【FaB】Ratheへかえるんだな【Uzuri】

【待ちガイル】

ストリートファイターシリーズで黎明期から存在していた戦術の事だ。

ガイル

彼がガイル。
本名、ウィリアム・F・ガイル
アメリカ出身の軍人で、マーシャルアーツの使い手。
手から放つ衝撃波・ソニックブームと、対空攻撃に優れるサマーソルトが必殺技だ。

ソニックブーム
サマーソルト

遠距離からソニックブームを連打し、
ソニックブームをジャンプで避けて近付こうとする相手をサマーソルトで迎撃する。
分かりやすい戦術だが非常に強力で、当時ゲーセンで猛威を振るっていた。
遠距離からソニックブームでハメられてボコボコになっているザンギエフの画像は、見たことがある人もいるのではないだろうか?

本人は家族思いのいい人

今日はFaBでいう待ちガイルと、
ストリートファイターのガイルの変遷を話していきたい。


・Fatigue(待ちガイル)

FaBが日本で流行り始めて暫く経ち、
あらゆる戦術や解説、デッキテクが共有されてきた。
Fatigue(疲労戦術)はもう聞き慣れた言葉かもしれない。

簡単に解説すると、Fatigueは
「相手の強いカードを使い切らせる戦術」である。

FaBはカードをプレイする以外にも、ガードで手札を消費する。
防御の応酬をまともにやると、デッキがすぐになくなってしまう。
ピッチしたカードはデッキのボトムに送られるので、
実際にデッキがなくなるのはもっとあとになるのだが、
ピッチに使うカードはほぼ青。出力の低いカードだ。
プレイしても弱いカードしかデッキに残っていないなら、
事実上デッキ切れと同じだろう。
カードを消費し、いざ2周目に入ったとき、
これらのカードでゲームを閉じるのは難しい。

社会にFatigueされた一般サラリーマン

Fatigueはこれに着目した戦術で、とにかくカード消費とダメージを抑える。
相手の攻撃をしのぎ、ライフとデッキ枚数を保てば、
2周目からは『相手が弱くてニューゲーム』ってわけだ。

どのような状況にも対応できるナイフ

この戦術が有効な点として、
『どんな相手にも、同じ方法で、丸く戦える』
というものがある。

FaBは、CCでは同じカードが3枚までしか使えない。
さらに強力なカードほど、赤・黄・青のうち1色しか存在しない。
カードの種類が潤沢なヒーローやクラスですらも、
強力なカードだけを大量に積むことはできない。
必ず数合わせか、もしくはピッチ用カードを仕込む必要がある。

便宜上、ここでは
・プレイしたい強力なカードを「メインカード」
・数合わせを「サブカード」
としよう。

メインカード+サブカード

普通のデッキであるなら、
メインカードとサブカードを組み合わせてデッキを組む。
強力なカードだけでデッキが回らないからだ。
これはどのヒーローにも当てはまる構造で、
すべてメインカードで組めるヒーローが出るとするなら、
それは次のLiving Legendになるだろう。

メインカード+メインカード

なんとFatigueはすべてがメインカードになる。
相手の攻撃を防ぐことが主目的になるので、
防御3あればメインカードだ。
ライフ3点回復するだけのカードも、
0コストAttack Action1枚分のビハインドは作ってくれるのでメインカード。
普通、デッキに入れることすら考えないRemembranceすら、
メインカードになる。

Remembrance(追悼)

すべてがメインカードで構成されているため、
ターンの強弱が存在しないのが特徴だ。
常に理論上最高の手札で相手へターンを渡すことが可能。
そこに相性はない。
相手のデッキが勝手に疲れてしまえば、相性もクソもないのだ。
彼のように。

You Win !

