マフィア梶田という怪物 〜杉田さんとアニゲラと僕 特別編〜



¥マフィア梶田とは何者か

まずこの写真を見てほしい。

スキンヘッドにガタイのいい体格、するどい目つき。念のため言うが、これは手配写真ではない。

マフィア梶田…この名を聞いてこの記事を読んでいる人は何を想像するだろう。

杉田さんの友達、中村悠一さんとのYouTube、色々なイベントの司会者、シンゴジラで石原さとみの横で存在感を示していた謎の巨漢…人によってその印象は様々だろう。


僕の話をしよう。2012年10月、パシフィコ横浜、文化放送超A&G +の合同イベントが開催された会場に僕はいた。
ステージがやや見えづらい2階席だったと思う。


その当時、僕が本放送、再放送、録音までして聞き倒していたアニラジの合同イベント。
ド田舎住まいの僕は、はるばる横浜まで遠征し、いつもは小さな簡易動画でしか見れない声優さんの登場に興奮し、10年遅れくらいの青春を楽しんでいた。


会場が暗くなり、派手な音楽と共に観客席の合間を縫って輿を担いだ一団がやってきた。

輿の前方、もっとも目立つそのポジションにその人はいた。もう記憶が曖昧だが、確か北斗の拳の世界のモブのようなヒャッハーな衣装、スキンヘッド、口には凶悪そうなマスクをしていたと思う。

生ではじめて見たマフィア梶田さんだ。

その姿はゲームライターというにはあまりに異質すぎた。大きく、分厚く(胸板が)、重く、そして大雑把すぎた。それはまさにマフィアだった。


¥杉田さんが連れてきた謎の素人

僕が初めてマフィア梶田さんの姿をメディアで見たのは、何かの雑誌の付録にあった短い短編動画だったと思う。

まだオタク趣味に詳しい気のいい兄ちゃん然とした杉田さんが秋葉原の街を駆け回るストーリーがあってないような愉快な動画。
そこにマフィア梶田さんはシンゴジラの時と同じく一言も喋らず(少しうなずいたりはしたが)杉田さんの傍に存在していた。
梶田さんの経歴に照らすと、多分ライター養成の学校を出てまもなく、海のものとも山のものともしれない外見と中身が一致しない謎の人物だった頃。
動画をはじめて見た僕は、見た目をかわれて雑誌が用意したエキストラか何かだと勝手に思っていた。

 それからほどなくしてマフィア梶田さんはなぜか杉田さんのラジオに出る。


¥アニゲラに登場した別人格SP田中

 か、神取様、この力は…

ある日、アニゲラを聴いていると冒頭のディドゥーン劇場で聞きなれない声が入ってきた。

 今日はゲストに声優が来るのだろうか。小慣れたような、若いような不思議な演技。

(ちなみにこれは女神転生異聞録ペルソナで神取というキャラが部下の武多にペルソナの力を授ける一幕)

アニゲラでのマフィア梶田さんの別人格SP田中としての初登場の瞬間だ。

 初期のマフィア梶田さんは、SP田中という別人格でアニゲラに登場する。

満を持してではない、マフィア梶田さんの4Gamerでの連載記事「二次元が来い!」第一回によれば、本当に突然軽く杉田さんに出演を打診されたようである。


¥初期のSP田中の役割

今でこそマフィア梶田さんと言えば、ありとあらゆるイベントなどで司会を務め上げ、まさにTwitterアカウントにあるなんでもライターにふさわしい活躍ぶりだが、初めから芸達者だったわけではない。初期のアニゲラを知る方なら登場間もない梶田さんが杉田さんの振る数々のネタに素直に反応し、オタクの心情を吐露し、叫んだいたことを覚えている方も多いだろう。

アニゲラは杉田さんが心は10代、ネタは30代向けと第一回で語ったように、あらゆるジャンルに幅広い知識を持つ杉田さんの様々なネタが嵐のように吹き荒れる番組であった。(特に初期の頃は)。

 僕は杉田さんとあまり年が変わらず、大体のネタは何となくついていけた。しかしアニゲラが始まった当時の10代後半、20代前半の人は杉田さんと10歳くらい歳の差があり、さすがに元ネタとか当時の雰囲気がまったくわからない世代もいたのではないだろうかと思う。そして梶田さんは、そうしたディープなネタを振る杉田さんと若い視聴者を繋げるバッファとして機能していたように思う。

 初期のアニゲラを聴くと梶田さんは自分の好きなコンテンツについてよく話し、杉田さんから振られた古いネタも知っているものは知っている、知らないものは知らないとはっきり言っていた。そして今はまっているものについて楽しそうに2人で話をしていた。

 杉田さんと梶田さんの関係性はなんなんだろう。7歳くらいの歳の差、兄弟、友達、先輩と後輩、師匠と弟子、色々ある。若い視聴者は、梶田さんが見た目と裏腹に全く見栄を張らず、自分の欲望に素直にオタクコンテンツを語る姿に大人になってもこれでいいんだと影響を受けたのではないだろうか。そして退廃的で自堕落な生活をしていた初期の梶田さんを本気で心配する杉田さんとの関係性をほほえましく羨ましく思っていたに違いない。


¥まとめと久々の共演

今の梶田さんの活躍は改めて書くまでもない。
最近、梶田さんのYoutubeで二人は久々に約3時間半も語り明かしたようだ。僕はまだもったいなくて聞いていないが、そろそろ二人の対談を当時のアニゲラを懐かしみながら聞こうと思う。なお仰々しいタイトルに特に深い意味はない。人を怪物呼ばわりしてそれはないだろうと思うかもしれないが、実際そうだから仕方ない。ただライターの面接にジャージにサンダルで現れた青年が今やあんな感じになってると思うとやはり怪物だと思う(完)

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