ガロア 006




愛国者たち、友人たちよ、国のためでない理由で死に行くことを非難しないでほしい。僕は破廉恥な娼婦(coquette)と、その女に欺かれた二人の人の犠牲者として死ぬのだ。惨めな陰口の中で私は命を落とすのだ。あぁ!なぜそんなつまらないことのために、そんな卑劣なことのために死ななければならないのだろう! あらゆる手段を講じて避けんとした挑発に屈することを強いられたと天は証言するだろう。冷静には聴いていられないような破滅的な事実を君たちに知らせることを申し訳なく思う。しかしついに僕は真実を語ったのだ。虚妄と、そして愛国の血に対するはっきりした意識を持って僕は墓に入ろう。さらば!僕は公益のためによい人生を送ってきた。 僕を殺す者を許したまえ、彼らは誠実な人たちなのだ。

加藤文元
、『ガロア 天才数学者の生涯』、株式会社KADOKAWA、2020年、kindle244ページより引用


シンプルにかっこいい。


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