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文字数勝負。

愛しいという言葉をよく使います。
理由は単純です。
好き、よりも文字数が多いからです。

好きなものを語るとき、好きを表現するとき、結局好きの2文字でしか表せないことにもどかしさを感じます。

例えば好きな音楽の話。
メロディが好き。歌詞が好き。リズムが好き。
具体的にどこが好きなのか表すことは出来るけれど、結局好きの部分は「好き」の二文字しかないんですよね。

違うのよ!!ほんとに、好きなのよ!!!

なんか弁解したくなります。
許しておくれよ、本当に好きなんだよ。

昼ドラの捨てられかけの浮気男かのような、この、ね。

もっと細かく見れば、好きなんて50ある平仮名のうち「す」と「き」の二文字なんですね。
もしかしたら「む」と「り」で好きを表していたかもしれない。

無理で好きを表す…………?
じゃあ無理は…………?

1250の組み合わせ、全部やりますか?

ハイ、ここでおしまい。

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押し売りされる趣味嗜好。

趣味は何かと聞かれると、だいたい読書か映画鑑賞と答えます。

読書と答えると厄介なことが多いです。
私は読書は好きですが、あの作家のこういうところがどうだとか、こういう表現がどうだと語れる虫ではないので。
いわゆる「にわか」ってやつですか。
にわかって何やねん、内心思います。

でも実際、好きなバンドの話をしたときに思いました。
知ってるのはヒットしたあの曲だけだけど、このバンド、いいよねぇ~!って話してる人を見て、なんだかもやっとしました。
古参様様。年功序列エッヘンな感じなんですかね。
愛ってギルティだわ。恐ろしい。

活字が苦手な方とお話をすると、よくお勧めの本を聞かれます。
すごく困ります。

おすすめしたところで読むかと聞かれると、読まない方のほうが多いと思います。
だから本気で好きなものを勧めると、読んでもらえなかったときになんとなく凹む。

どんなものが好きなのか、どんなものが読みやすいか、色々悩みます。
結局趣味に合わなかったら、それもまた、なんとなく凹む。

説明するとき、感情をうまく落とし込める言葉が見つからなくて、凹む。
虚しい気持ちになって、結局とにかく愛しいんだ!という暴挙にでる。

歯がゆいというか、むず痒いというか、そんなもどかしさを感じる一方で、この気持ちは自分しか100%理解実感することができないと思うとなんだか嬉しくもなります。

ラブ、独り占め。

旅する我が子たち

ところで私にお勧めの本を聞いてきた友人たちは、いつになったら本を返してくれるんだろうか。

高校時代に貸したまま北の大地へ旅立った彼。
昨年貸したまま辞めていったバイトの彼。
本屋に無いからと私の部屋から持ち去った彼女。

元気にしてるかい?
うちの子が失礼してないかしらね。
きっとどこかで埃被ってるでしょう。
他人の家に私のものがあると思うと、こっそり生活に潜り込んでるみたいで面白いなあと、思います。

ア、気持ち悪いって思ったそこのアナタ。

私もちょっと気持ち悪いなって思いました。


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