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病気や障がいで寝たきりの人も、コロナ禍で外出困難な人も、挑戦を続けるすべての人に希望の光を届けたい。MOVE FES.2021が目指すBORDERLESS ENTERTAINMENTの形。

こんにちは、WITH ALS代表の武藤将胤(むとう まさたね)です。

これまでnoteでも発信してきましたが、僕たちWITH ALSは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦出来るBORDERLESS(ボーダーレス)な社会を創造することをミッションに、エンターテインメント、テクノロジー、ヒューマンケア(介護)の3領域で活動しています。

そんなWITH ALSの活動の一つとして、2016年から毎年開催してきたALSの啓発イベントが「MOVE FES.」です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大のため、昨年2020年は初の中止となりましたが、リスタートを切る今年の「MOVE FES.2021 Supported by ONESTORY」(12月9日開催)は、リアル会場とオンライン配信のハイブリッド開催で実施します。

こんな今だからこそ、ALS等の難病・障がいにより元々イベントに訪れることが困難だった方も、COVID-19の感染拡大で外出・移動を制限されている方も、誰もがそれぞれの環境で楽しめる、新しいライブ体験を創造するチャンスと捉え、テクノロジーを駆使したBORDERLESSなコンテンツをお届けして参ります。

7月27日から10月14日まで、クラウドファンディング「GoodMorning」にて、MOVE FES.2021の企画・運営費用のご支援も募っておりますので、ぜひ以下のページから応援お願いいたします。

本日のnoteでは、エンターテインメント領域におけるこれまでのWITH ALSの活動を振り返りながら、今回のMOVE FES.で何を目指して、どんな挑戦をするのかを、みなさんにお伝えできればと思います。

ALSの課題解決を起点に、BORDERLESSな未来をつくる。WITH ALSのこれまでの挑戦。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、体を動かす運動神経が老化し、徐々に身体が動かなくなっていく進行性の難病です。原因不明であり、現在も有効な治療法は確立されていません。理論物理学者スティーブン・ホーキング博士や、漫画「宇宙兄弟」の登場人物などを通して、その名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

僕は約8年前にALSを発症し、2014年にALSの確定診断を受けました。奇しくも、アメリカで始まったALSの啓発キャンペーン「アイス・バケツ・チャレンジ」がソーシャルメディアなどを通して社会現象化し、ALSの認知が世界中で高まっていた頃でした。

ALSの症状の進行は速く、移動や着替え、会話など、それまで当たり前にできると思っていたことが、運動機能の衰えによって徐々にできなくなっていきます。

お気に入りの服を買いに行きたいのに、お店の階段を登れない。指に力が入らなくてジャケットのボタンが留められない。もともと、音楽やファッションなどのエンターテインメントが大好きだった僕にとって、それはとても残酷な現実でした。これから先どれだけ自分らしさが奪われていくのだろうかと思い悩み、生きるか死ぬかを葛藤したこともありました。

それでも、自分自身がALSになった今だからこそ、生み出せるものがきっとあるはずだ。大好きなエンターテインメントの力で、ALS患者を取り巻く環境を明るく変えていきたい。そう考えてWITH ALSを立ち上げました。

WITH ALSの活動は、ALSの課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦し続けられるBORDERLESS(ボーダーレス)な社会をつくることを大きなビジョンとして掲げています。

ここではその一部を簡単に紹介させてください。

■01 BORDERLESS WEAR

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症状の進行によって大好きな服が着られなくなった実体験をもとに立ち上げたオリジナルアパレルブランドです。手足の自由が限られている人でも簡単に、スタイリッシュに着こなすことができる素材とデザインで、機能性と多様性を追求しています。

■EYE VDJ

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眼鏡型のウェアラブルデバイスJINS MEMEを活用し、DJとVJを眼の動きだけで同時にプレイするシステムを開発、EYE VDJ MASAというアーティストネームで、国内外のフェスなどで披露しています。こうした活動の過程でも、徐々にALSの症状は進行していきましたが、視線入力装置や音声合成技術といったテクノロジーを活用しながら、自分らしく挑戦を続けられています。


