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アークロイヤルのパラダイスティー

窓を開けて、室外機の音を聞きながら窓枠に腰掛けて寄り添ってたばこをすった。なんども。またきみとこうやってたばこを吸えるなんて思わなかったなんていいながら、肩を合わせて頭を預けてそうやって燃え尽きるまで。
アークロイヤルのパラダイスティー
ちょっと苦手だけどたまに吸うとおいしいメビウスオプション
わたしが熱海で買ってきた缶ピース
きみがだれかにもらってきた両切りピース
いつでも室外機はがたがたと音を立てていて空は冷たくてしずかで、ガラスの衝立に移る光はいつももやをうつしてた。
煙が羊が逃げていくみたいで
そうやっていままでやってきたんだよね。
私の部屋はこんなに暗くなかったし、きみの目はそんなにわたしをみていなかったし、それでもなんとかやってきたんだよね。
何度も傷つけて傷ついてその度に絆創膏を貼ってじゅくじゅくになったからだをあわせて癒して大丈夫になってきたんだよね。

何度も同じこと繰り返してきて、何度ももう終わりだと思いながらわたしたちなりに向き合ってきてわかってきたつもりだった。
きみにどうしてもわたしに触れられることが許せないことがあることがわかっていた、でもそれでも。わたしは嘘に苦しめられていたよ。
好きな人を信じたくて信じたかったから、過去を全部わすれたかった、記憶全部消してゼロから君と向き合いたかったもう一度恋をしたかった。壊れてしまった。わたしが、もう壊れてしまった。
きっとこれも見ているんでしょう。ごめんなさい。
君は私が思っているよりもずっと私のことをみているし、ただしいことばで背中を押してくれた。わかってて、それでも、それでも咀嚼できない信じる、があった。
このままじゃだめだ このままじゃだめなんだよ
今までの繰り返しのように仲直りしてはいけないんだ
きっと今からでも私が伝えたいことを伝えれば君は聞いてくれるしはい、そうですか、と突き放しながらもちゃんと読んで次会った時には話してくれる。わかっていてぼくはそのままでいられない。
わたしはいまのわたしがだいきらいで、なんとかなおしたくて、
まずはきみへの執着を捨てたい。
それを捨てたらもしかしたら私はきみのことをすきでなくなるかもしれない。その時はゼロからもう一度出会いたい、この私を苦しめるぐちゃぐちゃの感情と過去とトラウマに点を打ちたい。

好きな人に話せないまま4年だったことがある。私があの日レイプされたこと、きみのせいだったんだよ。きみのせいではないのだけれど、優しいきみはきっときみのせいだと思うんだよ、そして突き放した自分を苦しんでしまうんだよ、だから何度聞かれても濁した 答えられなかった きみのことをくるしめたくなくて、でも本当は話さなきゃ行けなかったんだ。それで今でも私は苦しめられていてそれが依存と執着に繋がっていて、今違う形ののろいとしてきみをくるしめている。ちゃんとむきあわなきゃならなかったんだ。ちゃんと話して苦しめる覚悟をわたしは持たないといけなかったんだ。こんなにも私の奥底に巣を作ってしまっているこれに。
未だに眠れない夜がある。悪夢を見て痙攣して金縛りにあって起きる。
さやかちゃんって寝てる時時々ビクってするよね、
なんでそんなに寝れないの、
ぜんぶそれが答えなんだ。
今でもあの日の夢を見る。忘れていたはずなのに、鮮明に体をまさぐられる感触私を蝕む手がそこにある、動かない動けないからだ。
でもその手、が手を繋いでくれるようになってすこしあんしんする、最近は、もしかしてきみなのかなとおもって、悪夢の中で安心する。夢の中でも暴力はもうふるわれなくなったのはきみのおかげだよ。

私は変わりたくて変われなくてでも本当に変わりたいからことばをまとめて来週心理士さんに真面目に相談する。その矢先だった。

きみのことちゃんとしんじたい、しんじたいのに、ごめんなさい
たくさん私の事考えてくれてること私が一線を超えたことわかっているけれどそれても私には許せなくて、このままじゃだめなんだ

きみとちゃんと対等にいられるようになりたい。情とか依存とかとっぱらったまっすぐ綺麗な感情でもう一度恋をして好きと言いたい、きみに胸を張れる好きを言いたい。だから私変わりに頑張ってくるから、そうしたらもういちどゼロから君に出会いたい
今の私で繰り返しちゃダメだ
今までを無理やり延命するようなお互いに傷つき続ける関係を続けちゃダメだ
連絡先を消したのはきみのことが嫌いとかそういうわけじゃなくて、今の私は君に関われない
許せないことの言語かも話し合いも妥協案も提示できない、ただ、くるしんで、くるしいって泣きわめくことしか出来ない
だからわたしはここにいてはいけない

きみをきずつけないわたしになってからもう一度君に出会いたい

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