ここが違う?!~webtoon作品のローカライズ作業について~
こんにちは、フーモアのディレクターLIM(リム)です。
2024年という表記にもまだ慣れていないのでずが、気づいたらもう3月でびっくり仰天中です。
あっという間に夏になってしまいそうで、半袖を収納から出しました。
とはいえまだまだ寒いので、着るのはまだしばらく先になりそうです。
季節の変わり目ですので、皆さんもお身体に気をつけてください。
時が経つのが早い今、webtoonも国内外問わず日々新しい作品が世に出ております。
ただ、気になる作品があるのに外国語なので読めない!という読者様も多いかと思います。そんな読者様のために、多くのwebtoonは作品の【ローカライズ化(現地化)作業】を行っております。
今回のnoteではそんなwebtoon作品のローカライズ化作業と作業例を皆さんに紹介していきたいと思います。
■ローカライズ化をする理由は?
作品のローカライズ化を行う一番大きな理由は【より多くの読者様に作品を届けるため】です。
webtoonだけに限らず、ネットの翻訳機が優秀であるとはいえ、明確な限界が存在している今、言語の壁にぶつかり作品に手が届かないと悩むことになる人は多く存在します。私もかつてはそのうちの一人でした。
そんな人のために作品を届ける作業こそが【ローカライズ化作業】なのです。
単純に現地に合わせて翻訳作業を行う場合もありますが、設定などを細かく対象に合わせて作品により没入できるようにしている場合もあります。
本日は実際に日本語にローカライズ化された作品でどんなところが現地化されているのか、
一部の作業例を皆さんに紹介させていただきたいと思います。
■具体的にどんな作業が行われるか
・名前、一人称
まず名前と人物の一人称です。
登場人物、特に主人公の名前はまず真っ先に読者が認知する情報でしょう。韓国の作品である場合、元のハングル表記をカタカナで音読した名前で翻訳される場合もありますが、人物の雰囲気や特徴に合わせて日本語の名前を作ることになるケースも多くあります。上記の2作品の場合、元々は韓国語だった名前を日本語の名前で描写しております。
一人称に関してはローカライズ化先の言語に合わせて調整されます。
韓国の場合、1人称が男女で分かれず統一されているため、ローカライズ化の際、キャラクターに合わせてどんな一人称を使うかも合わせて工夫されます。
韓国語原作のwebtoon作品でこの子は【僕】だろうなーと思っていたキャラクターの正式なローカライズ化1人称が【俺】だった時は驚きました。【俺】なんだ…
・地名、貨幣などの現地化
次に地名、貨幣などの現地化作業です。
貨幣の単位や札のイメージそのものが違うので、こちらに関してはローカライズ化先に合わせて素材を再配置する・書き直すことになります。さらに細かいですが、物価や文化も違うのでできる限りそちらに合わせて作業が行われる場合が多い印象です。
例えばタクシー代。韓国だと日本に比べてかなり料金が安く、日本だと5千円がかかる距離を約2千円で利用できます。上記画像の左のシーンはタクシー代を渡しているシーンですが、日本に合わせて1万ウォン(約1000円)が5000円札に変わっています。
現地の地名に関してはローカライズ化先の雰囲気や特徴が似ている地名に合わせて変える場合があります。左の画像の作品【私の夫と結婚して】の場合、上京する設定に合わせて【ソウル】を【東京】に、右の画像の場合は繁華街という特徴に合わせて【梨泰院】を【六本木】にローカライズ化しています。
原作のままである場合、現地を知らない読者様である場合は「どこだよ…」と読者が困惑してしまう場合もあるでしょう。ですが上記のように細かく現地化すれば、読者がより作品に没入できるようになるかと思います。
・口調、方言
最後に方言や人物の口調です。
方言に関しては現地の地名のローカライズ化と同じく、ローカライズ化先の雰囲気や特徴に合わせることになるケースが多い印象です。例えば左の画像の作品【私の夫と結婚して】の場合は東南方言が大阪弁にローカライズ化されております。方言キャラクターの特徴を潰さず引き継いだことでよりローカライズ化先でもその特徴をアピールできていると思います。
次の人物の口調です。
こちらは一人称と同じくキャラクターの特徴に合わせて工夫される場合が多い印象です。
右の画像の作品「俺が育てたs級たち」では人物に合わせて工夫しており、赤い服のエキストラ人物が多少軽い態度の人物であることから比較的丁寧な敬語だった元のハングル版に比べて、ちょっとヤンキーっぽい口調になっております。個人的には口調を工夫したとこで元のハングル版よりさらにキャラクターの特徴を読み取れるようになっていてとてもいいと思いました。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
このようにしっかり考えて工夫しているからこそ伝えられるものもあるかと思います。
より多くの読者にwebtoon作品が届き、素敵な作品に出会えるようになれるよう、ディレクターとしても担当作品で読者様に出会えることを楽しみに待ちたいと思います。
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