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自分の2023年を漢字一文字で表現してみる

2023年がもう終わろうとしている。本当はもう少し前にこれを書きたかったのですが、ぎりぎりになってしまいました。自分にとっての今年の漢字は「印」です。この一番の理由は、インドです。インドを漢字で書くと「印度」になり、一文字で表すと「印」になります。

今年は、かなりの比重でインドに関わってきましたが、歴史的にみてもインドに関わる出来事がありました。日本では、あまりマスコミで取り上げられなかったのですが、2023年はインドの年と言っても過言ではないでしょう。

1)2023年はインドの年

インドでは2023年にG20が開催されました。グローバルサウスの盟主として、共同声明をまとめ上げるのは至難の技と思われていた状況にも関わらず、インドは見事にまとめあげました。

そして月面着陸の成功。これは快挙でした。そして、今年、インドの人口が中国を抜き世界一に。これまで小学校から世界で一番人口が多いのは中国と教わってきた常識が、今年覆りました。またインド映画がアカデミー賞で作曲賞を受賞しました。これも快挙です。

今年、クリケットのワールドカップがインドで開催されました。残念ながら優勝はできませんでしたが、インドは世界ランキング1位の国としての実力を世界に見せつけました。また2028年のロサンゼルスオリンピックにもクリケットが公式種目として採用されることになりました。

科学、経済、文化の様々な分野で、インドが存在感を増した年だったと言えるでしょう。

2)インド大使館

今年は東京の九段にあるインド大使館に何度も通いました。いろいろとセミナーが開催されたからなのですが、20回くらい行きました。

インド大使館は、日本武道館や、靖国神社に近いお堀端にあります。大使館の施設は塀に囲まれていて、気軽には入れない雰囲気ですが、施設内に立派なオーディトリアム(シアター)があり、そこで様々なセミナーやイベントが開催されています。

また、今年は、ご縁があって、シビ・ジョージ駐日インド大使に招かれて、最上階にある執務室を訪問することもできました。ベランダからは武道館や千鳥ヶ淵の景色が一望でき、桜の季節の景色は壮観だったということです。

3)インドからの訪問者たち

今年はインドからも様々な方が訪日されましたが、その現場で立ち会うことができました。インド準備銀行総裁のシャクティカンタ・ダス氏や、グジャラート州のパテル首相、オディシャ州首相、ビハール州の政府関係者の方、インド東北地方の国会議員団の皆さんなど様々な方のお話を伺うことができました。

4)インド関係で著名人と会う

公益財団法人の日印協会という組織の会員になっているのですが、そこの主催の朝食会、昼食会などで、様々な著名人の方々のお話を聞くことができました。黒田日銀総裁、小野寺元防衛大臣、当時外務大臣だった林芳正氏、櫻井よしこ氏、上川陽子外務大臣などでした。

5)日印協会

日印協会とは、1903年に、大隈重信、渋沢栄一、長岡護美の3名が中心となって設立された団体で、日本とインドとの友好親善のための事業を行ってきました。

2023年の11月に新宿の中村屋で日印協会の会員交流会が数年ぶりで開催されたのですが、菅元総理やシビ・ジョージ駐日インド大使も出席されました。安倍元首相の後を継いで今年から菅元総理が日印協会の会長になっています。上の写真は私が撮ったものですが、こんなに近い距離で菅さんのお話を聞けるというのはすごいことでした。

6)日本で、世界で活躍するインド人経営者

日印協会の朝食会で、亀田製菓CEOのジュネジャ・レカ氏にお会いしましたが、今年は世界中でインド人経営者の活躍が光りました。

今年、スターバックスのCEOもインド人のラスクマン・ナラシムハン氏になりました。これ以外にもマイクロソフト、グーグル、アドビ、YouTubeなど世界の有名企業のCEOをインド人が務めていますし、英国のスナグ首相もインド人ですね。

7)話題になった印象派

今年は、いろいろな展覧会がありましたが、印象派は相変わらずの人気でした。私は、一昨年、原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』を読んでから、印象派には興味を持っていました。また数年前、シンガポールのナショナル・ギャラリーで開催されていた印象派の展示も鮮明に記憶に残っています。

