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ホワイトデー特設会場で、思わず二度見した

東北の地方都市に住んでいる。

バレンタインデーやホワイトデーのおしゃれなチョコレートがほしいなと思うと、イオンか地元デパートのイベント特設会場を見に行く。エキナカとかショコラトリーとかあればいいなと思うが、ないものはない。

バレンタインのチョコレートは、とにかくおしゃれだ。
イオン=娯楽といってもいい田舎では、都会の洗練されたデザインの奔流をここまでふんだんに浴びられる機会はそうないんじゃないかと思う。

バレンタインデーが終わっても、今度はホワイトデーが待っている。少し春めいたデザインの、華やかなお菓子の箱。見るだけでうきうきする。
……というわけで、特に買うわけではなくても、この時期はちょこちょこと特設売場を覗く。

数日前。
今はホワイトデー直前、さぞや可愛いお菓子でいっぱいだろう……、と、足を向けたところで、ん? と首を傾げた。
とりあえず会場を一周して、やっぱり気になったので、戻る。

思わず二度見したくもなる。

一部の棚で、バレンタインのときと、まったく同じ商品が陳列されている。
その棚にある商品は「星の王子様」をモチーフにしていて、明らかに「自分へのご褒美層」を意識した女性向けデザインだった。そして、バレンタインデーのころからこの棚はあった。自分のためにと買ったから覚えている。

値引きされていないから、売れ残りというわけでもなさそう。

ええと、つまりつまり。
引き続き、「ホワイトデー向け」のラインナップとして、売られているのだ。確かに女性向けだから、ホワイトデーに贈られても全く違和感がない!

いやしかし、初めて見たぞ!
こんなことがありえるのか?

自分の目が信じられなかったので、後日、地元デパートの特設会場にも寄ってみた。
するとそこでも、同じだった。

バレンタインデーのときに見かけた商品の一部が、引き続き、「ホワイトデー向け」のラインナップとして売られている。自分用に買ったから覚えている。(ええ、あちこちでたくさん自分用に買ったのです!)

もうこれは、「そういう戦略」なのだ。

感心した。

ホワイトデーの贈り物を選びにくるだろう男性陣は、バレンタインデーの前に、この特設会場に来ていない可能性が高い。だってもらう側だからだ。
メーカーも、気合を入れて送り出した素敵デザインチョコレートの数々が、2/14を過ぎて売れ残っても、すぐに在庫処分しなくていい。

考えてみれば、こんなに効率的なこともない。

すごいなーすごいなー。

それとも都会の方では以前からあった現象なのだろうか。去年までも普通にあったけれど、私がぼんやりしていて気がつかなかっただけかもしれない。(それはそれでありえる)
なんにしてもびっくりしました。

とりあえず、バレンタインデーのときに気になっていたけれど買わなかったチョコレートが、三月になっても入手できるのなら最高! である。願わくば来年以降もこの流れが続きますように。

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