別世界への冒険【GUCCI銀座ギャラリー訪問感想】
灼熱の気温の中、行ってきましたGUCCI銀座ギャラリー。
我らの羽生結弦選手がついにハイブランド「GUCCI」に指名され、その写真が東京の一等地にあるギャラリーのオープニングイベントにて華々しく展示されることに。
これは見に行かない訳にはいきません。
銀座にあるGUCCIとなれば私には少々…いやかなり敷居の高いお店です。
でも、羽生選手の写真を見たいという欲望には到底抗うことはできませんでした。
一張羅を着こみ、外面はすまし顔でもマスクの下は鼻息荒くして銀座に乗り込んで参りました笑
(内部の写真等たくさんネタバレがありますのでご注意ください。)
聖なる神殿に挑む
羽生選手とGUCCIがコラボするという話を聞きつけたのはほんの数か月前のこと。
数か月前の私ならGUCCIは高級すぎて一生縁が無いブランドという認識でしかなく、銀座の街を歩いていても店を素通りしていました。
しかし、
今の私はこうしてGUCCIの店の前で喜々として写真を撮っている。
私の価値観とは、羽生結弦フィルターにかかるとこうまで簡単に変わるものかと笑ってしまいたくなります笑
ビルの上層階に私の推し様が居る(実際居ないけど)と思うと、急に普通のビルではなく「聖なる神殿」にしか見えなくなるこの心理って…不思議ですねぇ。
出来る限りの装備は整えた。
「布の服」ではなく「旅人の服」くらいのレベルではありますが。
財布は寒くても推しへの暑苦しい愛だけ携えて、
いざ、神殿の上層にいらっしゃる王子様(?)に会いに行くぞ!
勇気を出して門をくぐると、早速長身のイケメン店員さんとバッチリ目が合ってしまいました。
「何しに来たんだ?ここは庶民の来るところではない」
…と言われるのかと思って(言われない)まごまごしていると、あちらから
「ギャラリーのご見学ですか?」
と思いきり察しの良いお言葉が。
「はい!はいそうです!」
と無駄に元気に答えながら、やっぱり普通にお買い物に来たお客だとは思われない挙動不審っぷりだったかと若干の悲しみはありつつ、店員さんのお察しの良さに救われたのもまた事実。お気遣いありがとうございます…。
「エレベーターまでご案内します。ご予約時のQRコードを表示してお待ちください」
そうだ!王子の謁見の間に入るには、事前に予約しておいた通行証(QRコード)が要る。
アイスショー会場に入る時電子チケットがスマホに表示されるまでに毎回味わうあの緊張感、それと同じものが私の中に走ります。
無事にQRコードが表示されたスマホをこれだけは死守せねばと握りしめつつ、店員さんに促されてお店の最奥へと移動します。
そこは別世界
謁見の間へと続くエレベーターに乗り込んだ途端、いきなり驚きました。
内部の色が全て真っ赤だったからです。
エレベーターの壁面が真っ赤で、触っていないけれどフワフワしていそうな質感。まるでレッドカーペットを連想させるような造りでした。
ギャラリーのある7階に着くまでのしばしの間、あたかもシーーンという擬音が耳に五月蝿いくらいに聴こえるような、そのくらいの沈黙がエレベーター内に充満してましたけど(防音仕様だったのかな?)、一緒に乗り込んだ方々のワクワクした気持ち、緊張感、そういったものを共有できた気がして小さな幸せを感じていました。勝手に。
7階に着いてエレベーターの扉が開くと、そこは更に別世界が広がっていました。
先程の真っ赤な世界からはガラッと変わって、真っ白な世界でした。
磨き上げられた白い床。
白い壁。
少し暗い照明。
そして、目に飛び込んでくる王子様、もとい羽生選手のパネル。
羽生選手の「手」の写真と、
ELLE Japan(フライングバージョン)の表紙にもなっていた写真が、入って正面のところにありました。
すぐに写真を凝視したい気持ちをグッと堪え、店員さんにQRコードのチェックをしてもらい、簡単な会場の説明、写真撮影の仕方の案内を受けました。
死守していたQRコードを見せてホッとした後は、いよいよ写真ひとつひとつをじっくり観察する時間がやってきました。
写真の感想いろいろ
全部で20弱あった作品全部素晴らしかったですが、特に印象に残った作品数点に絞って感想を書いていきます。
「手」の写真にまず惹きつけられました。
全く服は写ってないけど…。
羽生選手がいつも演技で魅せてくれているような、指先まで神経が通っている美しい手がそこにありました。
白黒であることで、より手の血管だったり表情だったりが浮き出ているようにも見えます。
そう、ただ何気ない状態で写したのではなく、しっかり「演技をしている手」でした。
その手の写真にしばし見惚れてから顔を右に向けると、
そちらには大きなパネルでカラーの羽生選手がいて、心臓が跳ね上がりました。
