルバム収録の新曲、SPECTACLEでスタート
アルバムがリリースされて来てから新曲が少しずつライブでも演奏されるようになっていたが
唯一このSPECTACLEはZeppツアーでのお披露目となった
大阪ではこの日が初披露である
ようやくライブで聴けた新曲に歓喜していると
「Helloツアー!2本目‼︎やろうぜェェェ‼︎」
と最早ロットンのライブに必要不可欠となった起爆剤、ハレルヤへ
UVERworldのライブとはまた違う激しさ
無法地帯の中で生まれる特殊な一体感があった
と言うか、あまりにファンが曲と盛り上がりに貪欲で
クラップ、ヘドバン、ジャンプ、バンザイ
何かしらずっとアクションが続くのでカオスだ
「TAKUYA∞も言ってくれてだけど、今日はダイブ無しで行こうや‼︎」
NOBUYAがここで宣言してくれた事で、方針が定まったように感じた
数多の正解がある中で、今日はこうすると率いてくれるのは
もちろんもどかしい我慢は強いられるが気持ちが一つになる
「3年かけて蒔いてきた種!それが今芽吹こうとしてる!それをここで摘む分けにはいかん‼︎可能な限りのアクションで!溜まり溜まって熟成した声で‼︎そうまさに咲いた景色は……秋桜‼︎」
N∀OKIの見事なアドリブMCから新曲秋桜へ
早くも定番曲になりつつあるショートチューン
だが僅か2分足らずにROTTENGRAFFTYのかっこ良さと哀愁漂う新境地が見事にマッチしている
続けざまに相殺微量サイレンスをお見舞いし
フロアを踊り狂わせた後はMCへ
「大丈夫?喧嘩してない?w」
「気持ちは分かるでw飛ぶくらいテンション上がった奴も止めてくれたやつもありがとうなw」
ついつい飛ぼうとしてしまった人
それを止めてくれた人
NOBUYAが両方の肩を持ち丸く収める
ここにいる全員がつい飛んでしまう気持ちも共感できるから必要以上に責めないし
必死に止めてくれた人への勇気にリスペクトを込めて拍手が湧き起こった
「お前ら不良ロックバンドに学校の先生さすなよw」なんてN∀OKIからのツッコミも入り和やか空気になるも
「まぁ今日はこんな感じでゆったり…………やらァァァァァァん‼︎」と永遠と影へ
ロットン流ミクスチャーサウンドで再び熱気を取り戻すと
イントロから驚きと喜びの歓声が上がった更生へ
これは中々のレア曲だ
ここに来るまで”色々“あったバンド同士の腐れ縁だからこその選曲だろうか
久々の隠れた名曲に聴き入っているとあのイントロが
「おい大阪!俺の声、お前らに託すぞ‼︎全員で来い‼︎‼︎」
This Worldでは激し過ぎるヘッドバンキングとデカすぎる程のレスポンスがフロアを地獄のように変えた
何度も何度も聴いても全く飽きない名曲だ
今年から声を出せるようになってから本来の盛り上がりが帰ってきて
これこれ‼︎と言った感動すらあった
「UVERworldとはもう長い付き合い、遥か昔に京都MUSEでやったロットンの日の前座として出てくれたアイツらも、気付いたら………何やろなw背中が遠いと言うかwもう見えへんwヤバTとかSUPER BEAVERとはちゃうねんwもう冥王星くらいまで行ってしもたw」
「さっきのライブ観てたけど一本の映画観てるようやったでw 最早スターウォーズやあれw」
「なんか日産スタジアムでライブすんねやろ?外のポスター見たけど72000対6てw 京都大作戦の3倍やでwww もう村やんwww 村vs6人てwww」
「それに比べて俺らは三国志やw もうライブハウスでこんなw泥臭いw そんなロックバンドよろしくお願いしますw」
「KAZUOMIが現場離れるってなって、真っ先にTAKUYA∞が連絡くれました。『ロットン大丈夫っすか?うちのギター2人いつでも貸すんでライブして下さい』ってw 気持ちはありがたいけどwあの2人やろ?wホンマに来たらもう俺ら目立たんくなるやんw」
「まぁそんな感じで、いつも何かあったらすぐ連絡してくれる最高な奴らですホンマにありがとう!」
UVERworldとcrewに気を遣って?話を選りすぐり選りすぐりギリギリ話せる内容の裏話も披露されたりと
お互いの関係の深さを感じさせる
それでも8割以上は話せないエピソードらしく
饒舌なボーカル2人が時々恐る恐る言葉を選びながら話す様は貴重で笑いが止まらなかった
何をしてたんや笑
「え〜昨年アルバムをリリースしまして、その曲を沢山演ってますが………買った人ォォォォ⁉︎ ありがとうございます!便利な時代になりましたが俺らは逆行して、魂込めて作ったので、ちょっとでもいいと思った人は全員買えェェェェェ‼︎」
「 UVERworldも俺たちも、一歩ずつ積み重ねてきた。アイツらも飛ばし飛ばしでは無く、確実に一歩ずつ歩んで来たんや。そんな、24年続けてきた俺達からのこんにちはこんにちは」
