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【伝説】「真名野長者伝説」④般若姫伝説へ

般若姫誕生

長者夫婦に可愛らしい娘が生まれ、玉世姫と名付けられた。
姫はすくすくと育ち、とても美しい女性になった。その噂は、都にも伝わった。

姫は、内山観音の申し子として、「般若姫」と呼ばれるようになった。

山路 (さんろ)
ある日、長者の館に奉公人として働かせて欲しいと熱心に頼みに来た青年がいた。
名を山路と言った。
山路は、普通の人と違う何かがあった。
奉公人の管理人は、人手が不足してたこともあり山路を雇った。
山路の仕事は、草刈りと牛飼いになったが、いつも笛ばかり吹いていた。

都では、欽明天皇の皇子、橘豊日皇子(後の用明天皇、聖徳太子の父親)の妃となるべき女性を探していた。

ある時、殿上人の集まりで、「豊後国の内山の長者の娘がとても美しい、候補にしよう」となった。さっそく真名野長者のもとに勅使がやって来た。しかし長者は「般若姫は観音の申し子である」と勅命にも従わなかった。

朝廷は、なんとか従わせようと、数々の難題を吹っかけるが、長者は財力と権力でことごとく解決するため、困り果てていた。

朝廷は、占い師に相談すると「宇佐八幡の放生会を長者に執行させよ」と言われ、さっそく長者に勅命を下した。

勅命を受けた長者は困った。
放生会に必要な流鏑馬の古式を知るものがいなかった。そこで長者は「古式を知っているほどの人物なら、般若姫の婿にしよう」と言いきった。すると、奉公人の山路が「僕が出来ます」と名乗り出た。

つづく

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