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忍殺復帰前に「スズメバチの黄色」を読んでみる(6)

こんばんは、望月もなかです。
第三部を半分くらい一気に読みました。このペースだと次回で読み終わりそうな気がします。一気に読むと書きたい感想を全部書くわけにはいかなくて取捨選択が必要になってしまうのがもどかしいですね。具体的にはチバ=サンに縁の厚い伊達メガネかけてほしいしそれを火蛇に見繕ってほしいとかそういうことを書けませんでした(書いてる)

前回の感想はこちらです。

◇◇◇

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・ニンジャスレイヤーは第一部の3巻くらいまでで止まっています。面白かったのですが諸事情ありまして5年前に一時的に中断。そろそろ復帰したいと思っていました。
・いわゆる忍殺用語(イヤーとかグワーとか)はまあまあ慣れました。びっくりはしません。でも使いこなせません。
・夫曰く「軽度ヘッズ」。
・『スズメバチの黄色』は忍殺用語が(最低限しか)使われていないので、復帰するなら慣らしにいいよといわれて手に取りました。

【前提2】感想の方針

・その日読んだところまでの感想を書きます。
・目次に章題入れますので、読書中のネタバレ対策にもどうぞ。
・読まなかった日は更新しません。
・忍殺世界の知識は、第一部中盤あたりまでで止まっています。理解してなくても見逃してください。

◇◇◇

第三部 スズメバチの黄色
【黄の命日】~【混戦】まで

チバの指揮で裏切りの証拠を押さえ、《デッドスカル》との戦争はなんとか阻止できた火蛇たち。しかし蟲毒は諦めず反撃に出る。一方、チバを追っていた《武田》のニンジャは反則技で情報を集め、ついに大熊猫のもとに現れる。間一髪で火蛇とアサシンが助けに入るが、ニンジャとの力の差は圧倒的で……。というところまで。怒涛の展開です。

きゃーなんということでしょう火蛇くんの腕がすっぱり。はわわーたいへんですー(>_<)(大熊猫のマネ)
(望月は可愛くない読者なので、あっつまり恩師の最強サイバネ義手「スズメバチの黄色」が火蛇のものになる!? タイトル回収!やったやったカッコイイーヒューゥ!と思いこみ心配どころか盛り上がっています)

で。

「灰皿代わりかよ……」
 その横を通り過ぎながら、火蛇は胸糞が悪くなった。
『>_<』
 大熊猫も思わず目を覆っていた。(p.164)

 『>_<』←これなに??

かわいい、えっいや、え、かわいいね……!?

「やれ」って言われなかったからやらなかっただけで、「やれ」って言われたらどんな警備も次々無効化にしてロックを開けていく大熊猫に痺れていたら突然の『>_<』

かわいすぎてもはや罪に問うべきだと思うんですけどこれ。かわいい罪。20ウインク以上30添い寝以下の罰金。なにをいっているのかわからねえと思うが大丈夫です自分でもわかっていない。

ちなみにですね

(ワオ)遠く離れた飯店では、盗聴を続ける大熊猫が口に手を当てていた。(裏切り者、これで全員わかっちゃった……!)(p.215)

これも罪に問われると思います。(ワオ)って。なんですかそれ。カワイイにもほどがあると思う。かわいいね……50添い寝以上100ケーキ以下の罰金だよ……。

いや大熊猫かわいすぎません!?!?

そのうえ【大熊猫】で火蛇への巨大感情がこれでもかと書かれてしまうし私はもうだめです。これ実質『流星の篝火』(※あんスタ転校生の戯言)じゃないですか大熊猫にとってこの世界は「ぼくのだいすきな『ヒーロー』」と出会ったからこそここにある。

「俺のダチに何してくれてんだ……?」に「火蛇ァ、う、嬉しいけど」って言っちゃう(p.235)のもすごい、もしやこの本のヒロインはパンダだった。パンダヒーローじゃなくてパンダヒロインだった。デーデデデーデデデッデーデーデーデデデーデデデッデー

それにしてもニンジャつおい。

なんか思った以上に圧倒的な差があって【脳外科医】さんに勝てそうなプランが思いつかないんですけどどうすれ……あっ、いた。思い出した。氷川がいました。情報あっさり取られまくったちょろい氷川くんが。

大好きな火蛇の腕を奪ったニンジャなんてドーモ殺します案件ですね。じゃああとはぼくらの氷川くんがやってくれる。ハイ解決! がんばって!(氷川がニンジャじゃなかったらどうしよう)