やや強引な宣伝からアルバム収録曲からハロー、ハローを披露
「携帯のライト、光らせてくれ」とNOBUYAが指揮すると一気に夜空のような空間に
この曲はロットンにしては斬新な程緩やかで優しい一曲だ
スマホライトの演出が曲の良さを更に引き立て、素敵な時間が流れていた
続けてマンダーラ
UVERworldのファンはまるでENみたいだと感じただろう
こちらは更にフリースタイル味が強く
その時々でメッセージが大幅に変わる事もある
「アイツらの言葉がいつも励みになる‼︎」と UVERworldへのリスペクトと感謝を盛り込んだかと思えば
曲のクライマックスでは「生きろ‼︎生きろ‼︎生き抜けェェェ‼︎」とまるでENをマッシュアップさせたような粋なアレンジまで
まるで舞台が終わった後のスタンディングオペーションの様な拍手を送りたかったのだが
そーゆーのはいいからと言わんばかりに急展開
ミラーボールが輝き出して、「ブっ飛べ大阪‼︎」の合図であっという間に熱狂のダンスフロアへ
D.A.N.C.E.はやはりいつどこでも盛り上がる
座らせてからのジャンプも炸裂し、特別振り付けが決まってないからこそ自由に踊り明かした
「なぁ!TAKUYA∞アイツ明日フルマラソン走るらしいぞ‼︎w ホンマ意味分からへん‼︎w なら俺達は‼︎ アイツ以上にアガるしかあらへん‼︎ 剥き出しの情熱!今日この日まで溜め込んだモン!なんでもいい!声に出せェェェェ‼︎」
大合唱から始まったROTTENGRAFFTY最強技、金色グラフティー
大量のダイバーが一気に転がる光景が名物の曲だが、今日はグッと堪えてアクションと大合唱で今宵のピークを創った
なんせcrewも知ってる人が多かったらしく
合唱もレスポンスも桁違いの爆音だった
ひとしきり輝き狂った後はいよいよフィナーレ
ニューアルバム収録曲のさらけだせばで泥臭いエモさを感じながらハッピーエンドへ全力疾走
拳を上げ、歌い、笑顔でゴールインとなった
「ありがとうございました‼︎ロットンとUVER、もしかしたらお門違いやと思ってるやつおるかもしれへんけど。アイツらも俺らと同じ場所で戦ってる宇宙一かっこいいバンドやから‼︎これからも共に戦っていく俺達をよろしくお願いします!俺達が‼︎京都から来た‼︎6人組‼︎ロックバンド‼︎ROTTENGRAFFTYだァァァァァ‼︎」
NOBUYAの愛に溢れたシャウトで本編は終了
いいライブの後はすぐにアンコールが求められる物だ
ロットン‼︎グラフティー‼︎と言った呼びかけも帰ってきた
会場が明るくなりメンバーが再登場する展開を待っていたが
真っ赤な照明と共にこの会場へ再び不穏なサイレンが鳴り響く
「これが俺たちからの!UVERworldへのアンサー‼︎ 戦争を知らない、実感した事無い俺達だって‼︎願うはラブアンドピース‼︎即ち‼︎音で殺し‼︎音で生かす‼︎ 零戦‼︎SOUNDSYSTEM‼︎」
本家零戦SOUNDSYSTEMの宣戦に
フロアもまだそんな体力残ってたのかと驚くほどのモッシュとヘドバンで応える
この理性を超越した先にあるアクションと阿鼻叫喚の中にある一体感は何度味わってもたまらない
「ラスト‼︎皆で歌ってくれ‼︎ここから僅か50km隣町‼︎俺らの町の歌‼︎ひびぃ〜〜く、みやぁ〜〜ぁ〜〜ぁ〜、……………こぉ〜」
ラストはロットンの故郷京都の歌、響く都で歌い、手を叩き、踊って大団円となった
「Helloツアー2本目‼︎ UVERworld‼︎そしてお前ら‼︎ホンマにありがとう‼︎俺達もUVERまだまだ続けていくから!またライブハウスで‼︎ 俺達が‼︎京都‼︎6人組‼︎ライブハウス‼︎ロックバンド‼︎ROTTEN‼︎GRAFFTY‼︎」
予想を遥かに超えて来たライブだった
新体制が始まりまだ1年も経たずしてのZeppツアーだったが
自身のツアーだけで無く、フェスやイベントで駆け出しインディーズバンドのように数々のライブをこなして鍛え熟成された新生ROTTENGRAFFTYの凄みを感じる1日となった
「6月10日‼︎ロットンの日‼︎KBSホールでやります‼︎ UVERの日産スタジアムも合わせて、絶対来い‼︎そん時までお達者で‼︎‼︎」
後輩からの壮大な激励を受け、先輩としての情熱と意地を見せつけた最高の対バンライブだった
UVERworldは歴史的快挙へ向けて
ROTTENGRAFFTYは新体制の更なる高みへ向けてまた更に歩みを進める
限度なき視界無き片道の旅先でまた道が交わる時に起こる戦闘は一体どうなってしまうのか……
早くもお互いのファンから熱望される再戦が、今宵の戦闘の凄まじさと未来の期待値を物語っていた
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