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インフルエンサー作家のPR漫画と広告漫画の違いとは?


フォロワー数万人のインフルエンサーが投稿したPRタグ付きのレビュー漫画を見たことはありませんか?広告主や広告代理店が、SNSで活躍しているクリエイター(=インフルエンサー作家)に商品やサービスのPR投稿を依頼したものですが、そういったPR案件(企業案件)はどのような人に声がかかるのでしょうか。広告漫画家がPR案件を手掛けたいと思った時に何から始めるべきなのでしょうか。その他、広告漫画との違いはなにかをまとめました。

インフルエンサー作家とは

SNSで人気のオリジナル作品やエッセイを投稿しているなど、作家性や拡散力を持つフォロワー数が数千人~数万人以上のクリエイターをインフルエンサー作家と定義しています。インフルエンサー作家はSNSにおいて高い影響力を持っており、作家の描くPR漫画は高い宣伝効果があるため、需要の多い広告手法となっています。

インフルエンサー作家の漫画と広告漫画の違い

この2つの漫画はどちらも商品(サービス)訴求を目的としていますが、下記のような違いがあります。

1.PR目的の違い

広告漫画は、拡散性よりも商材の訴求ポイントをたくさん盛り込んで商品理解に比重を置いた内容のため、ページ数やサイズに制限を設けずSNS、HP、紙媒体など二次利用も視野に入れて制作します。
対して、インフルエンサー作家のPR漫画は、商品やサービスのブランディングと作品が拡散されることによる認知拡大が目的です。

インフルエンサー作家のPR漫画は、フォロワーが慣れ親しんでいる普段の投稿に近い形式やタッチ、ストーリー展開に仕上げて拡散と話題性を狙っています。この漫画は商品の訴求ポイントを知ってもらうのではなく、読者に商材を知ってもらうことや記憶に残してもらうという点に重点を置いています。そのためおもしろおかしいストーリー展開など拡散されやすい構成で投稿されます。
また、PR漫画はSNS上での展開を想定しているため、Twitterであれば1ツイートに添付できる画像4枚程度に情報を収めています。

2.PR内容の違い

広告漫画は 一般的に漫画制作会社がシナリオを作成するため、広告漫画家が実際に商品を手に取って漫画を作成することはほとんどありません。漫画制作会社も広告主から商品を送ってもらうことはあまりなく、打合せの中で何をどうPRしたいのかヒアリングしてシナリオを作っています。商品理解や問題提起、商品使用後の効果などを読み手が共感しやすい主人公を立て、ストーリーものにした構成が好まれています。


対して、インフルエンサー作家のPR案件のほとんどはレビュー形式で、実際に商品やサービスを利用してもらってストーリー構成から依頼します。事前に商品やサービスの特徴、伝えたいポイント、NG表現は作家に説明しますが、話の展開や訴求内容の盛り込み方はお任せしています。
インフルエンサー作家のPR漫画は作家のフォロワー属性に響く作品を目指しているため、作家に一任する割合が大きいので修正回数は少なく、自由度も高いといえます。
しかし、これらを理解していないクライアントの場合、広告漫画のような訴求ポイントをたくさん盛り込んだ内容を希望するようなことがあり、修正回数が増えるケースも稀にあります。

このように、広告漫画は商品理解や訴求ポイントをまとめたストーリー仕立ての作品、インフルエンサー作家による漫画は実際に商品を使用したレビュー作品という内容の違いが見られます。

3.制作費用の違い

インフルエンサー作家のアカウントで作品を投稿する場合は漫画制作費とは別に投稿費も支払われるため、相場の10倍以上の価格で依頼されることもあります。
インフルエンサー作家によるPR漫画は、商品やサービスのブランディングと認知拡大が大きく期待できるため、単価が高くなっても十分な広告効果を得られます。

4.進行スケジュールの違い

広告漫画の場合は、 希望する広告漫画家の都合がつかなければ、他の作家を提案して進行することができるので、スケジュールもクライアントや広告代理店が主導権を持って進行します。しかし、インフルエンサー作家は代わりがきかないので、スケジュールや制作工程の簡略化など、作家に寄り添ったスケジュールで進行されます。

5.インフルエンサー作家のPR案件を扱う業界

インフルエンサー作家のPR漫画案件を希望する業界は飲食店、サービス業、製造業、無形商材等偏りはなくいろいろな業界で扱われている印象です。クライアント側からインフルエンサー作家にお願いしたいと希望することが多く、漫画制作会社や広告代理店がインフルエンサー作家とクライアントの間に立って制作を進行します。
インフルエンサー作家のPR案件を取り扱う業界は、広報や広告費をたくさんかけているという共通点があります。

インフルエンサー作家のPR案件 と広告漫画の違いまとめ

広告漫画は商品訴求と理解を目的としていますが、インフルエンサー作家の案件は商品やサービスのブランディングと作品が拡散されることによる認知拡大が目的です。
広告漫画家がインフルエンサー作家となるためには、広告漫画制作とは別に人気のオリジナル作品やエッセイを投稿して、フォロワー数を獲得していくことから始まります。
広告漫画とはまた違う能力や時間が必要なのでハードルは高いですが、実際に広告漫画家からインフルエンサー作家となった例もあるので、仕事の合間を見つけてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

インフルエンサー作家案件の傾向

  • 商品やサービスのブランディングと作家のフォロワーとその拡散力による認知拡大が目的

  • 作家のアカウントで漫画をアップする (企業アカウントが投稿する場合も有)

  • 商品を実際に使った感想のレビュー漫画が多い

  • 広告漫画より制作費は高い(投稿費用も合わさると相場の10倍になることも)

  • インフルエンサー作家のスケジュールに寄り添った進行になりやすい

一般的な広告漫画の傾向

  • 商材の訴求ポイントを盛り込んで商品を理解してもらうことが目的

  • 広告漫画家が実際に商品を使って漫画を描くことは少ない

  • 漫画作会社やクライアントがスケジュールの主導権を握っていることが多い

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