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1時間のボイスドラマ構想(自分で小説から台本へリメイクした素人の体験談)

りんご王子はもともと原作で一度公開していた短編小説だということを前回(随分前の前回ですがw)語ったのですが、じゃあどうやってボイスドラマにしようか……と思った素人の私が模索した行動をつらつらと語ります。
自分の小説で一度ボイスドラマ作ってみたいな、依頼してみたいなという作家さん方の参考になればいいな。


1、シナリオを練り直して脚本化

まあ、当たり前ですが、独白を含め、ボイスドラマの脚本は状況の説明からセリフから何から何まで「音」のみで伝えなければいけないという、小説とは全く違う表現手法が求められるわけです。シナリオライターをやったことがある作家さんなら余裕かと思いますが、小説しか書いたことがない私のような作家さんはまずそこで「……うっ」と躓くと思います。躓きました。

書式も違います。むしろ台本の方が小説よりきちっとした形にしておかないと、セリフ以外の、SE・音楽・役者への指示など、作品のストーリーではない部分が多々あるわけですよ!これの書式を学ぶため、まず数回分のミニドラマでちょっとずつ慣らしました。ちなみに私、SEという言葉もFOという言葉も今回自作ボイスドラマ台本を書いて初めて知った人間です。役者さんにはどんな形でもいい、セリフとセリフ以外の指示がきちんと明確に見分けられて、どういうシーンなのかがわかれば書式なんて気にしないと言ってもらえたので、ネットの拾い物情報に頼りつつ、自作でがんばりました。

書式よりも、まずは中身をボイスドラマならではの仕様にしないと!←これが今の自分です。

初めて聞いた人にわかるよう、キャラクターの簡易な説明や今主人公がおかれている状況など、全部キャラが独白で語るナレーションが入るわけですが、この時点でまず私は大幅に一から書き直しでした。なぜなら、一人称小説ならばある程度主人公目線で地の文も語ってるので、それをそのまま読んでもらうことも可能だったのですが、私は三人称主人公視点(を語る神視点)の小説を書く人間なので、地の文が使えないわけですよ(笑)
これがまず不自然にならないよう、本人に若干ナレーションしてもらいつつ、なるべく不自然な説明など入れなくてもセリフや行動、周りの効果音で置かれた状況や心情が伝えられるように、、、というところにものすごく頭をひねりました……!

2、できた脚本を添削してもらう

そんなこんなで、1万文字あった小説を、シーンの加筆修正しながら、脚本へと変換。
兎に角自信がなかったので、ボイドラをよく聴く声優好きの友人(アンチBL)と主人公二人の役者さんに台本チェック・添削してもらいました。この工程がなかったら、多分今でも自信ないままだったかもしれません。特にBL嫌いの友人には無理を言いました(笑)だって……えっちなことしてますもん(笑)でもおかげで「これならボイスドラマとしておかしくないよ」と言ってもらい、安心して役者さんにそれをお届けすることができたわけです。演者さんと、エンドユーザーのリスナーさんのご意見や指摘は、独りよがりの孤独な個人創作活動ではとてもありがたい、サポーター的存在です。
ここでお直ししてる間に台本の書き方をかなり習得し、それっぽいテンプレを自作カスタムすることに成功しました。本格的になったね、って演者さんに褒めてもらえてすごい嬉しかったです。単細胞なんで!

3、自分で一度音読して、タイム計測

ほぼ会話と効果音、間つなぎなどで展開するので、ゆったりぎみに音読すればだいたいのトラックごとの時間がわかるので、読み上げて時間調整しました。60分くらい、というえーかげんな予想で書いた脚本。最初のひとり音読では59分という結果。よいんじゃない!?すご!
一人でめっちゃ悦に浸りました。
これでOPとEDに音楽を1分はさんでも、少々えっちシーンを引っ張っても、74分のCD-Rに余裕で入る!という計算ができたのち、台本を演者さんにお渡しし、納期をお伝え。そして、逃げ道を塞ぐべく、「BLドラマ作るどー!」と、ツイッターやラジオで宣言しました(笑)これが、2018年1月……新年最初の作業でした。

4、収録後の編集中にシナリオ変えたくなる病 発症

だいぶ余裕をもった行動のつもりでしたが、途中ラジオを編集しながらだったり、トラブルがあったりで、なんだかんだと収録がのびて編集も遅れたし、半年という期間を設けたことで編集中に台本のアラを見つけて改変したりすることも。一度「あーここもうちょっと……」なんて思うともうだめですね。小説と一緒で、いつまでも悩みます。演者さんの声が世界を変えてくれるので、最初に台本で考えていた展開よりも少しコメディ要素を増やしてみたりとか。セリフの追加注文もしてしまい、結局頒布前日ぎりぎりまで何かしらいじってました。なんなら別にイベント合わせにしなければ、もっと長くこだわって弄ってたかもしれませんが、内容が「夏の終わりの話」であることから、同じ時期である8月下旬の公開にすごくこだわりたくて、間に合うようにしたので……間に合ってよかったよ(苦笑)

5、音声編集しながら、実は同時進行で小説書いてた

ただのボイスドラマだけだったら4までの作業だったのですが、小説も同時に発行・再公開したい。しかも、前回公開していた内容とちょっと違う。なぜならば、本編「両翼少年協奏曲」の中の一話として編成し直すから――!
という自分の首絞め案件を元に、ボイスドラマ用の音声を聴いて仮組みしながら、小説も書き直してました。あえてちょっと違う表現を足したり、シーンを足して、ボイドラを楽しんだあとに小説を読んだ人が「あーこれ続きがあるじゃん」と両方をゲットしたことに喜んでもらえたらいいなーという思いで執筆したので、ボイスドラマよりも蛇足が多いです(笑)
でも、小説はあくまでも「1~2話を読み終わった人向け、これから4話以降を楽しむための伏線を張りつつ」という視点で書いてまして、連載ものであることを意識しました。
これに大して、ボイスドラマは1話完結。これだけを聴いて、短編として楽しんでもらうことを意識してます。「いやあこの子たちの他の話も読んでみたいな」と思ってもらえるような、少し意味深な伏線もぶっこみつつ……。
なので、編成が若干違うんですよね。
脚本と小説の両方を自分で書いて、すごく勉強になりました。
見せ方の違い、ターゲットの違い。両方を楽しんだ人への気遣いというか、オマケ的要素。こういうの考えだすと、ほんとマルチメディアで色んなパターンの作品を作ることは奥深すぎてドはまりします。こういうの、誰かに語ってと言われたら、多分私は延々しゃべってるんじゃないでしょうか……。

思い入れのある作品だからこそ、色んな見せ方ができるって楽しいです。


いやあ……脚本を本気でお仕事にされている方に喧嘩売ってんのかと怒られそうな独り言ですが、あくまでも同人作家の素人が初めて作った処女作の苦労話をもごもご語ってるだけなんで……まあ大目にみてやってください(苦笑)

そんなこんなでできたりんご王子の小説とCDのセットは先日通販でも頒布スタートしましたので、気になった方はお迎えしていただけると嬉しいです。







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