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マスタークラス:ヴェネト州のワインとチーズ(赤坂サカス) (2019.07.06)

赤坂サカスでのイベント「イタリア・アモーレ・ミオ」にて、ヴェネト州のワインとチーズのマスタークラスに参加してきた。

赤坂、近くて遠い場所。一度若者に交じってIELTSの試験を受けに来たことがあるが...嫌な思い出しかない。しかし、今回は話題の産地Lugana(ルガーナ)についての情報を得るべく、意を決して参加を決めた。

プログラムの詳細は事前に参加者には通知されなかったので、ISOグラスが白いテーブルに並んでいて...というのを想像していたが、実際には一般向けの公開レッスンだった。

今日の先生は華奢な女性だった。スクリーンを見ると、 Mayumi Fukumura という方らしい。しかし、どこか見覚えがある顔だ。検索して思い出した、2012年のJETCUP優勝者だ。

当時購読していた「Sommelier」という機関誌に記事が載っていた。地域がイタリアに限定されているとはいえ、よくブラインドで土着品種を幾つも当てられるとものだ感心した記憶がある。

確かおっかない師匠に厳しく指導され云々と書いてあったが、そんな彼女も今や日本人初のイタリアワイン大使となったのだから、指導する側もされる側も只者ではないのだろう。

いよいよ講座が始まったが、初めに試飲したのはLuganaではなくDelle Venezie (デッレ・ヴェネツィエ)。こちらのDOC、平たく言えばFriuli-Venezia Giulia, Trentino-Alto Adige 及び Venetoの3州に跨り、Pinot Grigio(ピノ・グリージョ)から作られるワインに与えられる。

このDOCは2017年にIGPからDOCに昇格した。背景には急激に高まっているピノ・グリ人気があるようだ。私の周りも、特に女性は何が好きかと問えば、ピノ・グリと答える人が実に多い。尚、この日の資料によると、イタリアが最大の生産国で、Delle Venezieが生産量の80%を賄っているようだ。

肝心のワインはというと、可もなく不可もなくといったところだが、おつまみに出されたフレッシュなAsiago Frescoチーズとの相性は良かった。

そして、お待ちかねのLuganaのワイン。Lugana DOCはLombardia, Trentino-Alto Adige 及び Venetoの3州に接するガルダ湖の南部に位置するDOCで、使用される葡萄は Turbiana (トゥルビアーナ)。

この品種、多くの日本語のサイトでは、トレッビアーノ種のこの地方のクローンであるTrebbiano di Lugana(トレッビアーノ・ディ・ルガーナ)と紹介されている。しかし、WINE FOLLYによると違うようだ。曰く、Verdicchio(ヴェルデッキオ)。

早速テイスティングしてみると、直ぐにソービニヨンブランが思い浮かんだ。パッションフルーツに青草、ベルペッパーと、実にアロマティック。Asiago Frescoチーズとの相性も良かった。

最後に真打登場❢❢  Lugana Riserva。若いLuganaとは全く別物と言って良い。そもそもワインのベクトルが違う訳だが、これまでの2本とは格段に品質が違った。ナッティーな熟成香を纏い、ボディに厚みがあり、味わい深く、余韻も長い。熟成により真価を発揮したワインは、実に優美だった。

このワインは熟成したチーズ、Asiago Stagionatoとの相性も抜群だった。チーズに疎い私が例えるなら、❝シャリシャリしていないパルミジャーノ・レッジャーノ❞と言えよう。Asiago、名前すら聞いたことがなかったが、かなりの実力者だ。覚えておこう。

1時間も経たずあっという間にレッスンは終了した。帰りがけ会場のスタッフに一応聞いてはみたものの、Lugana Riservaは販売していないという答えが返ってきた。

「なんで売らないのよ💢」

傍にいたおばちゃんも同意してくれたが、買わずに帰るには惜しい逸品だった。


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