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心をつなぐ授業。生徒、親が心を開いてくれるまでの話。

職場は、生徒の家

私の職場は、生徒の家です。家庭教師として1週間に1回、中学生や高校生の生徒の家で机を挟んで向き合い(あるいは隣に座り)、勉強を教えています。

「今週おもしろいことあった?」
「最近何かハマっているものある?」
「SNSで何かおもしろいもの流行ってない?」

家庭教師といっても、最初から最後まで勉強を教えるわけではありません。雑談をしながら、お互いの近況を話し合います。これも必要な仕事の一部です。その間も私は、生徒の様子を観察しています。経験上、雑談から分かることは意外と多いのです。

たとえば、使う言葉の言い回しやボキャブラリー、話し方を観察すると、普段の考え方のクセや得意不得意がなんとなく分かることがあります。そしてコミュニケーションは双方向ですから、私も自分がどんな人間なのかを伝えるように言葉を選びます。これらは授業や問題演習に直接活かすことができ、一緒に勉強し始めた初期に特に重要です。

悩み事やトラブルを抱えていないか注意しておくことも大切です。個人のプライバシーに必要以上に立ち入ることはしませんが、困ったことない?のような声かけはいつもするようにしています。

悩み事があると、頑張れない

悩みごとがあれば勉強への集中力は削がれてしまいます。人間は、どうしようもないとわかっていても、悩みや困り事があると他のことに手がつかなくなってしまいがちです。大人であれば大したことのない話でも、子どもの感情は大きく揺れ動きます。

しかし、話すことで落ち着いたり、どうしたら良いかなんとなくわかったような経験はありませんか?

普段は親がこの役割を果たしています。私は当然いつも一緒にいるわけではありませんが、だからこそ生徒の変化に気づくこともあるのです。

いじめ、トラブル、体調不良

生徒ではなく親の方から相談されることもあります。たとえば、いじめや嫌がらせです。最近では、学校外でのSNSを通じたトラブルが随分増えました。嫌がらせとまでは言えなくても、毎晩遅くまでの執拗な通話を迫るなどのトラブルもあります。私はその方面の専門家ではありませんが、状況に応じてどんな選択肢があるかお伝えします(いじめ問題については詳しく調べたことがあります)。

また全員ではありませんが、頭痛や腹痛など、日常的に体調不良が続いているような生徒もいます。低血圧、起立性調節障害、HSP、不眠症…原因は様々です。親とよく相談をした上で、私が知る限りの選択肢を伝え、対処を勧めます。根本的な解決が難しくても、症状が改善することはあります。

日常的に体調不良が起きていては勉強に限らずあらゆることに全力を尽くすことができないので、勉強以前の問題を抱えている場合には、私も可能な限りその問題に向き合うようにしています。

受験期のあるある

受験期になると、進路に関して親子での対立や意見の違いがあるのはよくあることです。そういう時には必ず、私は生徒と親両方と話をして、間に入るようにしています。受験が終わった後で、親の方から間に入ってくれてありがとうと言ってくださることも多いです。

子どもにとっては、親相手だから言えることもあれば、親だから言いにくいこともあるのです。親から子へも、同様です。


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