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除隊して民間で働こうとしている君へ

アメリカのアクション映画の「RAMBO」を見たことはあるだろうか?
シリーズ化しているので最近のモノは見たことがある人もいるかも知れない。1作目はベトナム戦争帰還兵のランボー(役:シルヴェスター・スタローン)がアメリカの町で大暴れする話だ。この映画は1975年ベトナム戦争が終わった7年後、僕が生まれた1982年に公開された。アメリカのベトナム戦争帰還兵の社会問題を題材にした作品で、戦争の後遺症や社会からの孤立が彼ら帰還兵を苦しめる。それはベトナム戦争を終わらせた原因がアメリカ国内の戦争反対運動によって、アメリカ軍が撤退した事が多いに関係している。
ベトナム戦争帰還兵はその特殊な経験から社会に上手く適合出来ない。軍隊のルールと社会のルールが違い過ぎるからだ。徹底して訓練された兵士は徹底して訓練して市民にしなければ生きていけない。これは退職自衛官も同じだと僕は思う。

僕は高校卒業後18歳で陸上自衛隊に入隊し4年後除隊した。18歳のガキは6ヵ月間の厳しい教育で徹底的に仕込まれ仕上がる。その後、中隊に配属され日々の訓練をこなす中で自信が付き仲間や慕ってくれる後輩も出来る。しかし平和な日本では自衛隊はただ消費するのが仕事だ。弾を消費するために射撃訓練をして、時間を消費するために戦闘訓練をして給与が貰える。利益を追求する民間ではあり得ない事が国家公務員の自衛隊では当たり前になる。4年後、僕は社会のルールを知らないまま除隊する。市民になる訓練は行われずに兵士のままで 。そのために僕は市民になる(民間の働き方に慣れる)までに長い時間苦しんだ。

民間では自衛隊の経歴は全く評価されない。もちろん自衛隊でも防大出などの幹部自衛官なら企業も評価はするが、僕みたいな幹部以下の階級は使い物にならない。大卒資格も無い時点で同年代で負け組に入る。だいたい肉体労働の職種に就くことになる。一部の人々からは自衛隊は嫌われ存在自体を否定されている。それは現役の時にも感じていたが部隊が守ってくれていた。僕は履歴書に自衛隊歴を書くことを辞めた。

【除隊して民間で働こうとしている君へ】
君は負け組だ!
君の自衛隊歴は何の役にも立たない!
君はアメリカのベトナム戦争帰還兵と同じだ!
全てを捨て全てを忘れて1から学べ!
そして這い上がれ!


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