・ガイルの変遷

ストリートファイターⅡでは、待ちガイル戦法が非常に強力だった。
対等以上に戦える他キャラが少なく、
特にジャンプ攻撃主体のブランカや春麗は、
プレイヤーの力量差があっても勝てなかったという話だ。

例外としてダルシム、
そして意外にもザンギエフが数少ない対抗馬となっていた。

ダルシム

ダルシムは多彩な遠距離攻撃に加え、
ヨガテレポートによるトリッキーな移動技で翻弄することで、
ガイルを手玉に取っていた。

ザンギエフ

ザンギエフは近づくことは難しいが、
近づいてしまうと状況が変わる。
スクリューパイルドライバーの強力な吸い込み判定とダメージ量で、
圧倒することができたそうだ。

環境

最初に起きた変化は、ガイル本人ではなかった。
続編の『ストリートファイターⅡ'TURBO』では新たに4キャラ追加され、
既存キャラも新たな技を得た。

しかしガイルの追加は何もなく、
相変わらずソニックブームとサマーソルトだけ。

続く『スーパーストリートファイターIIX』では、
ザンギエフの新技「バニシングフラット」に悩まされることになる。
この技は大振りの攻撃だが、相手の飛び道具を消しながら前進する。
ソニックブームを突破してくるザンギエフは、
ガイルにとって恐怖だっただろう。

原始人が進化して社会人になる過程

環境が変わることにより、
ある日突然、待たないガイルが生まれてきた。

画面端でソニックブームを連射するだけでなく、
ソニックブームをけん制として使い、
ソニックブーム
→ちょっと近づく
→リーチの長いしゃがみ中キック
→タメ
という感じで、
「こちらからも通常技を振って削り、相手に圧を与えていく」
ことを始めるガイル達だった。

やられたプレイヤー側からすると、
「従来の待ちガイルと大して変わらない」という印象だったが、
待ちガイルと違い、自らゲームを〆に入る先進性が見られた。
待ちガイルは伝統芸能と言われ、
待たないガイルは先鋭的な戦術として分派したのである。

このガイルの変遷に心を打たれた俺は、
FaBでも同じようなことをしたいと考えるようになる。

・攻めFatigue

FaBでいう待ちガイルとはそう、Fatigueだ。
今のFatigueデッキを受けFatigueとするなら、
新たなアーキタイプ、攻めFatigueを作りたいと!

Fatigueと言うからには、
本筋である「相手のデッキの弱体化」を目標としていきたい。
能動的にデッキを弱らせる…つまりContract系の出番だ。

攻撃値4の0コストContract(しゃがみ中キック)

防御専用ではないカードは、どの防御値も3が最大だ。
0コスト4点で攻撃すれば、完全ガードにはカードが1~2枚必要になる。
赤の0コストContractはすべて攻撃値が4なので、
相手の手札2枚、もしくは相手の手札1枚+デッキトップを持っていける。
スルーされるなら、ありがたく4点とデッキトップをもらっておこう。

1コストContractも、赤なら5点、黄なら4点の攻撃値ではあるが、
1枚で使えないのがちょっと気になる。
Fatigueなら手札全ガードするターンはどこかにある。
そんな時に伏せておきたいのは、
Defense Reactionの次点で、1枚で使えるカードだろう。

これらに該当するカードは全部で5種類。
Fleece the Frail
Leave No Witnesses
Plunder the Poor
Sack the Shifty
Slay the Scholars

これらは待たないガイル…攻めFatigueでいうしゃがみ中キックだ。
相手のソニブ受けを見て差し込み、
HPバー(デッキ枚数)に負荷をかけていく。

これだけで勝てるわけではないが、ある程度は枚数が欲しい。
一番負荷の高いLeave No Wittnessを中心に、合計12~15枚は採用したい。

ソニックブーム(Stealth)

ウズリィ‼

ここまでContractのことを書いておきながら、
ArakniではなくUzuriの話だったのは、
騙して申し訳ないという気持ちはある。

Arakniでソニックブームとサマーソルトを
再現することができなかったのだ。

ソニックブームはあくまでけん制手段であり、
リターンを大きくとるにはサマーソルトを当てる必要がある。
Arakniはけん制用の攻撃がなく、
すべての攻撃を当てたいキャラ(ヒーロー)だったのだ。
どっちかっていうと、エドモンド本田スタイル。

ソニブでけん制攻撃し、
相手の出方を見てサマソを撃つか撃たないかを決める。
これはまさしく、UzuriのStealthとリアクション能力だったのだ。
決して持ちキャラの贔屓のため選んだ訳ではない。

