Aya

こんにちは。 写真を撮ったり詩のようなものを書いたりしています。 ayaonoder…

Aya

こんにちは。 写真を撮ったり詩のようなものを書いたりしています。 ayaonodera.info

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  • ユクシ

    ユクシが遊びに来た日のこと

  • 今日の事件

    身の回りの小さなできごと 猫たちの話

  • 第一暗室

    詩と散文

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ユクシが遊びに来る。 マフラーをぐるぐる巻きに巻いて、五本指の手袋をきっちりとはめ、帽子を深くかぶって耳当てまでしている。 厳しい寒波のあと、降り積もった新雪を初めて歩く人として、この子どもはやってきた。

    • 夏の夜の野原

      ベッドの下をクイックルワイパーで掃除する。 ごそごそと奥まで挿し入れて、すいっとこちらに引いた瞬間に、ころんと何かが転がり出てきた。 よく見ようと近づいて、ひっ、と思わず飛び退く。呼吸が荒くなり、思わず両手で押さえた心臓がドキドキと波打つ。 これはたぶんねずみの内臓だ。 しかもふたつ、大きいのと小さいの。 よくみると小さい方はもう乾燥してドライ内臓になっており、大きい方はかなり新しく生っぽい。 色や形をみると、ふたつとも同じ部位であることがわかった。 机の上にテッシュペ

      • 無題

        夕方、西日も落ちた畑で草取りをしている時に、前の方からこちらに向かって走ってきたので声をかけたらこちらをちらりと見ることもなく走り去ったハナの口にくわえられていたねずみ。 2016-05-18

        • 冬の間は、ときたまビニールハウスに生けてあるネギを引っこ抜いて 土がついたまま肥料袋に入れ、それを勝手口の外に置いておいたり、 育って混み合ってきた水菜を摘んで台所のコップに挿しておいたり、 庭の枯れた金木犀に据えた餌台にスズメのための古米をあてがったり、 部屋の出窓に貼ったプチプチ断熱シートが午前中の日の光でいっぱいになるのを眺めていた。 それくらいしか、することがなかった。 春が来て草の種が芽吹き、桜もチューリップもあっという間に咲いては散って、夜には田んぼから二階の窓

        ユクシが遊びに来る。 マフラーをぐるぐる巻きに巻いて、五本指の手袋をきっちりとはめ、帽子を深くかぶって耳当てまでしている。 厳しい寒波のあと、降り積もった新雪を初めて歩く人として、この子どもはやってきた。

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        記事

          透明な壁

          夜にハナを庭でつかまえたので、家の中に入れて玄関を網戸にしておいたら、またすぐ外に走り出ようとして網戸に(びしゃん!!)と跳ね返されていた。 額から首、腹お尻と順番に縮まり、また元に戻る様子がスローモーションのように見えた。 その後外出は諦め、布団の上で毛づくろいをして、眠ってしまった。 透明な壁にぶつかる夢を見るかもしれない。 2016-05-26

          透明な壁

          蜘蛛

          第四コースをクロールで泳いでいると、水色のペンキで塗られたプールの底に蜘蛛が一匹いるのが見えた。 親指の先くらいの茶色い蜘蛛で、死んでいるなら水中をただよいそうなものだけれど、底にしっかりつかまっているように見える。 コースは並泳禁止で右側を泳ぐことになっている。飛込み台のある側からスタートし、コースのほぼ中間地点にさしかかるとちょうど真下に蜘蛛がいるのだった。 人が泳いでもプールの底の水には動きがないから、死んだ蜘蛛が底に張り付いているようにみえるのか。 蜘蛛は水中でも生

          ししゃも

          あとで焼こうと思ってフライパンに並べてコンロに置いておいた子持ちししゃもを猫に食べられる。 頭だけを、数尾。 (頭って美味いんだなぁ)と感心する。 フライパンから逃げ出したように点々と転がるししゃも。 最後の一尾はストーブの前に落ちていた。 2016-02-22

          ししゃも

          花柄

          六畳間の押入れで大きな布を見つける。 こげ茶の背景にさまざまな花々が描かれた、昭和な感じの。 広げてみると、長方形でベッドカバーのようだったので、早速そうする。 大きさはぴったりだが、なぜか布を横断する縫い目がある。 実はこれは手作りされたもので、布が足りないから2枚つなげたのだろうか? 掛け布団ごとめくった時に、洗濯を重ねたタグが見つける。 品名:こたつ上掛け 200cm×200cm 今晩からハナ(猫♀3歳)と二人、こたつ掛けの下で眠る。 2016-02-28

          えびの殻、手羽先

          事件というほどではないけれど、さっきやっと帰ってきたハナ(猫♀3歳)が、ベッドの下でテイクアウトのねずみを食べている。 帰りが遅い日はだいたいこうである。 ガリガリバリバリと音がしている。 いやだなぁ、わたしのベッドの下でねずみを食べるなんて。 想像しよう。あれはねずみじゃない。 あれは新鮮な殻付きのエビ。 あれはこんがり焼いた手羽先。

          えびの殻、手羽先

          かみなり様が来たよ

          ピカピカっと光る と、かえるの声が 恐れをなしたようにちぢこまる かみなり様が 渋る雨の手をひっぱって 連れてきてくれたよ またピカッと光ると 今度はぴたりと黙ってしまった 雨がざんざん降ってきた お祭りがはじまった

          かみなり様が来たよ

          見てみて、

          見てみて、

          今日の事件

          午後四時ごろ、何気なく二階の窓から外を見ると、田んぼのあぜ道をハナが歩いている。 バードウォッチング用の望遠鏡を持ってきてのぞくと、その姿が手に取るように見えるので、驚いた。 家からは五十メートル位の距離だろうか。 あぜ道の左は青々とした田んぼ、右側は休耕田で、様々な雑草が茂っている。 ハナは土がむき出しのあぜ道にじっと座り、休耕田の草むらを見ている。 少し進み、またじっとうずくまる。 はっと立ち上がり、おしりを振って臨戦態勢に入る 前足をぐっとふんばらせてはまた緩め

          今日の事件

          掃除

          籐のくずかごにぎゅうぎゅうと圧縮して押し込んでいたプラスチックごみがいっぱいになったので、ひとつずつ取り出して捨てることにした。 岩塚製菓の黒豆せんべいのパッケージが、次から次へと6袋も出てきた。 後ろで見ていたお猿が「手品か?」と聞くので違うと答えた。 お猿は七色の、ナイトキャップのような帽子をかぶっている。