そんな僕たちWITH ALSが、ALSの啓発と、ボーダレスなエンターテインメント体験の創出を目的に行ってきたイベントが、「MOVE FES.」です。

参加アーティストによるその日限りのライブパフォーマンスに加え、脳波で想いをラップするBRAIN RAP、ユニバーサルファッションのランウェイなど、毎年新たな試みを行ってきました。

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2016年から毎年開催してきたMOVE FES.ですが、昨年2020年はCOVID-19感染拡大の影響を鑑み、中止の決断をいたしました。

見えないウイルスによって、これまでのように集い、触れ合うことができなくなった世界。これを読んでくださっているみなさんも、日常生活でのさまざまな困り事を経験されてきたかと思います。また、同じく昨年には、ALS患者の嘱託殺人という悲しい事件もありました。

先行きが見えず、日々の生活や、命の安全が脅かされる中、それでも懸命に自分達らしく生き続けようとする、全ての挑戦者に希望を届けたい。MOVE FES.が開催できない状況でも、僕たちにできる表現を続けたい。そんな思いで、今年1月には音楽とアートのコラボレーション作品「EVERYONE, CHALLENGER.」を発表しました。

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尊敬するアーティストである、ロックバンド・androp内澤祟仁さん、
フラワーアーティスト・東信さんと共に、
楽曲とアート作品を共同制作。
https://linkco.re/F635ZdSs

そして迎える2021年冬。未だ現在も予断を許さない状況が続いていますが、こんなときだからこそ、課題をチャンスに変え、感染対応だけでなく、時間・空間の制約を越えた新しいボーダレス体験の創出に挑戦したい。外出ができない人、自宅や施設、病院で過ごす人、あらゆる人に希望の光を届けたい。チーム内で議論を重ね、新しいコンセプトと方法で、「MOVE FES.2021」を開催します。

挑戦を続けるすべての人に、希望の光を届けたい!MOVE FES.2021 Supported by ONESTORY

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今年のMOVE FES.では、このコロナ禍の社会情勢を考慮して、 MOVE FES.初の自宅からでも多種多様な皆様に参加していただけるライブ配信と、会場に訪れるゲストがリアルに体験出来るBORDERLESSなコンテンツを創造して参ります。
『LIGHT OF HOPE. 希望の光』をテーマに、 ALSをはじめ障がいの有無に限らず、全ての人にとって、希望の光となるイベントをお届けします。 テクノロジーを駆使した、MUSIC LIVE、ALS TALK SHOW、ROBOT POP-UP STOREを通じて、 新しい希望の光を体験していただきます。


■開催概要
開催日時:2021年12月9日(木)
17:15(開場)/18:00(開演)~21:00(閉演)
ROBOT POP-UP STORE 14:00 OPEN~21:00 CLOSE
会場:TRUNK HOTEL MORI
形式:会場LIVE+オンライン配信のハイブリッド開催

■コンテンツ
①MUSIC LIVE

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視線コントロールでPLAYするEYE VDJをはじめ、 MOVE FES.に賛同いただいたゲストアーティストライブを通じて、希望のメッセージをお届けします。 アーティストの皆さまとのコラボレーション楽曲やこのイベント限定のセッションなど、こんな今だからこそ、皆さんにお届けしたいメッセージをLIVEに込めて披露します。

②ALS TALK SHOW

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平野裕加里氏がナビゲーターを務め、 日本から世界へ向けて、ALS支援の最前線を紹介する、希望のTALK SHOWをお届けします。 テクノロジーの分野と治療薬研究開発のファンドレイジング活動の分野からゲストをお招きして対談を行います。 テクノロジー分野からは、武藤と交流の深い分身ロボット開発者吉藤オリィ氏をはじめ、 脳波コミュニケーションツールNOUPATHY開発者などが参加予定です。治療薬研究開発の分野からは、WITH ALSのファンドレイジングパートナーでもある、 せりか基金代表の黒川久里子氏が参加します。

③01 BORDERLESS WEAR ROBOT POP-UP STORE

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01BORDERLESS WEARをプロデュースする武藤将胤と、分身ロボットOriHimeの開発者・吉藤オリィ氏がタッグを組み、1日限定の ROBOT POP-UP STOREをOPENします。 01BORDERLESS WEARのアイテムをはじめ、 厳選したユニバーサルアイテムとALSチャリティーアパレルを販売します。 接客する分身ロボットOriHhimeは、遠隔地から障がいを抱えるパイロットたちが操作します。


