007酸性度グラフ

<番外編>野地先生の診察室(後編) /歯科医師・野地一成の「維持論」

[※この記事はどなた様も全文、無料で読めます。]

歯のメンテナンスを軽視していて、歯の状態がとんでもないことに……。

若い頃に虫歯が多かったのに、歯に対する意識レベルが低いままで、ついに大事な奥歯を1本失い、さらに他の歯も痛み出してしまった『ビジネス発想源』筆者の弘中勝。

2012年に『ビジネス発想源 Special』にて『歯科医師・野地一成の「意地論」』を連載していただいた、東京都千代田区にある野地デンタルクリニックの野地一成院長に診察していただくことにしました。

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▼野地 一成 (のじ いちなり)

野地デンタルクリニック院長。歯学博士。東京都出身。2007年に地元の神田小川町にて野地デンタルクリニックを開業。2010年より母校の日本大学松戸歯学部薬理学教室兼任講師。臨床歯周病学会、スタディグループ救歯会、臨床歯科を語る会所属。発表論文も多数。2012年、『ビジネス発想源 Special』にて『歯科医師・野地一成の「維持論」』を連載。

野地デンタルクリニック

・公式ブログ「のじでんのひとりごと

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「維持論」の「番外編」として、実際に野地先生の診察を受けた「野地先生の診察室」をお届けします。今回は前編に引き続き、後編です。

これはインタビュー記事や対談記事ではなく、れっきとした「診察」で(弘中は保険証を提示し、診察料も払っています)、その後も同院で治療することになりましたので、皆さんも実際に初めての歯医者さんに行かれた気持ちで読んでいただければと思います。

1回目の初診と2回目のカウンセリングの内容を掲載していますが、野地先生も私も読者へのコンテンツのためではなく、普通に一医師と一患者としての対話をしているものを文字起こししただけなので、文字だけで読む読者の皆さんには分かりづらい説明や表現などもいろいろあるかと思いますが、その点はどうかご了承ください。


-診療2日目。野地デンタルクリニック、カウンセリングルーム。

「前編」の内容の続きです)

野地先生:弘中さんの場合だと、10年に1本ぐらいのペースを考えるとリアルかなと。

弘中:これから10年の間に、あと1本無くなる計算なんですね。

野地先生:根拠もありまして。この図を見てもらえますか。

野地先生:これはパーセンタイル曲線というものなんですが、これは横軸に年齢があって、縦軸が本数なんですが、右に行くほど下がっているということは…。

弘中:年齢と共に、歯の本数が減っていくということですね。

野地先生:そうです。そして線は何本もありますが、同級生の間で自分がどの位置にいるのかが大雑把にわかるグラフなんです。弘中さんの年齢と、機能してない親知らずも入れた本数だと、上から3本目のグラフに当てはまりますね。

弘中:えっと、「25」って吹き出しに書いてあります。

野地先生:そうですね。25パーセンタイルというのはつまり、同級生の間で100人中25番目の位置にいるということです。まあ悪くないんですね。そしてこの先に行くと、10年で1本失って、それでもまだ25番目ということになります。大事なのはまず、ご自分がこういう位置にいるんだなということ、10年間で1本を失うかもしれないんだなということを覚えていてほしいんです。そしてその1本を失わないために、生活習慣の改善やメンテナンスを行うことが必要になります。

弘中:はい。

野地先生:それで真ん中の赤い線は20本のラインですが…

弘中:赤色の横線ですね。20本の歯が残っているというのは、何かの目安なんですか?

野地先生:20本というのは人間が最低限自力で咬むことができる本数なんです。「8020運動」(ハチマルニイマル運動)という、80歳になっても20本以上の歯を残そうという運動があるんですね。この20本を守るために、その10年間で1本失うというスピードを一緒に頑張って遅らせていきましょう、というのが当院の考えです。

弘中:無くなったものはすぐ補えばいい、というわけではないんですね。

野地先生:はい。先ほども申しましたが、「無くなったもの」には無くなった「理由」が必ず存在します。その理由の解決なくしては、根本的な解決は成し遂げられません。そして、今から説明する4つのことをこれから守っていただけると、その歯を失うスピードを少なくすることができます。

弘中:はい。4つですね。

野地先生:まず1つ目が「セルフケア」。セルフケアというとお手入れのことだと思いがちなんですが、これは日々の食事も含まれているんです。虫歯ってどういう風になるか、ご存知ですか?

