「白血病です。」って言われる時②

おそらく白血病であるという旨を伝えられ、親への電話を勧められました。母に電話をかけるのですが、その時になって初めて自分がすごく震えていることがわかりました。元々体調を崩していた段階から母には相談していたので、電話するなり大丈夫かと聞かれました。

「俺、白血病らしい。」そう母に伝えた瞬間、全てが実感に変わりました。よくわからないが、不安で震えていた手はその震えを止め、同時に色んな感情が沸き起こってきました。そこで始めて、本当の意味で気が動転しました。「なんかやばそう」は明確に「怖い」に変わり、「親に心配かけちゃってるな」は「ごめんなさい」に変わる。全ての感情がリアルに、最期へのシナリオを形成する。

そして、人生で初めて、「死」を実感する。

自分が死ぬとはどういうことか、死んだら誰にどういう害が及ぶのか、親に迷惑をかけてしまうなとか、自分の最期のあらゆる側面がクリアに想像され始める。そんな時間が流れました。

でもなぜか、どことなく冷静で、というよりも平静を装ってたのか、あるいは自分の死のシナリオがあまりにもグロテスクで受け入れ難かったのか、その場で泣き出すことも、わめきだすこともありませんでした。その代わりにただただ、力が出ない。生気を吸われきってしまいました。

そんな調子で、正直親になんて言われたかほとんど覚えてません。ただ、自分が思っていたよりも冷静で、淡々と、事実を受け入れているという雰囲気でした。ちょっと安心しました。でも、自分の子が白血病になって冷静なはずはありません。それに気づいた自分は親に対して、この上ない罪悪感を覚えました。

楽しく生きるために大切に使わせていただきます。