でもそんな大好きな火蛇くんはチバ=サンにもらわれていったのでもう一緒に《KATANA》でキャッキャウフフはできないんですごめんね氷川くんって気持ちにもなるわけで。

【企ての絵図】の章凄くないですか。

前回の感想でも書いた通り「チバはずっと火蛇=自分の部下である(将来的にそうするつもりである)という前提で接しているし教育しているし話しかけている」と思いながら読んでいたので、

「お前は面白い奴だ。今時珍しい。お前みたいな奴を部下にしたいと常々思っていた」(p.184)

でよっしゃよっしゃよっしゃ! とガッツポーズをしました。
そこから始まる怒涛の口説き文句。チバくん私が思っていたのの1000倍くらい火蛇のこと気に入ってるぞよって真顔になってからにやにやしました。

ぶっちゃけこの章まるごと、ラオモト・チバから火蛇に対する「I Want you」なんですよ。「お前が欲しい」「わかった、やるよ」という章。

なお、「I need you」じゃないのがミソです。これは蟲毒が火蛇に求めていることです。

チバは火蛇が必要なわけじゃないんです。ただ「ほしい」んですよ。

「よかろう。だが火蛇、お前の役目は荒事だけではないぞ」
 チバは心底嬉しげに笑みを浮かべていた。
「ん?」
「おまえと数日いっしょに暮らしてわかった。おまえには語りの素質もある。声もいい。蟲毒と通話した時の演技もなかなかのものだった。(略)それはヤクザにとって重要な能力のひとつだ。……あとは胸を張れ。そうすればその力は何倍にもなる」(p.187)

告白にオッケーもらってめっちゃ嬉しくなったチバくんかわいい。

でもそれで終わりじゃなかった。俺様彼氏がさらに褒め言葉をたたみかけてきた。ラブコールが熱い。すごい。ヒエエ。もう逃げられない。

そういえばミルチャのいい女っぷりを説明するときに「器量が良くて包容力があり、書道も上手い。」(p.127) ってあったときは(なぜ書道?)って悩んでいたんですけど、ようやく「達筆=社会的信用度」というネオサイタマの世界観が提示されてほっとしました。なるほどです。

ただ「火蛇は漢字が書けない」って出てくるところがまだちょっとわかっていなくて、漢字を読めて文章中に自然に取り入れられる(チャットメッセージでは漢字を使うことができる)のと、実際に「書道」で紙にその字を書くことができるのは全然別の問題ってことでいいんでしょうか。うーん、そもそもこの世界にいるとあまり直筆で文字を書くことってなさそうですよね。「直筆」で文字を書くことは、昔の日本でいう漢文の素養みたいな上流階級の教養的なものなのかな、となんとなく読んでて思ったんですけど。どうなんでしょう。カンバン見た感じひらがなとかカタカナとか(あと何語でしょうか? ヒンディー語?)も使われていますし、なぜ漢字だけが特別なのか、(というかそもそもひらがなとかカタカナとか漢字とか以前に元々は英語の小説なんですよね?)私の思っている日本語とネオサイタマで使われている日本語ってなにかニュアンスが違うような気がするんですよね。文字と電子情報と識字と直筆との重要度のはかり方もわからない。まあこれは些細な問題ですし、それ以前の問題でわからないこともいっぱいあります。ヘルガおばあちゃんが子どもたちの無事をブッダに祈っている傍らで火蛇は「ブッダに尻を差し出した方がマシ」とか言っているところとかが特に。ネオサイタマにおけるブッダとはいったい……。

そのほか今回の戸惑いポイントなど。

アイエエエエエが増えた。

ここまで読んだ人相手にならそろそろ大丈夫だろうって思われてませんか。急に増えたぞアイエエエエエ。(実際大丈夫なんですけど)

花魁の改造。

四本腕の需要はわかります。でも紫肌の需要がわからない。需要あるんでしょうか。夜に呑みこまれていくみたいでたまらないの?

富士山型の寿司桶

どういう形状なんだ。

涅槃スイッチ ゼンめいた電子音楽をBGMに 電子天界のデジタル・オーディン

考えるのをやめました。

こんなところでしょうか。

あとは最後までまっしぐらですね! 火蛇の腕はちゃんと黄色くなるのか、チバ=サンは欲しいものを手に入れてどこに行くつもりなのか。いろいろ気になることばかりです。楽しみです。

ではでは、また明日か明後日にお会いいたしましょう!


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