弘中:えっと、プラーク?がついて…、それから…

野地先生:そう、まずプラークが付着するわけですね。プラークはバイ菌の塊ですが、歯の表面に歯垢、つまりプラークがついて、食べたモノを利用して細菌が酸を出し、歯を溶かします。何が溶け出るかというと、カルシウムとリンです。そして、ちょっとグラフを描きますね。(手元の紙にグラフを描く)

野地先生:横軸に時間(t)をとって、縦軸に酸性度を取ります。だいたい唾液って中性なんです。

弘中:中性は、pH7のラインですね。

野地先生:はい。何も食べていない時は7を維持していて、食事をすると(a)、食べたモノを利用して酸が出て、酸がだんだん強くなります。

弘中:酸性のほうに下がっていって…。

野地先生:ある一定のレベル、5ぐらいと言われているんですが、これを超えて下がると歯が溶け出します。でも唾液には緩衝(かんしょう)といって、酸を打ち消して中性を維持しようという力があるんですね。だから再び7のラインまで戻ろうとする。この線より内側のこの面積(b)が「脱灰」といって歯が溶けて出ていく時間帯、こっち側(c)は「再石灰化」といって歯が元に戻ってくる時間帯です。この面積が等しい人(b=c)は、カルシウムとリンが出入りを繰り返すだけなので、歯に穴が開かないんです。

弘中:じゃあ、穴が開くという人は…。

野地先生:溶け出る時間の方が多い(b>c)ということですね。また、寝ている時は唾液の出が悪くなるので、この戻り方の線が長くなってしまうんです(d)。そうなるとこの面積が下に向きっぱなしという可能性が大きいことになります。

弘中:だから寝る前に歯を磨くのが大事と言われているんですね。

野地先生:そうですね。そして、ちびちびダラダラ飲食をやらないほうがいい。ずっと下がりっぱなしになりますから。お子さんは特に一回の食事が少なく回数が多めになりがちなので、飲食の回数をダラダラ繰り返すことで穴が開きやすくなります。

弘中:じゃあ極端な話、例えば甘いデザートなんかは、食事を終えて1時間ぐらいして小腹を空かせて食べようとするよりも、コース料理のデザートみたいに食事の後すぐに食べるほうが理論的にはいい、ということでしょうか。

野地先生:食後に磨くことが前提ですが、その通りです。甘い物でもメリハリをつけて、食事の直後のデザートとしてとってその後に歯を磨く。その後は次の食事までは口に何か入らないようにする。そういった注意をすることで、虫歯のリスクを下げることができます。

弘中:僕は仕事場で作業中の時は常にコーヒーを入れていて、頻繁にちびちび飲んでるんですけど、これはまずいということですか…?

野地先生:ブラックで飲まれていますか?

弘中:あ、ブラックです。砂糖とかは入れないです。

野地先生:糖分がなければ別に構いません。ブラックコーヒーや緑茶、無糖のアイスティーとかだと問題ないです。でも甘いものではなくても、例えばおせんべいとかはでんぷんでできているから、噛めばブドウ糖に分解されるので、糖分を取っているようなものです。

弘中:せんべいもよく食べますね…。気をつけます。

野地先生:歯を失わないための2つめは「噛み合わせの維持」です。歯というのは奥から上下2本ずつ、1対ずつで噛み合っている左右の奥歯の8箇所を失うと、人間は縦方向に歯の高さをストップすることができなくなり、自力で食べられなくなります。また歯が存在していても、上下の歯が接触する点は日々年々変化して行きます。

弘中:すり減ってきたりする、ということですか。

野地先生:それもありますし、例えば歯が動いたり、金属で作った歯がつぶれたり減ったりということもあります。例えばパラジウム合金、レジン、アマルガム合金、セラミック合金など異なる種類の詰め物をしている人は、それぞれの材質ですり減っていくスピードが違うから、歯と歯の接触する場所が複雑に変化していきます。口の中は意外に劇的な変化を起こしていますから、歯医者さんが長くチェックしていくことが大事なんです。

弘中:だから、かかりつけの歯医者さんって重要なんですね…。

野地先生:はい。そして3つ目は「力へのケア」。これは難しいところで、弘中さんの場合は下顎角といってこの部分(D)の骨の角度、かなり急なんですね。

野地先生:文献的には、ここを120度を切るような鋭角になると噛む力がかなり強いですよということになっています。このレントゲンの撮影の仕方により少し変わりますが、大まかに大きな誤差はでないという論文結果がありまして…。そしてこの関節頭から近い歯はやられやすく、最初に失いやすいのはやっぱり、弘中さんが抜かれたというここの歯なんですね(C)。今の年齢でこの歯を失っているということは、力の問題がけっこうあると見ています。

