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339万人も未婚男性が多いのに、婚活女性が苦労する理由

2015年世界の人口は約73億人。男性が50.41%、女性が49.59%で、約6,000万人ほど男の方が多い。日本でも約340万人男が余っていることはあまり知られていない。男女は決して同数じゃない。世間では、「男女同数」という誤解がいまだに多いようですが…。

2010年の国勢調査段階で、20歳以上の未婚男性と未婚女性の差分を見ると、約339万人ほど男が多くなっています。生涯未婚率が急上昇し始めた1985年でも約282万人男が余っています【図①】。

しかも、1935年(昭和10年)の時点で既に差分は200万人を突破しています。途中、戦争によりこの差分は減少しましたが、慢性的に男が多い状態は変わりません。

こう見ると、未婚女性にとっては「よりどりみどり」ではないかという見方もできます。が、決してそうではない理由があります。

事実、1985年まで生涯未婚率は女性の方が高かったんです。

男が余っているのに、なぜ女性が結婚に苦労するのでしょうか?

その要因は複数あります。

そのうちのひとつ。それは年の差です。

2010年の出生動向基本調査(夫婦調査)によると、実際に結婚したカップルの年の差は1.7歳でした。これは実は年々小さくなっていて、80年代から比べると約1歳ほど差が縮小されています。

ところが独身者調査で、相手との希望年の差を聞くと、女性は、1.06歳年上の男性を求めるのに対して、男性は、自分より5.52歳年下の相手を求めることがわかりました【図②-1】。

40代前半の男性が8.56歳年下、40代後半になると、9.43歳年下の相手を求めるようです。

18-34歳に限れば、男は2.2歳年下、女は2.1歳年上なので、30代後半以上の男がいかに若い相手を望んでいるかがわかります。一方、女性は、40代後半になると年下の男性希望に変わります。

つまり、男性と女性とでは結婚希望対象年齢が5歳ほどズレるわけです。

最終的に年の差のない者同士が結婚するにしても、婚活中は希望年の差をベースに活動するので、こちらの方が実情に合うものと考えます。そのズレを反映させたものが【図②-2】になります。数値上の比較のため、便宜上15-19歳女性を追加します。

すると、339万人もあった男女格差が一気に73万人まで接近。20代女性の場合、むしろ男不足という逆転現象になります。

とはいえ、それでもまだ73万人も男が余っているじゃないか?

いえいえ、まだ考慮すべき点があります。さらに「結婚意思の有無」という条件をプラスします。

すべての人が結婚したいと思っているわけではありません。

…というと、違和感を覚える方もいるかもしれません。

「出生動向調査によれば、男女とも9割近くが結婚したいと言ってます」

よく使われるデータです。

が、これを額面通りに受け取ってしまうと大変なことになります。

このデータは、「結婚したい」という回答ではなく、あくまで「いずれ結婚するつもり」という回答です。しかも「まだ結婚するつもりはない」という回答がこの「結婚するつもり」内に含まれています(男5割、女4割)。

要するに、結婚に前向きなのは、実は男4割、女5割程度ということになります。※このあたりについてはこの記事「9割近くの男女が結婚したい」って言うけどさ…で詳しく説明しています。

本来なら「絶対に結婚したい(強い意志)」「できれば結婚したい(願望)」「結婚したいかどうかわからない」「結婚したいと思わない」「結婚するつもりはない」「結婚しない、諦めた」というマインドの強さ別に分けて聞くべきでしょう。その結果が【図③-1】です。

これによれば、結婚に前向きなのは

20代男60%、30代男50%、40代男39%、50代男29%、20代女72%、30代女58%、40代女34%、50代女18%ということになります。

男性より女性の方が40代で極端に結婚意欲がなくなります。50代女性に至っては、8割以上が結婚に後ろ向きとなっています。

これら結婚意思がない人たちを男女年代別に合計から差し引いて作ったのが【図③-2】になります。

するとどうでしょう。

単純な未婚人口では339万人も男が多かったのに対して、「年の差」と「結婚意志の有無」を勘案すると、なんと女性の方が125万人も余っているということになるんです。

これが婚活において女性が苦労する要因になっています。

結婚したい人と結婚したくない人(今はしたくない人も含めて)が存在します。

にも関わらず、「未婚」という属性だけに惑わされて、「結婚しない男=ソロ男」と無駄な時間を費やしてはいないでしょうか?ソロ男たちは、結婚の意思がないとしても、恋愛をしないわけではありません。

婚活の際には、相手がソロ男なのかどうかを見極めることが大事ではないでしょうか。

ベジタリアンに一生懸命肉料理を作っても食べてもらえませんから。


長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。