イースXをクリアした感想(ハード&インフェルノ)

※ネタバレを潤沢に含みます


トロコンしました

イースXを2周してトロコンしました。
1周目は38時間、2周目は35時間で完遂。

バトル

最大の特徴であるコンビモード・クロスアクションは非常に良い出来でした。「ちゃんと守って反撃に転じる」という気持ちよさがリベンジゲージを使って上手く実現できていた印象です。またイースVIIIやイースIXではゲージが貯めてすぐ打てたEXスキルも、イースXからジャストガードに転じて発動するようになったので、これも成功報酬としての気持ちよさがありました。

一方、ソロモードでの個人スキルについて興味深かったのは、1周目のハードモードのときはコンビモードに頼るばかりで全く使うことがなく、無駄を感じてたのですが、2周目のステータスMAXからは一転して、SPをガンガン貯めながら無双するスタイルでは非常に気持ちよくスキルを乱射できました。1周目のハードモードのときは、相手が硬かったので慎重に戦わざるを得なかった結果ですね。

操作

イースは動きの気持ち良さが最優先に感じられるような作りで、まさに「歩いてるだけで楽しい」を体現してたと思います。最近クリアしたFF16はリアルさを重視していたせいか、動きがややスローに感じてストレスだったので、これをより顕著に感じました。

またマナストリングスとマナライドのアクションゲーム感、超楽しかったです。マナストリングス、ゲーム苦手な人が躓きやすそうですが、これが出来る出来ないで楽しさに大きく差が出ます。

一方、マナセンスとマナバーストはちょっと地味です。マナセンスは埋め込みの宝箱や水晶を探すために発動しまくる必要があり、これがアクションゲーム的な気持ち良さを削いだ感じがあります。マナバーストは✗ボタンの長押しなんですが、バトルで使うにはあまりにも発動が遅く、またフィールドでは宝箱をあける✗ボタンの長押しと被って、誤発動しがちでした。

海上船

SNSではやれ「序盤の船が遅すぎる」「バトルがミニゲームすぎる」などと酷評されてましたが、割と自分は気持ちよく遊べてしまいました。

一方、船上の会話が最後まで聞き取れず、後半になるほど、その傾向が強くなってしまったので、何を求めてるか、個人によって印象が変わりそうなスピード感だったのかなぁとも思いました。

海上船、楽しかったですけどね。苦戦しても無双してもちょうど良い具合。意外と油断してるとダメージ削られるんですよね、特にインフェルノはそれを感じさせました。この海上戦ですが、確かにイースっぽくない要素にもかかわらずゲーム全体を占める割合は多くて、期待値ズレ起こしたユーザーはいたかもしれないです。今まで、アドル本人で島やら街やら駆け抜けてたので。

ラスボス

今回、永遠の闇(ファイナルファンタジー9)みたいな「概念が突如、実体化してボスになっちゃう」みたいなのがなかったので、非常に気持ちのよいラスボス戦でした。

イースIIIのガルバランのようなトリッキーさは特に求められず、純然たる2:2のバトルで、とにかくストーリーと相手のストレートな戦い方がスッと落ちる気持ちよさ、これにつきました。

ストーリー

ラスボスの気持ち良さが証明しているとおり、非常に納得感のある展開です。また、意外性を秘めた展開もあり、敵陣営だったグリーガーが味方になりグリムソンが敵になりと、まとまりとワクワクが両立したストーリーだったと思います。

一方で、17歳アドルはまだまだ若くて落ち着きがない(?)せいか、節々で冒険狂の振る舞いを出しており、そんなシーンで笑顔になってしまいました。

落ち着きが無さすぎて可愛い
敬語アドル斬新すぎる
漂流の見本市はかつては呪いの見本市でした

カージャ

イースの過去作品トップクラスの魅力的なヒロインでした…。ダーナが「尊い」なら、こっちは「あざとい」かもしれない…。

モデリングが段々と表情豊かに

6章のベルセルク戦後のムービーイベント、表情とか声色の作り込みがファルコム作品でずば抜けてよかったです。苦笑いの表情とか、かがみ姿勢とかね。

そのあたりでカージャの魅力にどんどん引き込まれるのですが、三将を取り込んだ後に、意識封印があって物悲しさに浸っちゃいますね。これ00年代の泣きゲーの手法と一緒すぎます。

