見出し画像

日本ダービー 有力馬見解

どうも、ウインバリアシオンです。

今週はもちろん、日本ダービーの有力馬見解を書いていきます!

先週のオークスは〇デアリングタクトが無敗の2冠を達成。初の輸送の影響からなのか、レース前から掛かり通しで、内枠で揉まれ位置は後方と相当苦しい競馬になりましたが地力の違いで差し切りましたねー。◎ミヤマザクラは高速馬場でスピード負けした感じですね。伸びてもないし、止まってもないといった脚色でした。ただ道中行きたがる様な面も見せていたので、兄達とは若干キャラが異なる可能性も出てきましたね。しっかり見定めていきたいと思います。

さあ、ダービーです。昨年は◎ダノンキングリー△ロジャーバローズのワイドのみ的中したレース。◎の単勝が大本線だっただけに当たったのに外れた気分でした(笑)

今年こそ... 早速見ていきましょう!

コントレイル(福永祐一)

父ディープインパクト 母父Unbridled's Song

適性A 臨戦B

休み明けの皐月賞を勝利し、父ディープインパクト以来となる無敗の2冠へ挑むコントレイル。

父ディープインパクト×Unbridled's Songという配合は、有名どころだとオークス4着のリアアメリア(母父Rockport HarborがUnbridled's Song系)、朝日杯FSを勝ったダノンプラチナと同配合で、いわばディープ×米国名血の超主流配合です。当然、高速馬場の東京芝2400mへの適性は高いでしょう。ただ、リアアメリアやダノンプラチナの戦歴を見てもわかる通り、この配合はやはり早熟の面が強いです。事実、このコントレイルも皐月賞では育ちざかりの3歳馬が休み明けで出走して来たにも関わらず、馬体重は1キロも増えていませんでした。

なので皐月賞の有力馬見解でも書いた通り、鮮度(フレッシュさ)命の典型的なディープインパクト産駒で、鮮度を失ってくればその鮮度を補完できる休み明けでしか走らなくなってくるでしょう。仮にここで2冠を達成したとしても、その先GⅠを4つや5つと勝つ様な馬にはならないと個人的には思っています。この鮮度要求の高さがディープ牡馬の超大物誕生を阻んでいる原因である事は間違いないでしょう。
それでも、現在の完成度という点ではやはり現3歳世代でも群を抜いているといった状況ではないでしょうか。

前走の皐月賞を振り返ると、馬場の悪い内を走った事で位置取りが下がり、最内という事もあり、後方のインを追走とこの鞍上を踏まえても、これはやっちゃったなという感じでレースを見ていました。ただ、外にいたガロアクリーク、マイラプソディのマークを一旦手綱を引く事で外すことに成功した福永騎手のファインプレーもあり、外に持ち出す事に成功。あとは馬の力に任せ一気にまくって行き、直線だけで前を行くサリオスを捻じ伏せ1冠目を奪取しました。

今回はややタフな馬場設定だった中山から、史上最速とも言える高速馬場になりつつある東京競馬場替わり。そして2400mへの距離延長。

まずは高速馬場替わりに関してですが、ディープインパクト×Unbridled's Songという究極の主流配合に加え、母系に絶対的なスピードを供給するIn Rialityの血を持つこの馬にとっては最も走りやすい舞台に替わると言えるでしょう。東京スポーツ杯2歳Sを衝撃のレコードで制したのも頷けるという物です。

課題のひとつは2400mへの距離延長
皐月賞の有力馬見解でも話した通り、母ロードクロサイトがUnbridled's Song(米国名血)×Tiznow(In Riality系)という超スピード強化配合馬であり、コントレイルの兄バーンフライは全3勝中2勝をダ1400mであげた短距離馬。姉のアナスタシオも中央での唯一の勝利はダ1400mと、コントレイルは短距離志向の強い一族の出身なんです。それ故、距離延長が少なくともプラスに働くという事はないと思います。

それでも、現代ダービーで求められるのは圧倒的なスピード能力であり、母型でそのスピードを存分に強化しているコントレイルはまさにダービー配合と言ってもいい血統構成で、延長適性の低さを高速適性で相殺できると見ています。

では、今回のコントレイルに不安要素はないのか?という話になってきますが、一つ見逃せない不安材料があります。

それが反動の有無です。

休み明けでいきなりGⅠ、それも皐月賞を壮絶な叩き合いを演じたストレス・疲労の影響は、少なからずこのダービーにも影響を及ぼすでしょう。

事実、同じ様に、休み明けで皐月賞をまくり切ったサートゥルナーリアは、直後の日本ダービーでは4着に敗れましたし、朝日杯FSからの直行で桜花賞を制したグランアレグリアもNHKマイルCでは5着(4着降着)に敗れています。この2頭に共通するのは、休み明けにも関わらず、馬体重が増えていなかった点。そしてどちらも父が鮮度(フレッシュさ)を武器に戦う種牡馬である事から休み明けで鮮度を補完して走った直後の間隔詰めで楽→苦の臨戦であった点です。
このコントレイルもホープフルSからの約4カ月の休み明けにも関わらず、馬体重が増えていきませんでした。その中で、あのタフな馬場をまくり勝ち。最後はサリオスとの壮絶な叩き合いを力でねじ伏せる競馬で、かなりのストレス・疲労を残したと推測できます。まだまだ鮮度(フレッシュさ)十分のディープインパクト産駒なので、この辺りの不安を乗り越えた走りを見せてくる可能性も十分考えられますが、少なくとも前走以上の状態、臨戦ではないという事は間違いないでしょう。