ArakniはStealthを入れても仕方がないし、そうなると枠が足りない。
1コストのContractを採用することになったり、青のプレイアブルも少ない。
一方Uzuriは、Stealthを採用する意味があり、
青Stealthですら6点ハンデスに化ける可能性がある。
どうでもいい青Stealthに手札2枚でガードしてくれる可能性もある。
これだけでも、ArakniよりUzuriの方が
待ちガイル感があることを分かっていただけるだろう。

Stealthは、Sedate3色を中心に、青を選びたい。

Sedateはピッチや入れ替えが主な使用方法に加え、
プレイでも十分脅威になりうる。
ヒット時のInertiaトークンは相手のアーセナル貯めを防げるので、
相手の手数を抑制できる。長期戦にはうってつけだ。
ボトムに行ってしまうのでデッキの総枚数は減らせないが、
そもそも最初から削ることを想定しているデッキなので問題ない。

当然ソニックブームだけで勝てるほど、ストリートファイトは甘くない。
あくまでけん制ということを念頭に入れて、
上記カードを含めて9~15枚ぐらいに留めておこう。

サマーソルト(2コストAttack Action)

サマソは高い対空性能と威力を誇るが、後隙が大きい。
連打するものでもないし、
きちんと当てなければゲージ損からの反確(反撃確定)だ。

相手のデッキを狙えるAlready DeadとSurgical Extractionは確定3枚。
Shake Downも3欲しいが、2でもいい。
この枠は大量に枚数確保する枠ではない。
どうせ勝負を決めるのは、2周目のダガーや0コストContractだ。
あくまでもFatigueスタイルであることは忘れてはいけない。

Defense Reaction(ブロッキング)

格闘ゲームで最も重要な技術は、攻撃やコンボではない。
防御だ。

いくらコンボや差し込みが上手でも、
相手の致命的な攻撃をガードできなければダメージレースで負ける。
待ちガイルも例外ではない。
上手にガードできなければ、2周目突入前にK.O.だ。

ここで選びたいのは、手札の消費を抑えながら防御することだ。
相手が2コストピッチして6点のAttack Actionをプレイしたなら、
1枚ガードか、1枚ピッチで6点ガードしなければならない。
最終的にFatigueで勝つためにも、2枚消費ガードは避けたい。

ヘビーガード

そんな中、Unmovableの黄色をお勧めしたい。
ピッチ1枚とこれで、カード消費を抑えながらしっかり6点ガードできる。
手札でかさばっても、黄色ならDaggerが振れる。

レッツゴージャスティーン!

相手がNinjaやWarriorだった場合、Fraility Trapを使うこともあるだろう。
1枚で複数回攻撃を止めれる可能性がある。
相手の鳳凰扇を全段ブロッキングして、逆転の目を作ろう。

手札からDefense Reactionが使えなくなる
アーセナルからDefense Reactionが使えなくなる

防御値の高いカードを多く入れたいが、
Defense Reactionは多めにしたくない。
Command and Conquerだけでなく、
世の中にはDefense Reactionを目の敵にしたカードはいくつもある。
例えば上画像の弓矢。
例えばIntimidate。
(IntimidateはReactionステップに入る前に解決されるため)

幸い、GenericのInstantに、ダメージ軽減やライフ回復がある。
受けづらい攻撃は、これでトントンにするのがいいだろう。

・プレイング

FaBはキャラクターによって、初期ライフが違う。
ライフが少ない相手は、それだけヒーロー能力が強い。
ヒーロー能力を駆使される前に削りきるのが対策として挙げられる。

強力だけどライフが少ない例

それと同じくらい、相手のデッキ枚数にも注意を払うべきだ。
「Assassinかぁ…Fatigueかもしれんな…サイドボード全部足すか」
という考え方もある。
WizardやRuneblade対策に防具をNullruneシリーズを選ぶのと同じように、
Assasin相手にデッキ枚数を増やすのは至極当然なのだ。

デッキの枚数が増えるとFatigue負けにくくなるが、
その分、引きたいカードが手札に来る確率が下がる。
手札にブレが生じ、強力な連続攻撃を連発される可能性も減る。
こちらもDefense Reactionを温存し、相手のビッグターンに備えよう。

逆に「しっかり60枚です!」って奴はヤベー奴だ。
疲れる前にお前を倒すという明確な信念がある。
ライフは常に高水準にしていきたい。
理論上、枚数が多いほうがデッキ切れしにくい。
ライフさえ耐えれば勝ちに行ける。

・作例

俺より強いやつかどうか、たしかみてみろ!