弘中:料理を食べる時の噛む力が強すぎるということでしょうか。

野地先生:食事でも負担してすり減るでしょうけど、寝ている時とか集中している時などにギリギリと噛んでいる癖があるのではないか、ということです。

弘中:あ、夜に歯ぎしりはしていると家族に言われます。日中も普段から、なるべく口を閉じるようにしているんですが、よく唇だけではなく歯も合わせてしまってますね。

野地先生:携帯電話とか車のウィンドガラスなどよく見るものに何か目印のシールを貼っておいて、それが目に入ったら上と下の歯が当たっていないかとチェックして意識して口を開けたりしてリラックスするといいですね。夜間に関しては、マウスピースなどで上と下を当たらないように保護したほうが、歯を失うブレーキになります。

弘中:分かりました。マウスピースはよく売ってますね。

野地先生:最後の4つ目は「1〜3をメンテナンスで見る」ということです。メンテナンスと聞くとクリーニングというイメージがあるかもしれませんが、口の中の変化を見たり、普段のお手入れの状況を聞いたりすることも含みます。歯医者さんに怒られるんじゃないかと思って嘘を作ってもしょうがないので、磨けてない時は「磨けてないです」と正直に言ってもらえたほうが、ではなぜ磨けないかを一緒に考えられます。

弘中:そう、怒られそうで、つい「大丈夫です」とか言っちゃうんですよね。

野地先生:歯医者さんに行くと「歯ブラシをちゃんとやって下さい」と言う先生は多いですが、「なぜ磨きづらいのか」というところに踏み込んで考えてくれる先生はなかなかいないかもしれません。でも先ほどの「セルフケア」「噛み合わせの維持」「力へのケア」の3つをチェックするという体制を歯医者さんと作ると、歯を失うスピードを減らすことができるでしょう。

弘中:何が何でも歯の本数を若い頃と同じ数に戻しておかなければならない、というわけではないんですね。

野地先生:例えばこのパーセンタイル表で、50歳で25本という方がいたとします。75パーセンタイルの線の上だから、同級生100人中75位と言うことになります。

弘中:下から3本目の線ですね。

野地先生:平均の歯年齢が50パーセンタイルだとすると、この方は60歳相当のお口の中と言う事になりますが、セルフケアとメンテナンスで25年後、75歳となった時に1本も失わずに推移したとすると…。

弘中:下から3本目の線じゃなくて、下から5番目の線になりますね。

野地先生:そう、必然的に25パーセンタイルにまで上昇し、実年齢75歳にくらべて60歳相当の歯年齢というふうに、逆にお口の中は相対的に若返ることになるのです。多大なデメリットを背負って若い頃と同じ本数に回復しなくても、若返ることができるわけです。

弘中:ほんとだ! そうですね。

野地先生:「歯が大事」って皆さん、よく言いますよね。歯が大事だというのは健康でありたいからだと思うんですけど、じゃあ歯が1本無いから健康じゃ無いかと言われると、そうでもないですよね。

弘中:…ああ、そう言われると!

野地先生:弘中さんが人生の中でやりたいことをする時間というのは「健康」でなければならない。「歯があって咬み合わせが維持できている」というのは、そういう健康な咬みあわせの状態が維持できていることによって健康を維持できる一端を担っているにすぎません。1本も失っていない状態を得るために行う治療にどのようなデメリットがあるか? このデメリットとのバランスが診断する診断する上でとても重要です。

弘中:なるほど…。前に行った歯医者さんでは躊躇なく奥歯を抜かれて容赦なくインプラントを当然のように勧められたので、歯医者さんの考え方もいろいろなんだともっとよく理解しておくべきでした。

野地先生:元あった最初の状態を全部維持しようと努力する歯医者さんもいて、それはそれで一つの考え方でいいとは思うのですが、治療の内容によっては、先生も大変だし患者さんも大変です。そして元の歯での咬みあわせと全く同じにはなりません。それに、歯を失った部分に骨を作ってインプラントを入れるという話になっても、その歯を失った大元の原因を患者さんには置いてけぼりで元に戻されるということもあります。