なんとも言えないセクシーな表情をしている羽生選手がこちらに視線を投げかけています。
サイズが大きいので迫力が凄かったです。
アイスショーでも現地でしか得られない感動があるのと同じで、
こういった写真展でも作品を直接目ににした時にだけ受ける感動というものがあるので、
本当にこの場に来ることができて良かったと思いました。
顔の表情、手の表情、全てから「羽生結弦の個性」を感じ取ることができる秀作。
この表情を撮ることができるファトグラファーの方の才能にも、脱帽です。
仕切りの中からなら撮影OKだったのでひとしきり全体の写真を撮った後、
一つ一つの写真を見るために歩き出しました。
皆さんお行儀よく列になって観覧しています。私も他の方の邪魔にならないよう、しかしたっぷりと時間をかけて写真を見ていました。
黒くて長いタイが羽生選手の動きと連動していてとても美しい作品。
フィギュアスケーターならではの動きがファッションポートレートとしては新鮮で、面白い洋服の見せ方だなと思いました。
床の上で撮影しているんだけど、まるで氷上で演技しているみたいに見えて。
スケート靴を履いてない素足なのに、軽やかに滑っているよう。
ELLE Japanの雑誌の表紙(フライングバージョン)でも思ったけど、いかにも「羽生結弦」しかできない表現の撮り方だなぁと思いました。
黒い服をまとった羽生選手の連続写真もすごく素敵でした。
横一列に並べられた6枚の写真たちは、一連の動きの中で撮影されているようでした。
一枚一枚違うポージングと表情があって、それぞれの違いを見比べるのも面白かったです。
中でも良いなと思ったのが、鋭い目つきで何かを見据えているような表情の羽生選手。
その強い表情はまるで試合の時の演技中の表情のようでした。
何かが欲しいと強く求めている、貪欲なまなざし。
全身から漂う戦闘態勢のオーラ。
熱いほどの情熱。
そんな印象を私は感じ、なかなか目を離すことが出来なかったです。
一か所だけ撮影ができないところにあるお写真は、彼のノーブルな雰囲気を実によく捉えていて、より素の羽生選手に近い瞬間なのかな…と私なりに感じました。
優しい表情なんだけれど一筋の意志が通っている、凛とした佇まいというか。
躍動感があったり挑戦的だったりする他のお写真とはまた一線を画す、魅力的な作品でした。
入口近くに展示してあるGUCCIの挨拶文にこのようなことが書いてありました。
…というのはこの写真のことかな?と思いました。
淡いピンクのシャツにグレーのジャケットがとてもよく似合っていて、羽生選手の柔らかな空気感にピッタリなスタイリングでした。
他にも、スタンダードな姿勢でビシッとスーツを着こなしている写真や
端正なお顔ときめ細やかなお肌をじっくりと鑑賞できるドアップのお写真など
本当に素敵な作品ばかりでした。
写真全てが白く磨かれた床に反射して写っている様も本当に素晴らしく、より空間の非日常感が演出される一助ともなっていました。
いつまでも見ていたくて、
謁見の間を離れることが本当に惜しくて、後ろ髪を強く強く引っ張られつつその場を後にしましたが、もうひとつその後のお楽しみがちゃんと用意されていました。
4階売り場での展示
真っ赤なエレベーターに再び乗り込み今度は4階まで降りると、そこには羽生選手が撮影で身につけた4パターンの洋服と小物が展示されていました。
洋服には触れないし撮影もできないけど、ガラス越しではなくて間近で見る事ができます。
そこでまた色々な発見がありました。
ベージュのジャケット、写真では分からなかったけど直接見てみると襟のところに同色の糸でステッチがしてあって、思っていたよりカジュアルで遊び心のある造りになっていたんだなとか。
そのベージュジャケットを着た羽生選手が座っていたトロリーケースも飾ってあって、細部までこだわって作られている様子もじっくり観察できました。
羽生選手が着ていた黒い服はタイがリボン結びの状態で展示されていて、
タイを結び本来の着方をしたらまた違った雰囲気の出るお洋服だったことが分かりました。
この黒いタイを結ばずに垂らした状態で羽生選手にスタイリングした方、さすがだなと。
長くひらひらと棚引くタイが羽生選手の動きとマッチして、見事に躍動感のある写真に仕上がっていましたから。
グリーンやグレーのジャケットの色味もまた写真で見るのと直に見るのとでは違っていたので、興味深く観察しました。
このように細部まで実際のお洋服を見て、先程まで見ていた写真たちを思い出しながら記憶のすり合わせをしていると、
お洋服の格調高さを知ることができたし、羽生選手がこれらを身に着けたことによって生まれた付加価値が凄いものがあるな、と思いました。
お洋服を作る人のこだわり、それをお客に対してアピールするためのこだわり、そういったものが詰まっている場所でした。
