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過労死 karoshi

8/13 産業医講習会DAY3 過労死

学んだことメモです📝


過労死(国際語karoshi←海外ではこの概念ないらしい)
仕事上の過労が原因で働く人が死亡する現象

医学的な過労死;過度な労働負担が誘因となって疲労が蓄積し、高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化、脳血管障害や虚血性心疾患などを発症したもの

法律的な過労死;過労によって人間の生体リズムが崩壊し、生命維持機能が破壊し、生命維持機能が破綻をきたした致命的な極限状態

過労死の特徴
年齢:30-50歳の働き盛り 
性別:90%が男性 
仕事:専門技術職・営業職・教師・編集者・職業運転手・医師・看護師
疾病:くも膜下出血・脳出血・心筋梗塞・致死性不整脈
原因:長時間労働・過大なノルマ・深夜勤務・心理的ストレス

2015年5月過労死防止法~過労死ゼロを目指して~
①労働時間60h以上の労働者を5%以下(2020年までに)
② 有給取得率を70%以上 (2020年までに)
③メンタルヘルス対策に取り組む事業所を80%以上に(2017年までに)←過ぎてますね

H29年度「過労死等の労災補償状況」
脳・心疾患に関する請求件数 840件(前年より15件増)
精神障害に関する請求件数 1,732件(前年より146件増)

パワハラと過労死 
①ハラスメントの常態化
②労働時間の長さ
③メンタルヘルス増悪⇨ストレスチェック検査
④早期離職率の高さ

H30年度 過労死等防止対策白書 厚生労働省発行
過労死が多く発生していると指摘されている職種
①自動車運転従事者 
②医師 
③教員 
④外食産業 
⑤IT産業

自動車運転従事者:労働時間の上限規制に5年間適用猶予。5年後には月平均80h以内を限度を設定。

医者:応召義務等の特殊性を踏まえ長時間労働等の勤務実態を十分考慮しつつ、地域における医療提供体制全体の在り方や医師ひとりひとりの健康確保に関する視点を重視。労働時間の上限規制に5年間適用猶予。時間外労働の上限は1860hに決定。

教師:国際的な比較として、2014年6月に公表されたOECD国際教員指導環境調査では、日本の教師の1w当たりの勤務時間は参加国の中で最長。問題がある職種と挙げられているにもかかわらず特に時間外労働の上限設定などなし!?

教師のストレス要因
①長時間勤務の多さ
②職場の人間関係
③保護者・PTAへの対応(特にモンスター親)

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/18/dl/18-4-1.pdf


「働き方改革」
①長時間労働
②非正規と正社員の格差
③労働人口不足 を解決

残業時間是正「原則月45h、年間360h」繁盛期に考慮し上限は年間720h、単月100h未満
大企業は2019年4月より、中小企業は2020年4月から適用

脱時間給制度:年収1075万円以上の金融ディーラーやコンサルタントなどの専門職対象に限る。健康確保措置として「4wで4日以上、年104日以上」休日確保を義務化。

勤務間インターバル規制:時間外労働など1日の最終勤務終了時から翌日の始業時までに、一定時間のインターバルを保障することにより従業員の休息時間を確保する制度。


過労死を避けるための対策
1990 作業関連疾患対策
1996 労働安全衛生法改正,脳/心疾患とストレス対策強化
2000 深夜労働従事者の自発的検診
2001 二次検診労災給付制度,脳/心疾患労災認定基準改正
2006 労働安全衛生法改正・面接指導
2014 過労死等防止対策推進法
2015 過労死防止法大網
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/18/dl/18-3-1.pdf
2019 働き方改革
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/18/dl/18-5-3.pdf

その他詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/18/index.html

歴史は長くて法が制定されても、結局企業の管理者たちが真摯に行動しないと悲しい事件が続くのか…とやりきれない気持ちになりました。

2015年の電通自殺事件は忘れられないし、自分もメンタル弱かったらこっち側だったんだろうなぁと思うとやりきれない気持ちに。内容も重めの9時間耐久レース、無事完走。

明日で折り返し!


#産業医 #麻酔科医 #線維筋痛症  

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