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少子化っていうけど、日本のお母さんたちはがんばっている!

毎日新聞から取材を受けてコメントしています。

人口減前提の社会へ 出生数、今後も減少見込み

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前からずっと言い続けていますが、不可避な人口減少を嘆いても仕方ないわけで、今回「それを前提にして考える」という方向に新聞の論調が変わってきていることはよいことだと思います。

人口減少問題に対して、いつも顔を真っ赤にして「国難だ」「国が亡ぶ」と叫ぶおじいちゃんがいるんだけど、本当に無意味。

ご存じない方が多い(新聞記者すら知らなかったりする)けど、1974年人口問題審議会の予測では、2010年から日本は人口減少にシフトするとされていて、事実その通りになっている。少子化は今の政治が悪いとか関係なくて、少なくとも50年前から予測されていたことです。

そのあたりについて、歴史人口学の第一人者鬼頭先生と対談した記事はこちらです。


それと、少子化の話題では、合計特殊出生率ばかり取沙汰されますが、結婚完結出生児数をちゃんと見た方がいい。結婚したお母さんはがんばっている。大体2人産んでいる。

これ以上産めって言われたって、教育費やらお金の問題があるから大変です。

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  少子化というから、生まれてくる子どもの数が少なくなっていると思いがちだが、その産む母体である母親の数そのものが減っているわけで、問題は「少子化ではなく少母化」なのだ。それを作っているのは未婚化であり、結婚の減少なのです。

そして、加えていつも深刻にとらえない人が多いけど、離婚の増加も問題。

今離婚増えています。3組に1組は離婚する時代です。が、離婚せずに4年以上結婚継続している夫婦は2.5人産んでいるんですね。これは僕独自に考案した「継続結婚出生率」という考え方です。継続結婚出生率でみると、最近上昇している。

かつて皆婚時代の日本は、世界一離婚が少ないといってもいいくらいだった。だから、夫婦は4人も5人も安心して子どもを生んでいたとも言えるわけです。


だからといって、別に「子どものために離婚を我慢しろ」とは言ってません。

出生率の高さは高婚姻率と早婚率と低離婚率によるものであり、現代の低婚姻・晩婚化・高離婚状況はどう考えても、何をしても少子化にならざるを得ないという話をしているだけです。

「少子化対策はフランスを見習え」と言い続けてきた人もいますが、フランスの出生率は現在3年連続減少中。今後も減り続けるでしょう。ああいう「子どもを金で買う」みたいな政策がうまくいくはずがない。フランスに習ったドイツの出生率が高いといいますが、18万人は移民の子です。それを除けばドイツの出生率は、今の日本より低い。

自然の流れに逆らって無理に子どもを生むよりも、今いる子どもたちをみんなが育てる環境を考えましょう。親だけではなく、未婚も子育て終了した高齢者も、大人たちが全員で誰かの子どもを育てる。

そういう拡張家族の概念がもっともっと広まってほしいと思います。


長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。