弘中:はい。

野地先生:なぜ失ったかというところに目を向けないと、いかに頑丈に作ったものでも後戻りしてしまうと思うんです。最初の状態に戻したいのであれば、まず大元の原因、つまり生活習慣やメンテナンスなどが解決できるのを確認してからでも遅くないです。経験上欠損をお持ちの方が、大元の原因の解決するのに要する時間はかなり長いことが多いです。人によっては何年もかかります。。

弘中:前に治療した時も、詳しい原因までは聞かれず、インプラント勧められました。

野地先生:なんとかしてゴテゴテと最初の状態に一生懸命やりたくなるものですが、それがかえってご迷惑をおかけすることになるものです。

弘中:やらなくても大丈夫なことをやらなくて済むなら、そっちのほうがいいですね…。気がラクになりました。

野地先生:ただもちろん、やらないといけないことはありますよ。右下のこの歯(E)は神経が恐らくなくなるほどの深い虫歯なので、根の治療をしなければなりません。

野地先生:虫歯を取り除いて唾液が入らないような土手を築いて、その日のうちに仮の歯を作らないといけません。そうしないと小さいヒビが入りやすいんですね。

弘中:ヒビ…。

野地先生:噛んだ時にはどうしても歯に力が加わります。神経を失うと、特に奥の歯の場合は構造的に4割近く強度を失うので、今すぐには起こりませんが、仮の歯を入れずに根の治療をすると顕微鏡レベルのヒビが十数年かけて成長していって最終的に折れるということになりがちです。特にこの前の根っこがわりと折れやすいと言われているので、治療中はこれを防止するために仮の歯を入れる、ということをします。

弘中:はい。

野地先生:そしてきれいに治して、修復物、つまり被せ物についてセラミックを入れるか何を入れるかというのはまた後ほど検討して頂きますが、人間の歯は7回治すとダメになってしまうと言われています。そういうことも考えて、後ほど相談しながら選びましょう。

弘中:はい。お願いします。

野地先生:虫歯かもしれないというのが、ここ。親知らずの横ですね(F)。

弘中:真ん中あたりに親知らず側から黒い影が食い込んでいるような所ですか。

野地先生:はい。ただ、ここはレントゲンだけでは確証が取れなくて、経過観察しておけば大丈夫という可能性もあります。もしここが虫歯で、治療をするとしたら、親知らずも抜歯する必要があるし、神経の空洞のすぐ近くなので、取り除くと歯のここから先は全部使い物にならなくなります。

弘中:確証の取れないうちはリスクが高いということですね。

野地先生:そうですね。前にも言いましたが、この歯と親知らずは運命共同体と考えて、親知らずは抜歯せずに取っておきます。この歯がもし万一だめになった時は、この親知らずを抜くことになるんでしょうが、これがあるのとないのとでは大違いで、親知らずをこの歯の位置に移植や矯正治療、もしくは簡単な誘導でもってこれるチャンスがまだあるということですね。だからしばらく様子を見させて下さい。

弘中:いざの時のためにですね。

野地先生:そして、今度はこちらの親知らずの横(G)。ここは先ほどとはニュアンスが違っていて、下歯槽神経という大きな神経にかなり近接しているので、抜歯する時にその神経を損傷するとマヒが起こる恐れがあって、それを押してでもここを抜くというメリットはあまりないと言えます。移植をするということは、移植をした以上にもっといいことがあってほしいので、そのリスクを負うことを考えると移植の選択肢は今はちょっとないですね。上の親知らず(F)とは、残す理由にそんな差があります。

弘中:なるほど。分かりました。

野地先生:次に、プラークの話なんですけど、弘中さんは見た感じ、意識して歯磨きされているとは思います。プラークってどこについているのか、どうやったら分かると思いますか?

弘中:茶色のところとかですかね…。

野地先生:目で色を見るってことですか?

弘中:コーヒーをよく飲むので、鏡で見たらコーヒーの色で分かるのかなと思って。

野地先生:プラークは色も透明に近いし、また鏡では見えない角度の部分もありますからね。色よりも、ざらつきというかブツブツザラザラ感があるかどうかです。舌触りで触って把握するといいですよ。

弘中:あー、舌先でなんとなくザラつきを感じるのは分かります。

野地先生:ただ、それが本当にプラークかというのは目で確認してみるのは大事なので、赤染め液というものを使うんですね。

弘中:歯がホラー的に赤くなるやつですよね。赤くなって分かりやすくなるんですよね。

野地先生:そうなんですが、大事なのは、赤染め液で染める前にもよく見てみることです。「ここにプラークがついているんだろうな」という事前の予想と赤染液の結果が違っていないかどうかが大事なんですね。赤染液で何回かやってみると、意外とそれが分かるようになるんです。

弘中:そこまで慣れてくるんですね。

野地先生:何かスポーツはされていますか?