経験値が上がった
思えば、店構えや内装、店員さんの接客、陳列された商品からすでにGUCCIというブランドイメージの世界に私は誘われたわけです。
普段だったら足を踏み入れないお店、
羽生選手という存在をきっかけに入り込んだその世界は、
作り手のこだわりが詰まった非日常の別世界でした。
多彩な表情を見せる羽生選手の魅力を改めて感じることができたという喜びだけでなく、
今まで知らなかったGUCCIの世界観をほんの少しだけでも知れた事。
またひとつ、私の経験値が上がった!と感じる事ができたと思います。
一生縁のないブランドだと思っていたお店に足を踏み入れることは、私にとってはちょっとした冒険でした。
羽生選手の写真を見て、4階で実際に彼が身に着けたお洋服を見て、そして1階に降りてきてGUCCIのカバンや財布といった商品を見るうちに、気に入るものがあれば買ってみたいなぁと思っている自分がいることに気づきました。
自分でも笑ってしまうくらいGUCCIの戦略に見事に嵌っていますけど、これでいいんです。
今回のようにギャラリーを無料で開放している以上、きっと私のような新規客を増やしたいという意図がGUCCIにはおそらくあったのだと思うのですよね。
実際初めて今回のコラボをきっかけにGUCCIの商品を買ったという方をたくさんSNS上で見かけましたし、私みたいに何も買わない客にも潜在的に良いイメージがつけば売上は上昇するでしょう。GUCCIの戦略は大成功していると思います。
一方で、
私にとって大事なのは、
GUCCIの商品を身につける自分という新たな世界線が見えて、私の未来の選択肢が増えたということ。
最初から縁がない、私には要らないものだと引いて見るのではなくて、新しい世界にいる自分を想像することによって、私の世界が広がったということが大事なんです。
果たしてこれから先、私の経験値がさらに上がりGUCCIという最高級の装備品を手に入れることができるのか?
それは私自身にかかっていること。
でも、
いつも私を導いてくれる羽生結弦選手という王子様がいるので。
彼についていけば、おのずと経験値は上がっていくでしょう。
彼はこれまでもこれからもたくさんの冒険の機会を私に与えてくれていますから。
モノを買うか買わないかはさておき、
いつかGUCCIみたいに素敵なこだわりがあるブランドが似合うような、
そんな人になれたら…。
想像、妄想だけで終わらせるのではなく、
また今日から精進していこうと思います!
夢へと飛び立つ
羽生結弦×GUCCI。
予想以上に素晴らしいコラボレーションでした。
こう語る両者の理念がマッチしたからこそ、今回のコラボレーションが実現したんですね。
羽生選手がプロに転向してもうすぐ一年が経ちます。
この一年間の羽生選手の進化や変化は着いていくのが大変な程でした。
本人が仰るように、鎖(アマチュア時代の競技ルール等)に縛られず「羽生結弦」としての個性を表現し続けることで、大きく羽ばたく姿を見ることができてファンとして本当に嬉しいです。
東京ドームはソールドアウトするし、
写真集や雑誌は相変わらず飛ぶように売れるし、(ちなみに私もELLE Japanは人生初の複数冊買いしました。もちろんポストカード目当て)
GUCCIとコラボするし。
鎖が外れた途端ここまでのポテンシャルを爆発させるとは。
ELLEの動画のタイトル、とても素敵ですよね。
「人生の夢へと飛び立つ」。
プロ2年目、3年目も、これからもずっと、
羽生選手の夢に向かって羽ばたいていってほしいです。
その旅路を見せてくれるだけで嬉しい。
それだけで、私の日常が非日常になったり、冒険の旅に出かけるきっかけを貰えたりするのですから。
ずっと前から何となく思っていたこと。
「羽生結弦の物語」「羽生結弦の旅路」を見せてもらって「あー、楽しかった」で終わるんじゃなくて、
その気持ちを何か自分の人生においても役立たせたい。
その想いが最近どんどん強くなってきていると感じています。
「夢って何?」
という羽生選手の言葉に衝撃を受けた話をこの前noteに書きました。
羽生選手の飽くなき向上心に引っ張られるかたちで、
人生をただの傍観者ではなく「私の物語」として大切にしていきたいという気持ちが膨らんでいます。
冒険に出かけて、世界を広げて、経験値を上げて、いつか私だけの夢を手に入れられたら。
私の人生の旅路はきっと、すごく楽しいものになる。
そう思えるきっかけをくれた羽生選手には感謝しかない。
ずっとずっと羽生選手の味方でいたいし、応援し続けたいです。
終わります。
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