■BORDERLESS ENTERTAINMENT
今年のMOVE FES.では、住んでいる地域のちがいや、障がいや感染対応による移動の制限を越えて、あらゆる人が、自分にあった方法で参加できる、BORDERLESSなエンターテインメント体験の形を創出・提案していきたいと思います。


①リアル会場とオンライン配信の同時開催
これまでリアル会場のみでの開催だったMOVE FES.を今年は初のオンライン配信との同時開催。病気や障がいでもともと外出が難しかった方も、COVID-19の感染拡大により県をまたいでの移動が難しい方も、自宅や病院、施設など、それぞれが過ごす環境からMOVE FES.を楽しんでいただけるよう、オンライン配信チケットをご用意しました。今回のクラウドファンディングのリターンでも、先行チケットをお求めいただけます。
配信でもライブの臨場感を感じていただけるよう、画質・音質等の配信品質にこだわることはもちろん、希望者には、音を振動と光に変換するデバイス「Ontenna」をレンタル配送いたします(詳しくは次項をご参照ください)。


②音を光と振動に変換するOntennaを使った、五感で楽しむMUSIC LIVE

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Ontenna(オンテナ)は髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付け、振動と光によって音の特徴を、からだで感じる全く新しいユーザインタフェースです。ろう者と健聴者が共に楽しむ未来を目指し、ろう者と協働で開発しました。音の大きさをリアルタイムに振動と光の強さに変換しリズムやパターンといった音の特徴をユーザに伝えます。

今回、このOntennaを会場参加者に配布し、聴覚だけでなく、視覚や触覚でも楽しめるMUSIC LIVEに挑戦します。また、数に限りはございますが、オンライン配信でも希望者の方にレンタル配送を行う予定です。


③文字起こしアプリの利用や、会場バリアフリー対応など
この他にも、文字起こしアプリ「UD Talk」の活用や、会場内移動のバリアフリー環境の整備など、さまざまなニーズに応じて、可能な限り柔軟に対応していく予定です(詳細検討中・ご希望者と応相談)。


コロナ禍をチャンスに変えて、誰もが希望の光を感じられるBORDERLESS ENTERTAINMENTを創出する

2020年・2021年は、新型コロナウイルス感染症により、世界中の人々の「日常」が揺らぎ、みんなが様々な不自由を経験してきた2年だったと思います。

僕自身も数々の大切なイベントが中止になり、悔しい思いを沢山してきた日々でした。

ALSをはじめとする病気や障がいのある人は、コロナ感染の重症化リスクが高い人も多く、これまで以上に日常生活での不安や緊張が高まったことと思います。

その一方で、制約や困難の中から新しい可能性も生まれていきます。コロナによってリモートワークやオンライン配信等が普及したことで、これまで外出や就労が困難だった障がいのある人にも、自宅にいながらにして仕事をしたり、エンターテインメントを楽んだりする機会が増えた面もあると思います。

今回のMOVE FES.でも、コロナ禍をチャンスに変えて、誰もが希望の光を感じられるような、新しいBORDERLESS ENTERTAINMENTを生み出したいと思っています。

コロナ禍で生きている、今この一瞬一瞬も、僕らの有限な人生の中の大切な一部です。
こんな今だから出来る挑戦を、共に続けていきましょう。

ぜひ、BORDERLESSな未来をつくる仲間の輪に加わっていただけると嬉しいです。

クラウドファンディングへのご支援も、どうぞよろしくお願いいたします。

8月13日現在、143人の方にご支援いただき、目標金額300万円に対して1,997,780円、66%の達成状況となっております。

オリジナルアパレルなど、ご支援へのリターンも複数ご用意しておりますので、ぜひページを覗いてみてください(追加のリターンも現在準備中です!)


サポート費用は、WITH ALSの活動費、せりか基金寄付金などALS解決・BORDERLESS社会実現に向けた費用へ大切に活用いたします。お気持ちに感謝申し上げます。