村山聖 003



どうしようもない癇癪持ちで、手を焼かせてばかりだった聖が将棋を知ったことによって明らかに変わっていた。療養所や病気というつらい現実も将棋にのめりこんでいく聖の集中力の前では、もう何の障害にもなっていないようにトミコには思えた。

大崎善生『聖の青春』、2015年、株式会社KADOKAWA、kindle44ページより引用

かえって、聖はその環境を将棋の勉強のために逆用しようとしているようにさえ見えた。聖の姿に、病気や環境に負けない頼もしさが感じられるようになっていた。その強さも、結局は将棋に夢中になることで得たものなのかもしれない。

大崎善生『聖の青春』、2015年、株式会社KADOKAWA、kindle44ページより引用





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