「印象派」という言葉は、モネの『印象・日の出』(Impression, solely levant)という作品名から由来するのですが、英語、フランス語の"impression"という言葉と、日本語の「印象」という言葉が実にイメージが一致している気がします。

「印象」は心の中にイメージとしてくっきりと残すというような意味です。"Impression"も同じような意味の言葉ですね。

8)Hacoaのキーホルダーに印字

八重洲ミッドタウンにオープンしたHacoaのお店は、福井県鯖江市の木工ブランドなのですが、ここのキーホルダーがずっと気になっていて、いつか買おうと思っていたのですが、12月、ついに購入。名前を印字してもらいました。書体は選べたので、Century Gothicにしました。文字数の制限はなかったのですが、シンプルにしました。ささやかな贅沢です。

9)インボイス制度

「印」の漢字とはちょっと違いますが、読みが同じなので、「インボイス」も入れてみました。

今年の10月から「インボイス制度」が始まりました。私は個人事業主にはなっているし、「適格請求書」が発行できないと、仕事が発注できないケースも予測できたので、適格請求書発行業者登録をしました。消費税の納税などこれからどのようになるのかよくわからないこともありますが、何とかチャレンジしていきたいと思います。

10)インミン・ブルー

高校の後輩に日本画家の藤城正晴氏がいますが、彼から新たに発見されたこのブルーの話を聞きました。オレゴン大学の研究室で、偶然に発見された青だということです。Yはイットリウム、Inはインジウム、Mnはマンガンを意味しているそうです。この顔料を藤城氏が日本画に取り入れ、発表したのが「色景」というシリーズ。インミンブルーの青がこの画像だと十分に再現されていないのですが、青と白のミニマルな世界の中に、よく見ると白い雲のリアリティーが再現されているんですね。

北斎が彼の作品に取り入れた「ベロ藍」という色は、もともとはプロシャ(今のドイツ)の研究室で偶然生まれたプルシャン・ブルーという青でした。インミンブルーも絵画の世界で革命を起こしてほしいと思っています。

11)インベージョン

インベージョン=侵略も今年の重要なワードでしたね。ロシアとウクライナはいまだ決着がつかず、今年は新たにハマスとイスラエルの問題が浮上しました。長い歴史的背景があるので、簡単には片付かない問題です。

ところで、「印」という漢字の起源を調べてみました。

一番左の甲骨文字の解析では、この文字を「人を力で押さえつける仰臥させる行為」と定義しています。左上の三本の指のような形は「爪」を意味しているそうです。右側の部分は人が膝まづき、手を後ろ手にして仰け反っているようにも見えます。これは力で人を抑えつけるインベージョンと同じ行為を意味しているのではないかと思ってしまいます。

漢字は甲骨文字から始まって、金文、小篆というふうに進化して現代の漢字になっていくのですが、甲骨文字では仰け反っていた人が、金文や小篆では、前屈した背中を上から押さえつけられているかのように見えます。

「印」の意味は、上から抑えつけるという意味で、スタンプや印鑑を意味するようになるのですが、もともとは力や権力で圧迫するという意味が込められていたんですね。

12)インクルージョン

これまた「印」の漢字とは直接的な関連はないのですが、「インクルージョン」という言葉もまた重要なキーワードでした。日本だと「ダイバーシティー」(多様性)はよく使われるのですが、海外では「インクルージョン」も非常によく使われていますね。性別、年齢とか人種など、区別なく社会の一員として受け入れていくという考え方です。

今年、シンガポールで「&Juliet」というミュージカルを見ました。今まで見たうちで一番素晴らしいミュージカルと言っても過言ではないのですが、「インクルージョン」をテーマにした作品だったのではないかと思います。

ということで、ちょっと無理やりまとめてみた感じですが、今年のまとめとさせていただければと思います。無理やり何かを人に押しつけるという行為こそ「印」という漢字の起源なので、これでよろしくお願いいたします。

2024年が皆様にとりましても良い年となりますようお祈りいたしております。

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