・Part the Mistveil、公開!

…って感じの記事書いてたら、
次回パックのPart the Mistveilのカードが事前公開されてたんですね~。

気になるカードを見ていこう。

各種、コモンStealth

どれもエッチ!

正直、公式はUzuri、Arakniを失敗作と思っていて、
新セットはNuu用のMysticカードだけだと思ってました。
ちゃんとAssassin全員使えるカードデザインでホッとしたわ~。

性能的には、ContractとStealthの中間のような性能。
最大3点の、地味にガードしたくないStealth。
ヒット時にカードを追放し、特定条件で効果が得られるContract。
なお、赤・黄・青、完備です。

Nuuは当然、トップダウンデザインなので相性がいいとして…

Arakniはヒット時追放が光ります。
Coercive TendencyでGo againが付いたContractから、
これらのStealthを使われるとかなりアドい。
特にBonds of Memoryは、当たると最大2枚追放できる!
見えてる墓地を対象に取れるので、Contract達成も容易でしょう。
ArakniはSilverジャラジャラデッキにシフトしていきそう。

Uzuriは単純に、Stealthのかさましができるのがグッド。
Looking for a Scrapを使うために1点Stealthを21枚採用していましたが、
使う宛てのないProwlとかMalignとか邪魔だったんですよね~。
アーセナルに置いて、
「よっしゃ、次はShake Downを顔面にたたき込んでやる!」
ってターンにCrippling Crush撃たれて手札0になった時のどうするよ感。
新Stealthはヒット時効果が付いてるので、最悪振れるのがいいですね。

Double Trouble

これめっちゃいい。
まず網タイツメカクレ左右対称双子ニンジャってのがいい。
助かる。

性能面なんですが、これ、Uzuriと最高にマッチします。
2回Attack Reactionを使わなければいけませんが、
チェインリンク上での使用回数を常に参照します。
適当なStealthからこれに入れ替えれて、適当なAttack Reaction撃てば、
ただのStealthが高火力打点とデッキ追放に変わります。

他にも既存の装備品やRazer Reflexとのセットプレーも強力。
これ→Redback Shroud起動→Razer Reflexで8点 Go Again。
チェイン続けて適当なStealth→入れ替えてこれ→Flick Knives起動で5点。
ヤバすぎる。

しかもこのカード、リスト見ると赤・黄・青、完備なんですよね。
青をピッチに、黄色を入れ替え元に、赤を入れ替え先に、
捨てるところがない!
Uzuriはこれを3枚ずつからデッキ作り始めるまでありますね。

Bonds of Attraction

ムキムキのおじさんを縛るアトラクション。
もしくは感情激重お姫様に縛られるアトラクション。
3色あり。

2枚追放できるので、前述した通りArakniと相性良し。
ArakniがStealth使うんか~?という疑問はさておき、
追放ができるカードが増えるのと、
攻撃値1のカードが使えるようになるのが大きい。
なんたってLooking for a Scrapが使えるようになるからね!

ArakniもFatigueだけでなく、
連続攻撃のできる攻撃タイプも見れるようになるかも!

Art of Desire; Body

まずカードが引ける可能性があるのが強い。
Assassinは一撃が弱いので、
連続攻撃やAttack Reactionによる強化でダメージを取る。
つまり枚数=パワー!

まぁ、性能自体は特に語ることはないです。
ただ、名前と効果的に、黄・青でサイクルがありそうですね。
「ボディ」だから、おそらく心技体であるでしょう。
エモ〜!

Mystic関連のカードは未知数だし新ジャンルなので、
別の記事にします。

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