それでも圧倒的なスピード、高速馬場適性、そして地力からもここは好勝負を演じてくると見ています。それでも現在の想定オッズが1.5倍。そこまで抜けているかと言われれば疑問符が付きます

サリオス(D.レーン)

父ハーツクライ 母父Lomitas

適性B 臨戦B

皐月賞でそのコントレイルの末脚に屈したサリオス。

ただ、馬場の悪い内を走り続け先行勢では唯一上位に食い込みコントレイルとマッチレースを演じた走りはまさに負けて強しの内容でした。

その皐月賞は、ハーツクライ産駒が一度も馬券になっていないという事で軽視した人も多かったのか3番人気での出走となりました。ただこの馬は"異端ハーツクライ"だとして〇に評価した事は、皐月賞 有力馬見解や皐月賞 予想の方で書いた通り。

ハーツクライ産駒のサリオスの何が異端かというと、すでにテンのダッシュ力を持ち合わせているという事です。

ハーツクライ産駒は何よりテンのダッシュ力の無さが最大の弱点であり、若い時期は後方からの競馬が多くなってしまうんです。それ故、取りこぼしが多く、古馬になり先行できるようになってから大成するという馬が非常に多いです。
その為、初の激流となる皐月賞では位置取りが後方になり、そもそも器用さに欠ける側面もあるので差して届かずというレースが多くなってしまうのがハーツクライ産駒皐月賞不調の要因です。

ただ、このサリオスは前半33.8秒で流れた朝日杯FSで難なく先行できるテンのダッシュ力をすでに持ち合わせている為、皐月賞でも問題なしと踏み、上位評価とした訳です。

今回はハーツクライ得意の東京への延長。ただ、この臨戦でダービーで好走したワンアンドオンリーやスワーヴリチャードはその皐月賞では"the ハーツクライ"という走りで差し損ねて凡走していました。対してサリオスはすでに皐月賞で好走できるだけのダッシュ力を持ち合わせていた為、皐月賞でもしっかり走ってきました。いや、今回のダービーに向かうという意味では"走ってしまった"とも言えるでしょうか。

何が言いたいかというと、上記の2頭は・・・
①東京への延長が大きくプラスに働く典型ハーツ産駒であった
②皐月賞は凡走し、ストレス・疲労を残していなかった

まず①について話すと、上記の2頭(ワンアンドオンリー、スワーヴリチャード)は、まだまだテンのダッシュ力のない"典型的なハーツクライ産駒"であった為、皐月賞では、生涯初とも言える激流で追走に苦労し、小回りコースも苦手である事から脚を余しての凡走となってしまいました。つまり、テンの入りが緩む距離延長と、広い東京競馬場に替わる事で、皐月賞と比較して明らかに日本ダービーでは『苦→楽』の臨戦を踏む事ができていたんです。事実、この2頭はダービーで前走の差し・追い込み競馬から、先行への位置取りショックを仕掛ける事に成功し、前者はダービー制覇、巧者はダービー2着に好走する事ができました。

その点サリオスは、皐月賞を好位から2着に粘り込むだけのダッシュ力をすでに身に着けており、延長でテンが緩む事を上記の2頭ほど"楽である"とは感じないでしょう。前付けできるという点は、内前断然の日本ダービーにおいては大きな武器にはなります。それでも、前走比で苦→楽になる臨戦を踏む馬を探す自分としてはこの馬を◎〇クラスに推すことはできません。

そして②について。これは一度の激走の反動に弱いハーツクライ産駒の弱点を露呈する可能性があるという事です。上記の2頭は皐月賞は不向きな条件であった事もあり、しっかり"凡走"していました。これによってストレス・疲労を残さずダービーを迎える事ができ、ベスト臨戦(延長・内枠・東京替わりで前に行く位置取りショック)も相まって激走を見せました。対して、サリオスは休み明け、それも馬体減の中、皐月賞でコントレイルと壮絶な叩き合いを繰り広げてしまいました。あの走りは今回に向けて、間違いなくストレス・疲労を残したはずで、反動に弱いハーツクライ産駒にとっては、ダービーを狙ううえで大きな不安材料と言えるでしょう。これまで間隔を開けてレースを使われ続け、今回が初めての間隔詰め。ハーツクライの弱点が顔を覗かせる危険性は十二分に秘めていると言えるでしょう。

それでも、ハイペースをただ一頭先行策から難なく押し切った朝日杯FSと前走の皐月賞の内容を踏まえればここでの地力上位は明白ですし、現代ダービーを好走するうえで必須とも言える先行できるテンのスピードを持ち合わせているサリオスを危険な人気馬だとまでは言えません。ただサリオスまた、世間が騒ぐほど今回絶対かと言われれば何とも言えない所です。

