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Inter BEE 2019終えて見えてきた、放送業界の「絶望と希望」

Inter BEE 2019は素晴らしかった。コンテンツも技術も。クリエイティブもメディアも。ワクワクさせるものを見せてくれた。自分も基調講演のアテンドと2つのセッションでモデレーター。オーディエンスの反応はかなり良かった。

唯一抜けていたのが“経営”。放送業界、特に地上波キー局の経営発信が実現できなかったのが残念だ。

実はもう「放送同時配信」について、どうこういうのやめようと思う。パブコメも書かないもんね。本当にアホらしいから。

Inter BEE直前にあった一連の動き。なるべくNHKに常時同時配信やらせたくない新聞。及び腰の民放。視聴者ファーストじゃなくて受信料ファーストのNHK。揺れ続ける役所。業界全体が情けない。

外国ではどこもとっくに実現してて、米ではRFにもIPにも出せる放送規格(ATSC3.0)が進み、英ではBBCが将来電波返上の動きもあるというのに。

そのうち米か中国から巨大資本が上陸して、Abema TVの20倍の製作費使って“インターネット放送”始めちゃったら、あっという間に駆逐されちゃうよ。免許いらないし。

現場は危機意識持って試行錯誤しながら苦労しているのに、経営サイドのイノベーションがみられない。

今回、唯一の光がWOWOW田中社長だった。
キー局に準じる民放トップが基調講演に出て、スポーツとはいえ自らの哲学を披露するなんてことは過去になかったよね。
そういえばWOWOWは放送同時配信も既にやってるし、地上波ができないことに次々とチャレンジしている。

ぜひ田中さんみたいな方がキー局の社長になってほしいと切に願う。無理だろうけど。

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