2038年、同性婚が認められる ~新刊『未来のセックス年表2019-2050』執筆裏話③~(坂爪真吾)
結婚の自由、全ての人に 同性婚求める13組、あす国を一斉提訴
同性婚ができないことの違憲性を問う日本で初めての訴訟が、2019年2月14日(木)に、札幌、東京、名古屋、大阪の4地裁に一斉に提起されます。
同性婚を巡っては、新刊『未来のセックス年表』の執筆中(2018年~2019年)にもかなり動きがあったので、状況の変化に合わせて随時原稿を加筆修正していく形になりました。
ひとまず、今回の一斉提訴までの流れは、きちんと書くことができました。
他のトピックもそうですが、同性婚に関しては、いつまでに実現するのかを予測することが非常に難しいです。(そもそも予測することに意味はあるのか、というツッコミもあるでしょうし)
実際に同性婚の実現を目指して活動・情報発信されている方々にお話を伺っても、「まだまだ当分先」「明確な時期は分からない」というお答えでした。
国内の現状と、諸外国における同性婚実現までの道のりや歴史を参考にしつつ、「2038年」という数字を出したのですが、果たしてどうなるか。
刊行前から言い訳臭いことを書いてしまうのですが、未来予測に意味があるとすれば、それは目標や課題を、きちんと数字(期限)と合わせて言葉にすること、活字にすることで、意識の中、そして社会の中での実現可能性や解決可能性を高めることができる、という点にあると思います。
当然ですが、言葉になっていないものは、理解も認識もできないし、実現することもできない。
言葉に出すことで、対象が多くの人の意識にも上りやすくなるし、「そういう問題があったんだ」「そういう考えをしてもいいんだ」「そうした未来が来る可能性があるんだ」と思う人が増える。
「分からない」「予測できない」から書かないのではなく、「分からない」「予測できない」からこそ、書く。
そういう意味で、ネガティブな未来予測はさておき、ポジティブな未来予測に関しては、皆がどんどん出していくべきだと思います。
同性婚の実現が2038年=今から約20年後、という予測は、人によっては「悲観的過ぎる」と思われるかもしれませんし、また「楽観的過ぎる」と言われるかもしれません。
いずれにせよ、未来予測というものは、社会の中でそのトピックに対するポジティブな言説の量を高めていくことで、目標の達成を一日でも早めるためにこそ、行われるべきなのかなと考えております。
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