サトノフラッグ(武豊)

父ディープインパクト 母父Not for Sale

適性A 臨戦A

父ディープインパクト×母父Not for Saleという配合は阪神JFを勝ったダノンファンタジーと同配合です。ですから、この馬も当然、鮮度(フレッシュさ)を失っていけば、パフォーマンスが落ちていき、鮮度を補完できる休み明けでしか走って来なくなる馬だと思います。ダノンファンタジーのチューリップ賞→桜花賞、ローズS→秋華賞の一連の流れはまさにこの鮮度切れディープの典型という走りでしたね。

皐月賞で人気を裏切る格好になったサトノフラッグ。僕自身も皐月賞では危険な人気馬として消し評価にしました。

理由は弥生賞のレースぶりにあります。

1つは勝ち方。少頭数の弥生賞を揉まれず外から一捲りという競馬は、サトノフラッグの様な典型ディープ産駒にとっては非常に走りやすいレース質でした。その弥生賞から初の一線級相手の多頭数の内枠では揉まれ弱い典型ディープ産駒にとっては楽→苦の臨戦であった点が理由の1つです。

そして2つ目は道悪の弥生賞をまくり切った疲労を残しての皐月賞参戦であったという点です。弥生賞馬が皐月賞で走って来ないというのは、外厩制度が整い、ぶっつけでも臨戦態勢に持っていくことのできる現代競馬においては至って自然な流れと言えるでしょう。
ただその弥生賞が昔からダービーと結びつきが強いというのもこれまた自然な流れと言えます。例をあげて見ても・・・

18年 ワグネリアン
弥生賞 2着→皐月賞 7着→ダービー 1着
16年 マカヒキ
弥生賞 1着→皐月賞 2着→ダービー 1着
15年 サトノクラウン
弥生賞 1着→皐月賞 5着→ダービー 3着
09年 ロジユニヴァース
弥生賞 1着→皐月賞 14着→ダービー 1着

過去10年でもこれだけの馬が、弥生賞で激走を見せた事で疲労を残した馬が、間隔詰めの皐月賞で凡走。その疲労を凡走によって吐き出す事で、ダービーで一変するという戦歴を辿っているんです。

この事からも、皐月賞の凡走によって、弥生賞の疲労を吐き出したサトノフラッグのダービーは巻き返しの番になってくるでしょう。皐月賞の上位2頭は休み明けで2頭ともに馬体を減らしながらの壮絶な叩き合いでストレス・疲労を少なからず抱えているはずです。それに対し、サトノフラッグはストレス疲労を完全に吐き出した状態で、いわばストレス・疲労の面では皐月賞と真逆の構図になっているのが今年のダービー

弥生賞の勝ちっぷりはもちろん、血統面、2,3戦目の好時計からも高速馬場対応はなんら問題なし。枠がやや外目な点は気になりますが、武豊への乗り替わりでしっかり強気の先行策をとる事ができれば、ここは巻き返し必至、あるいが逆転まであると見ています。

ワーケア(C.ルメール)

父ハーツクライ 母父Oratorio

適性A 臨戦A

その弥生賞からの直行でダービーに挑むワーケア。

その弥生賞を含むここ2走の中山で見せたワーケアの走りは、サリオスとは異なるこれぞ"典型ハーツクライ産駒"といった内容でした。

2走前のホープフルSでは終始後方からの追走となり、差し届かずの3着。1角手前でラインベックの斜行の煽りがあったとはいえ、この時期のハーツクライ産駒らしいテンのダッシュ力が無いという弱点を露呈したレースでした。コーナーでの加速に難がある為、中山では直線だけの競馬になってしまい差し届かずのレースになってしまうのは、まさにサリオスの見解であげた、ワンアンドオンリー、スワーヴリチャードと重なります。
そして前走の弥生賞もやはり先行策を取る事は出来ず、直線だけの競馬で脚を余し2着に敗れました。

この様な、テンのダッシュ力不足と不器用さという弱点を抱えた"典型ハーツクライ産駒"が、『広い東京への延長』で前に行く位置取りショックを決め激走を見せるのが日本ダービーというレースです。


ハーツクライに高速馬場◎のDanzig系の母父を持つ事からも、東京の高速馬場替わり大歓迎の血統構成。持ち味がまるで活かせない皐月賞をパスした陣営の判断は見事だと思いますし、この様な異例のローテでしっかり結果を出してくるノーザンF(天栄)であれば、状態面に関しても心配は無用でしょう。絶好の2枠3番を引き当てた今回は大幅にパフォーマンスを上げてくる可能性が高い一頭と見ています。

以上、日本ダービー 有力馬見解でした。
◎は、これだけ2強とのオッズに乖離がでるなら、恐らくサトノフラッグかワーケアになると思います(笑) 紐で押さえたい穴馬候補も何頭かいるので、ぜひ土曜夜or日曜朝更新の最終予想もご覧いただければ幸いです。

今週も競馬頑張りましょー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?