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この世界は誰が創造したのか シミュレーション仮説入門 河出書房新社 (2019/5/22) 冨島 佑允 (著) を読んでの個人的な覚え書き


【概要】
 私たちの文明で開発されている仮想現実空間は、年々精度をあげていて、人はそのうち現実と仮想現実の区別がつかなくなる。

 であれば、私たちよりも文明の進んだ星の誰かによって作られたのが、私たちの世界だとしても不思議ではない。

【ふしぎ】
・ゴルディロックス エニグマ(ちょうどよい状態 の 謎)

 この世界の重力や自然界の均衡が、非常に精密にチューニングされていること
 他の分野では、人間原理とも呼ばれる概念

 創造主を肯定すればよさそうですが
 「反回神経」「偽遺伝子」などのゆえに、多くの科学者は神を否定
 
 しかし進化論だけでも全ては説明できない
 それは生命のもつ複雑さのゆえ
 
 最も単純な生命の一部「ミドリムシの鞭毛」でさえ、精緻な多くの部品からなっており、単純に見える動作一つがなされるには、それらの部品全てが同時に、進化しなければならず、一つや二つの突然変異などでは説明できないということだ。ある日突然、地震が起こったとしても、部品のゴミの山から、精緻な自動車のギアが組みあがることがあり得ないという事と同じだ。それは何億回、地震が起きてもあり得ない。


 【人に自由意志はあるのか】
 意識の随伴現象説
 脳が行動を支持した後、意識がそれに気づいて、それを自分の自由意思で決めたと思い込むこと。

 私たちに意識はなく、ポストヒューマンによって、シュミレーションされている存在で、意識があると思い込んでいるだけなのか。
 しかし全てをデジタルの世界で説明するには、依然として「クオリア」などの解明が課題である

 【ポストヒューマンの目的】
 多くの世界をシュミレーションすることで、自分たちに必要な、英知を集めることが出来る

 【僕の感想】
 結局は、世界のはじまりの謎を他の言葉に置き換えたに過ぎない。もしも何者かが、この世界をシュミレーションしているなら、その何者かは何故存在するのかという疑問は残り、結局は何も解決されていない。エイリアン説にしろ、多元的宇宙論にしろ、今回の説にせよ、それが正しくても間違っていても、謎は一つも解明されていない。


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