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幻になる前に絶対見るべき18歳 映秀。のアーカイブ映像

 昨晩、映秀。のEP「別解」リリース記念のYouTubeライブがあった。

スクリーンショット 2020-12-19 16.33.07

 かのピティナ特級グランプリ ピアニスト角野隼斗とのコラボだ。軽い気持ちで楽しむつもりが、

30分後、完全に言葉を失っていた。

 ラスト曲「Good bye Good night」。亡父に言えなかった言葉を乗せたと言うこの歌に魂を鷲掴みされ、遠い思い出になっていたはずのものがぎゅっと絞り出されてしまった。

 10年ほど前、私は深夜に母の死を知った。あまりに突然で悲しみよりも驚きが先行し、感情のスイッチが切れたまま葬儀を済ませた。

 遺骨はハワイの海に散骨した。

 湿り気のない穏やかな風に撫でられキラキラと輝く海。大きな帆を張った船からハラハラと舞い降り、波間に揺蕩う真っ白な骨がやがて海底へと沈んでいく。祈りを込めて前日から身につけていたレイの糸を切ると、色とりどりの花びらが母のあとを追う。生前言えなかった言葉を何度も繰り返した。

 その光景の美しさを今でも鮮明に覚えている。

 齢を重ねれば重ねるほど、大切な人との永遠の別れは増えていく。深い悲しみもやがて時が攫い思い出になっていくことを知る。

 だが、17歳の少年が最愛の父を失った悲しみはどれほどのものだっただろう。
その死からわずか1年、その命日にライブは配信された。
 たった1台のグランドピアノ。
 たった1人の歌声。

 なんの装飾もないステージ。
 誰もいない観客席。
 抑制された品の良いカメラワーク。
 必要最低限のライティング。

 まだ生傷のように疼く想いを何にも包まず、加工もせず、むき出しのまま放った声が確かな重量を持って真っ直ぐに届いた。大切な人を失った喪失感が叫びとなり、小さな嗚咽とともにホールを満たす。溢れる想いが溶け込んだピアノが煌めく。

その美しさたるや。。。。
ただただ、美しい光景。美しい音。

 曲終わりにフラジャイルな声で漏らした5文字。

 この曲はストリングスやリズムセクションも入った素晴らしい音源がある。
だが、一周忌にこの涙とともに捧げられた圧巻のライブは、今を逃したらもう2度と見ることはできない。アーカイブは12月25日まで。

 もしも、大切な人を失ったことがあるのなら、、、、
いや大切な人を失う前に、この映像が幻と消えるその前に見ておいてほしい。

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