最初は素直ぶっきらぼう、というキャラのテーマだったと思ったけど、口調も変わるようなあざとさ?でやられる人は多いじゃないんでしょうか。あと、サイドポニーかわいい。

空の軌跡やイースVIIIでも思ったけど、キャラ絞ったほうが絶対、話良くなるよね、、ファルコム。

アドルも「嬉しいかも」です
お家デートか!?
ドギに対してマウントとりだしちゃうカージャ

音楽

ファルコムゲームといえば、音楽の良さが健在ですが、ウェブサイトに早々に上がっていたTO BE FREEや、トレーラーの楽曲(タイトル不明)と、素晴らしい仕上がりでした。

トレーラー楽曲がエンディングに使われたのは意外でしたが、全楽曲中もっともイースXのテーマらしい曲で、この最後を締めくくる流し方は、2周目をクリアした今では納得感のある終わり方でした。トレーラーの楽曲は早くもカバーしたい曲の第一位です。神藤さん寺前さん楽曲に外れなし!

一方、収録楽曲全体を見渡してみると、今回は島の探索が多く、イースVIIIやイースIXのように場面ごとの切り替えが少なかったせいか、やや起伏が収まった楽曲群のようにも感じました。

例えばイースVIIIはWoods of Elevated Coral ReefやA Slow and Deep Breathのような独特でアンニュイな曲があり、これが「場面が楽曲にあっている」以上に「楽曲が場面を引っ張っている」ような強い印象がありましたが、本作はここまでのものは少なかったかもしれません。

またイースIXで聞いたような曲調の楽曲がイースXでも多かった印象です。確かにイースIXの監獄とイースXのグリーガー(不死者)ということで、不気味路線では曲調が近くならざるを得なかったのかもしれませんが、違う打ち出し方ができると良かったかもしれなかったですね。

ボス戦ではイースVIIIのDeadly TemptationやイースIXのMonstrum Spectrumのようなキラーチューンが欲しかったような印象も受けました。このあたりは後のUltimate Arrangeアルバムなどで、化け楽曲が出るのを期待です。

作曲者推測 https://w.atwiki.jp/jdkmaniacs/pages/118.html を見たところ、外注の割合が年々増えてる印象もあり、このあたりが旧作と最近の作品の印象の違いに繋がってるのかもしれません。

あとは完全に余談ですが、ファールンドヘイムの曲、実は中島美嘉の「雪の華」っぽいメロディでちょっと面白かったです。たまたまでしょうけど。

やりこみ要素

ここはややトリッキーに。取り返しのつかない要素の特にモミナ・ルークスはかなり油断してしまいそうなタイミングにあり、攻略サイトなしには気づきづらいです。

またイースVII, VIII, IXでは、掲示板を定期的に見ればクエストが記録されるのですが、今回はフギルの伝書→関係者から受注、のワンクッションがあるので、作業忘れが起きやすいです。1周目は気づいたらクエスト6つぐらい抜けてて、割と衝撃を受けました。

最後にエピローグの灯台のルーンストーンもなかなか自力でたどり着きづらいポイントです。

こういったことから、(釣りとか細かいのはともかく)ストーリーに関わる要素が攻略サイトを頼らずに一発で全部読み取ることが難しくなってしまいました。攻略サイト見てしまうと、全体で何章と目次が目に入ってしまうので、予備情報を完全に排除できないんですよね。

ちなみに軌跡シリーズでいうと、黎の軌跡ぐらいから、攻略サイトに頼らないゲーム進行ができるようになりました。今後もストーリーとやりこみ要素はうまく分けて1周目でならべく話を全部終えるような形にしてほしい所です。

おすすめ度

感動するのがイースVIII、味わいがあるのがイースIX、アクションゲームとして面白いのがイースX、という印象。

最お勧めは変わらずイースVIIIなのですが、次にイースIXとイースXのどちらを推すかは永遠に悩みそうです。イースIXは冒険っぽくないので独特なんですよね。これも好きなんですけど。一方、イースXのほうが断然、正統派です。

本作ほんと良かったので、ぜひみんなにやってもらいたいなぁと思いつつ、イース作品をやればやるほど毎回感じるイースVIIIの完成度の高さ。どうしてもどこかで比較してしまう。世界のみんなイースXとイースVIIIをやってくれ。

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