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Creedence Clearwater Revival - Have You Ever Seen The Rain / 雨を見たかい - 1971

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル…
な、長いっっ 

というわけで、略してCCRと呼ばれてます。
結成時期は1959年と古いバンドです。当初はザ・ブルー・ベルベッツ、後にゴリウォッグス、そして1968年にクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルへと改名。訳すと、信用・透明な水・復活?? 謎。「信念をもって清らかな水を甦らせる」って感じ?
友人の名前からとったとか、CMからのパクリとか言われていますけど、実際のところは解りません。

ただ、CCRの名称に改名する前のバンド名が、黒人差別が横行していた時代の遺物として葬り去られる存在の黒人のキャラクター「ゴリウォーグ」にちなんだ「ゴリウォッグス」と無理やり改名させられた経緯があるので(顔を黒く塗り、アフロのかつらを被っての活動も強いられていた)、そうした活動を洗い流す(クリアに無かったことにしたい)意味もあったのでは?とも邪推したりして。

ゴリウォーグ人形

アメリカはカリフォルニア・サンフランシスコで結成されましたが、カリフォルニア・ウェストコースト・サウンドとかではなくて、カントリー・ロック、ブルースよりの南部サザン・ロックの先駆者なバンド。

「Proud Mary」1969

この曲のヒットで注目を浴びました。たくさんカバーされましたが、ティナ・ターナーが在籍していた、アイク&ティナ・ターナーのカバーバージョンが有名です。

Ike & Tina Turner カバー 1970

「Down on the Corner」1969

「Bad Moon Rising」1969

1941年の映画「悪魔の金」のハリケーンのシーンを見て書いた曲で、フォガティ曰く「いつか我々に訪れるであろう終末」について書いたそう。

映画「The Devil and Daniel Webster / 悪魔の金」1941

「Lookin' Out My Back Door」1970

フォガティが当時3歳の息子さんの絵本を見て、息子さんのために書いた曲だそう。

「Travelin' Band」1970

「Green River」1970

「Someday Never Comes」1972

そして後世のバンドに影響を与え、たくさんのアーティストにカバーされる、数々のヒット曲を作ったCCRですが…その活動期間はなんとわずか4年(CCRに改名してから、ですが)。

あっという間に駆け抜けていったバンド…な印象があります。

「Have You Ever Seen The Rain / 雨を見たかい」1971

で、この曲はホントたくさんカバーされてまして、オリジナルもCMに使われたり、BGMで流されることも多いので、CCRのことは知らなくても、この曲は聞いたことあるって人は多いと思います。

とくにウッドストックをテーマとしたマクセル(カセットテープ)のCMに、この曲が使用されたことで、ウッドストック=雨を見たかい=CCR…と刷り込まれてしまった人も多いかも。

実際は、ウッドストックにCCRは出演してなかったんですけどねっっ ウッドストックの後の曲だし。

なんでまた、ウッドストックに出演してないCCRのこの曲が、ウッドストックを懐かしむCMに使われたのかなあ??って考えたとき、たぶんこの曲がベトナムの反戦歌として創られた歌だと、誤解があったからでは?と思ったりします。

これまた違うんですけどねっっ

作詞作曲者であるジョン・フォガティ曰く、

「このことは、ベイエリアでは他の地区よりもよく起こる。陽が照っているのに雨が、虹と雨粒が降って来ることがある。風が吹くと、雨が金門橋を越えてサンフランシスコ湾に飛ばされて来るんだ。『雨を見たかい』はCCRの崩壊についての歌なんだ。

"Have you ever seen the rain coming down, sunny day?"
の部分は、sunny dayは黄金時代のクリーデンスを示唆している。しかし、俺たちに雨が降りかかって来るのが見えたということを言っているわけさ」

Hank Bordowitz著 "Bad Moon Rising" p.107-108

CCRの楽曲のほとんどを作詞作曲していた、ヴォーカルでありヴォーカルでありギタリストであり、サックスもピアノも出来るマルチ・プレイヤーだった、ジョン・フォガティにほとんどの注目がいったことが、バンド内での軋轢を生み、そのことが解散(崩壊)に至った原因とのこと。

つまりは「雨を見たかい」は自分に対して複雑な感情を抱く、他のメンバーの心情的攻撃やら、様々な悲しみや苦悩を綴った歌なのでしょう。

その歌が今もCCRの代表作として真っ先に取り上げられて、時代を超えて歌い継がれ、いつまでも流れる曲になっているのは、何ともやりきれないような…でも、そのお陰で生まれた名曲なのも事実で、複雑な気分も少しあったりします。


他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/01/19 掲載記事より転載


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