難敵エコキュート攻略法3

難敵エコキュート攻略法2の10/13追記でも触れましたが、エコキュートの電化家庭では、真冬に月の電気代が1万円を切るような家庭が存在しており、これまでその層に訴求できなければガスはエコキュートには勝てないと考えていました。

考察の結果、真冬に上昇する筈の光熱費は、エコキュートの設定と消費者の省エネ行動によって、低く抑えてきたことを見つけました。それは、いわば機械による行動抑制、つまり強制です。

湯切れが起これば入浴を続けられませんので、消費者は、たし湯、追焚き、シャワーの使用を最低限にするし、バスタブからの放熱ロスを防ぐため、家族が多ければ、間隔を空けず続けて入浴することが習慣化されます。真冬に手を洗うときも基本は水です。

更に、自由に使える電力は深夜電力と太陽光発電した電力ですので、その時間帯で家電製品を動かそうとします。エコキュートは、深夜にしか炊きませんので、その時間帯に大量のお湯は使えません。

とってもエコな生活習慣。これがエコキュートユーザーの平均的な行動パターンでしょう。

このような電化ユーザーが、もし手放しでエコワンを使うとどうなるでしょう。これまでの制約が無くなり、心が開放されます。この世の春です。

お湯の使用量や加熱する熱量はおそらく増えます。お湯張りの量は、高さで数cm分くらい多くなり、がんがん追い焚きし、高い水圧のシャワーは歓喜の中、遠慮なく使います。遊び回った長男坊が真夜中にこっそり入浴し、冷え切ったお湯をフルパワーで追い焚きしたりします。

するとエコワンを売ったガス屋にお客さんからクレームが入るでしょう。
「光熱費が逆に上がったんだけど!!!!」
「やっぱりガスは高いじゃないか。騙された!!!!」
「深夜電力で炊き上げ設定が無いからだ。不良品だ!」

オール電化からガスへ切替えるユーザーには、上記について事前に十分に説明しておく必要がありますね。油断してガスを使いすぎることがありますと。タンクは大きめにしておいた方が良いですよとか、お風呂の「自動」ボタンは切っておいたほうが良いですよとかです。今までどおりの使い方でお願いしますとか。

クレームを入れないユーザーの利用形態を聞くことは、上記のクレーム対応に大いに役立つでしょう。

ガスはずいぶん長い間悪者されてきましたが、先入観を払拭するのは大変です。

一番悪いのは原発事故を起こした人達ですし、儲けているのもその人達ですよ。都市ガスを始めたニチガスは、その部門は営業赤字ですが、同社にガスを供給した大会社は黒字です。

その大会社が電化ユーザーに対し行った省エネ行動という教育は、結果として現在でも顧客維持に繋がっています。極めて巧妙です。

大企業はずる賢いです。
けど負けませんよ。

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