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#未婚
フィンランドを見習うのであれば、ありのままの現状を見よう
一時期「少子化対策は北欧を見習え」みたいな話がものすごく流行った時期があって、Xで界隈が叫んでいるだけならまだしも、大新聞やテレビまでがそれを言いだしてうんざりしたことがある。
まず、事実を正確に認識することが大事。
世界最高レベルの子育て支援と言われてきたフィンランドでさえ出生率は1.26にまで激減している。1.26は2022年の日本の数値と一緒で、その時は「過去最低の出生率」とかでマスコミ
「結婚は金」の問題であり、それも「額面給料ではなく手取りの問題」
私自身も少子化に関する専門家としていろいろなメディアから取材を受けるが、最近閉口しているのは、岸田内閣の異次元の少子化対策発表以降、「俺もいっちょかみしたい」という門外漢が増えて、政府の少子化対策と同等の的外れなことを言う内容を何の疑いもなく取り上げるメディアがあることだ。
中には、「政府の家族関係支出GDP比を増やせば少子化解決(ハンガリーを見習え)」とか「今子どものいる夫婦がもうひとり産めば
真実と事実は違う。誰かが都合よく解釈すればそれはその人の真実になる
毎度、子の手の白書やメディアの記事には、一言申し上げますが、それぞれの解釈としての真実はどうでもよいが、客観的な事実を自分の都合が悪いからといってないものにするのはいい加減やめた方がいい。
真実と事実は違う。真実はそれこそ人の数だけ、人の解釈の数だけあっていい。その人が真実だと思うことはその人の真実だから。しかし、事実は違う。事実は解釈ではない。
まず、この白書の前提である日本の少子化について
「安心な居場所」ばかり探していると「居場所に独りぼっち」になる
イギリスの猿真似で孤独担当大臣なんか作ったものの、人と一緒に過ごすことを社会的圧として強要される西洋社会と一人でいることをネガティブではなく必要と考える日本人とでは「孤独」に対する考え方は大きく異なる。
「孤独を感じる人が4割もいる」ことをそも重大事のようにいうが、孤独を感じることと孤独を苦痛に感じることとは別物である。
私の調査では、基本的に「孤独を苦痛に感じる」割合は男女年代問わず1割程度
「金が無いと結婚できない」は事実だが「金があっても結婚しなくなる」
前回の記事でも、「割合(率)の話と実数を両方把握せずに、片方だけで結論づけても間違えるよ」って話をしましたが、生涯未婚率でも同様のことがいえます。
生涯未婚率は、45-49歳と50-54歳の未婚率の平均であり、要するにおじさんとおばさんの未婚率の話です。だからもうこれ以上結婚の見込みはないという意味で「生涯未婚率」といわれているわけですが、どうやらこの「生涯未婚率」という言葉に噛みついた奴がいる
いい加減年寄りより若い子たちの支援と後押しに注力してほしい
このところ(てか、ずっと)、政府の少子化対策が的外れすぎているので、その問題点を指摘した記事をプレジデント、東洋経済に連続して寄稿しました。
ふたつの記事で訴えたいことはひとつで、子育て支援と少子化対策と似て非なる別物であって、どれだけ子育て支援を充実させても、それが出生数の増加には結び付かないという話です。もちろん、何度も言うように子育て支援をやめろという話ではない(そういう読解力のない輩も大
ほんの35年前100人いた母親が40人に減った日本
何度も言ってることで恐縮ですが、「少子化は解決しない。なぜなら起きているのは少子化ではなく少母化だから」という事実を認めたがらない人が相変わらず多いので繰り返し言っています。
2015年時点の国勢調査でも一人以上出産した母親の数をだしましたが、2020年の結果がでたのであらためて記事化しました。1985年と比較した場合に、2015年時点でも母親の数は半減でしたが、2020年にはさらに進んで6割減
子育て支援が出生増にはならなかったのと同様、結婚支援も婚姻増にはならない
毎度書いていますが、出生動向基本調査のこの「結婚するつもり」の調査結果を見る場合には前提を知っておくことが大切です。
実はこの質問は「いずれ結婚するつもり」か「一生結婚しないつもり」のどちらか二択です。「一生しないつもり」という確たる強い思いがない限りは、大抵は前者の「するつもり」を選択するでしょう。
同調査ではさらに「するつもり」の中から結婚に対する強固な意志や願望のある「結婚前向き派」と、