弘中:いや、特には…。

野地先生:じゃあ、車の運転を例にしましょう。スポーツも同じですが、車の運転も、初めて乗る時はいろいろ頭で考えますよね。でも野球なら何度も素振りしたり、車なら何度も運転したりしていたら、難しく考えなくても反射神経的な一連の動作になる。それに近いものがありますね。

弘中:余計な思考は無くなりますよね。

野地先生:そう。歯ブラシをどう当ててどう磨いたらプラークが落ちるかということも、赤染液を3回ぐらいやってみると分かるようになるんです。最初は考えて試行錯誤を繰り返す。どうして今までのやり方では落ちなかったのか? 落ちるやり方はどんな風に当てたらおちるか? 落ちるやり方を見つけたらそれを何秒間ぶらさず、次に移らずに維持しないと落ちきらないのか? そもそも赤染液の色が落とせたら、プラークは落とせているのか? などなど。頭で考えて最初は試行錯誤する必要があります。そして頭で考えなくてもできるようになるまで繰り返し、繰り返し、繰り返し練習するんです。

弘中:ほんと、スポーツや運転の練習と同じですね。

野地先生:そして自分の試行錯誤で覚えたことって、認知症になっても覚えているものなんだそうですよ。認知症になる前に歯ブラシをトレーニングされた方は、認知症になっても歯ブラシができるんだそうです。

弘中:それぐらいまで習慣化されるってことですね。

野地先生:ええ。人の歯はそれぞれ形が違っていて歯ブラシの当て方が違うから、基本的な当て方をマスターした後は自分の歯並びに合わせた磨き方の技術と知識が必要になります。自分で試行錯誤をして自分で気づいたほうがいいんです。そして、自己流の磨き方ができた後に、4ヶ月か半年ぐらいの定期検診で我々をチェック機構にしてもらって、ここが磨けてませんよということを聞きながら修正していけばいいと思います。歯磨きの話や磨けてないという話は面白くなくて煩わしいなと思うかもしれませんが、「あ、できてないんだな」というチェックなんだと気楽に思ってもらえれば。

弘中:はい。頑張ります。

野地先生:それでは、次回から治療をしていきますね。根の治療は恐らく3回もあれば終わると思います。あとは詰め物を入れて、虫歯の可能性のある親知らずの横の部分は、注意深く様子を見ていきましょう。そんなところですね。

弘中:はい。

野地先生:それでは、今日はここまでです。お疲れさまでした。

弘中:ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


-弘中、退室。3日目より根の治療に入る。かぶせる歯はパラジウム合金(健康保険)、PGA(白金加金)、オールセラミクス、MB(メタルボンド)の選択肢の中から、PGAを選択。


--番外編「野地先生の診察室」、後編はここまでです。

これより、弘中は野地デンタルクリニックに通院して治療を完了しました。野地先生の治療は、これまで弘中が様々な歯科医院で受けてきた口内の治療痕と比べるとそのレベルはケタ違いで、非常に高度な治療をして頂きました。

とはいえ、「どれだけ治療レベルが高くても、人間がもともと持つ歯にはかなわない」と野地先生がおっしゃるように、もっと日頃から歯のメンテナンスの意識が高ければ、ここまで元々の歯を失うことはなかったし、それにかかる通院時間や治療費も発生しなかったはずです。日々の意識が低いというだけで、それだけ多くのデメリットを生んでいることになります。

その日頃の維持管理の大切さが、今回の野地先生の初診の内容を読んでも大いに分かっていただけたのではないでしょうか。いや、頭では分かったとしても、やっぱり今痛みの瀬戸際ではない時にはなかなか危機感が生まれてきませんよね……。

今回の「番外編」を通して、一人でも多くの方が、経営のあらゆるものにおいての維持管理メンテナンスの大切さを知り、また歯を生涯なるべく失わないようになると、とても嬉しいです。


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※この記事はここまでです。購読料は250円となっていますが、これはこれまでご覧下さった方に委ねる「投げ銭」ですので、無視して頂いて構いません。もし「自分も診察料のつもりで、投げ銭したい!」という優しい方はどうぞ。

※今回の「番外編」の内容は、『歯科医師・野地一成の「維持論」』本編を読みながらご覧いただければ、何倍もその有用性が理解できます。よろしければぜひ、本編のご購読もお願いいたします!

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