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他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える

この仕事をしていると、とある2者間のコミュニケーションが、どこかで行き違い、修復困難になり、その結果、「とりあえずソーシャルワーカー」に!!!」と連絡が入ることがあります。

連絡をしてくる相手の方は、地域の専門職や役所の担当者などの他機関の方であることが多く、その場合の最初のコンタクトは、電話であることがほとんど。そして、立腹していることが多いです。


「○○部署から、こういうことを言われたのだが…」
「入院患者/利用者さんの○○さんの件で、こういった連絡があって…」


感情優位の相手に対して、感情優位なコミュニケーションで対応しても、エネルギーの無駄な消費にしかならないことがあります。正論をいくら口にしようとも、感情優位の相手にとっては、単に油を注ぐだけであり、こちらも疲弊し切ってしまいます。


本エントリでは、「”他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える"」と称し、考えていることを記そうと思します。


1.まずは、感情という火を消し、論理ベースで話をするための土壌をつくる

感情優位な相手とのやり取りにおいて、まず必要なのは「火消し」作業に他なりません。感情の火を消す、弱める。まずはここから手を付ける必要があります。まずは鎮火ですね。

相手の感情の熱量を削ぎ落し、論理ベースで話ができる土壌に持っていくまでのプロセスは以下のようなものかなと思います。

A.まずは、自分が「敵」ではないことを態度で表明する。(つまりは、口を挟まず、聞く)

B.そして、相手に理解を示し、受け止め、相手の立ち位置を理解しようとしているメッセージを送る。(相手が語る事実関係を、こちらも口にし、なぞる)

C.相手の熱量が下がってきているか見極める(Dに移行できるか見極める)

 D.相手の今までの行動に一定の敬意を表明しながら、質問を挟み、情報収集を行なう。(相手の感情を損ねないように、現状を一緒に把握させてもらう)


ここまで来たら、"2.メッセージの宛先を探る"へ移行します。


2.メッセージの宛先を探る

相手がこちらに向けているメッセージの真なる宛先はどこか?

組織全体か?組織のとある部署か?それとも個人か?

それとも、メッセージの発信者自身の内的要因からくるものか?

強烈な感情的メッセージの出所は、どういった要素が絡まり合い生まれたものなのか?

どういったメッセージが発信者に何処から届き、それを発信者がどのように受け取った上での、反応なのか?

上記について、質問をしながら、推測していきます。
メッセージの真なる宛先の推測がおおよそできたら、
"3.感情有意のメッセージを発している理由を探る"フェイズへ移行します。


3.感情優位のメッセージを発している理由を探る


なぜ、不満げにしているのか?
なぜ、感情的にまくしたたてくるのか?


発信者が感情優位のメッセージを送っている真なる受信者(組織全体か?部署か?個人か?それとも発信者の内的問題からくるものか?それらが複合的に絡み合ったものか?)がだいたいわかれば、発信者がメッセージを発している理由を想像することはそこまで難しくはありません。


その上で、把握できた現状に対し、こちらからどのような提案ができるか?
もしくは、どのような役割分担ができるか?どのような協力体制ができるか?


上記を、メッセージの発信者に伝えることができれば、論理ベースで話をすすめる上での阻害要因(感情という火)は取り払われることがほとんどではないかと思います。


感情優位な発信者には、感情を前面に出し立ち向かわない。
感情優位な発信者には、正論で戦わない。
まずは、火消し作業をすることを優先する。


上記のようなことを留意することで、現場で他機関や他職種から怒りを向けられたとき、援助者自身の疲弊を防ぎ、無駄に疲弊することなく、援助者のエネルギーをクライエントへの援助に注力できます。

皆さんは、現場で他機関から怒りの感情を向けられた時、どのように対応をしていますか?


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